実は今もそうなんですけど、原稿を書く際にガムを噛んでいることが多いです。眠い時に顎を動かしていると眠気が取れる気がするし、「集中力が高まる」とも言われているらしい。

で、ある程度噛んでると“捨てどき”になります。紙やティッシュにくるんで、速やかにゴミ箱行き。いませんよね、その辺の床に「ペッ!」と吐く人なんか。

では、なぜ道端だと、その辺に「ペッ!」と吐く人がいるのか。天下の往来ですよ!? ガムを包んでいた紙でもいいし、手持ちのティッシュでもいいし、くるんでゴミ箱に捨てればいいじゃない。今の世の中、道にも駅にもコンビニにも、そこかしこにゴミ箱は設置されてるから!

一方、ガムを販売する側の 「ロッテ」も指をくわえて見てるだけじゃない。
4月5日、銀座4丁目交差点を中心に据え、このエリアの「ガム取り清掃活動」が実施されています。
実はこれ、新入社員を対象とした研修の一環だそう。同社により2002年から行われており、いわば毎年の恒例行事。今年は朝8時30分に招集がかけられ、8時50分から「銀座通り」や「晴海通り」に勤しむようです。
「『ガムを捨てないでください』とマナーをアピールする意味もありますが、企業として『自社の製品(ガム)が社会にどう繋がっているか』を新入社員に認識してもらう目的で、この活動を始めています」(ロッテ・広報担当者)
今回は50人の新入社員にプラスし、ボランティアとして参加した社員50人、計100人で“ガム取り”が行われます。

というわけで、土曜の爽やかな朝に清掃活動が始まりました! 参加者の方々は、山羊のイラストと供に「だメェー! ガムのポイ捨て」と背中にあしらわれたスタッフジャンパーを羽織り、専用の道具を駆使してガムを剥がしにかかります。

しかし気を付けて見ると、道にはガムが多いんだな……。
「毎年、この活動をさせていただいていますが、ガムの量はなかなか減らないですね、残念なことなんですけど……」
「人の多い銀座だから」とも思うが、それにしても。今度気を付けて道を見てみたら、皆さんも改めてビックリしますよ。ガムのポイ捨てって、予想以上に多い!

一方、非常に手際良くガムを剥がしにかかる新入社員の方々。「これはこびり付いちゃってるな……」というガムも、ササッと、ゴシゴシと、見事に対処しているようです。
「まずはヘラでガムを剥がし、残った部分にはオレンジの入ったオイルを付けます。
そしてそこを金属の入ったブラシでこすり、最後にタオルで拭き取ります」(ロッテ新入社員)
この方法は、先輩社員から受け継がれている方法のよう。培われてきた2002年からの歴史だ。

それにしても、清掃活動の様子は非常に壮観。この様子を興味深く見つめる通行人の方もいらっしゃいました。……が、そろそろ人通りが多くなってきた。約一時間を経過した辺り、邪魔にならない頃合いを見計らって、今年の「ガム取り清掃活動」は終了となりました!
「商品を販売するだけでなく、マイナス面も含めて社会的責任があるということを新入社員に知ってもらいたいな、と考えています。
この活動を行うことにより一体感が生まれると思いますし、会社に対するモチベーションも高まってくるんじゃないかな、と期待しています」(ロッテ・広報担当者)

新入社員の方からも、お声をいただきましょう。今日の清掃活動を経て、新たに感じたことはありますか?
「ロッテという会社はガムを売っており、“おいしさ”や“楽しさ”は伝えていると思います。しかし、その先の処理というか『ポイ捨てしちゃいけない』というマナー面も伝えていかなくては、改めて強く感じました」

こういう活動が行われていたこと、皆さんは御存知でしたか? 私は、知りませんでした。そして、こちらもマナーに対する意識も上がったと思う。
この研修を経て、社会自体の意識も変わっていけば何よりです。
(寺西ジャジューカ)