いまどきの女の子たちはディズニープリンセスが大好きだ。『アナと雪の女王』の2人はもちろん、そのバックストーリーを含めてお気に入りのプリンセスが一人や二人はいることだろう。
そんな風に、時代ごとに少女たちのあこがれるプリンセスキャラというのが存在するのだが、筆者が子供だった1970～80年代前半頃、たいがいの女の子は瞳に星のたくさん入ったプリンセス風キャラクターの描かれた文具やハンカチなどの小物を持っていた。高橋真琴という名前までは知らなくても、その華やかな絵柄を覚えている人は多いのではないかと思う。
1950年代にマンガ家としてキャリアをスタートさせた高橋さんは、少女マンガ誌『なかよし』『マーガレット』などの表紙イラスト、女の子向けの文具や小物、自転車といったアイテムのデザインを手がけるなど少女をテーマにした数多くの作品を発表してきた。そんな作品の原画を楽しめる『カワイイの原点 高橋真琴展』がこのたび開催されることに。
今回はねむり姫やおやゆび姫などお姫様を主人公にした“おひめさまえほん”の原画をはじめ、雑誌の表紙絵やグッズ絵といった1970年代から最近の作品までをピックアップした内容になるそうだ。なぜ今このような展示を企画したのか、会場であるSPACE8の社長・松本さんにうかがった。
「日本のマンガ同様、今や海外からも注目されるようになった『JAPANESE KAWAII CULTURE』。戦後まもなく出現した少女文化は、他国に類を見ない日本独自のカルチャーとして発展を遂げました。現在もストリートファッションやアートなどさまざまな分野で進化し続ける”カワイイ”の世界、その原点には高橋真琴さんの作品があります」
「真琴さんは70年代、キラキラ輝く大きな瞳を持つ女の子のイラストによって、少女のあこがれの世界を具現化し、それを日本中に定着させました。現在さまざまな分野で発展を遂げている“カワイイ”のベースには、真琴さんの作り上げたイメージがあると言っても過言ではないでしょう。きゃりーぱみゅぱみゅは知っているけど真琴さんの作品は知らない、そんな世代にも是非真琴さんの画業を知ってもらいたい、また日本独自のカルチャーを知る貴重な展示として一人でも多くの方に原画を見ていただきたい、そんな気持ちで展示を企画しました。
確かに高橋さんの描く少女たちの金髪や茶髪の巻き髪、フリルたっぷりのドレス、そして前述のたくさんの星が入った瞳といったエッセンスは、ロリータ系など昨今の“カワイイ”カルチャーにもしっかり受け継がれている。そんなわけで今回の展示は、少女時代に高橋さんの作品に触れていたであろう30代後半以上の人はもちろん、生まれたときから“カワイイ”が身近にあふれている10～20代の女の子たちも意識した構成になっているのだそうだ。
また、“おひめさまえほん”の展示もあるので、ファミリーでも楽しめるとのこと。ちなみに、広報担当の小野田さんにおすすめの作品を聞いてみたところ、
「全てです！ とお答えしたいくらいです。なかでも、今回の展示コンセプトである、あこがれのイメージが生活の中に広まった70年代の作品は特におすすめです。これまであまり原画を公開してこなかったというマンガ誌『デラックス・マーガレット』の表紙絵シリーズ、色鮮やかな着せ替えの原画などはぜひ見ていただきたいですね」
「今回出していただく70年代の作品はパリジェンヌを描いたシリーズが多く、普通の女の子が中心です。
今回はレアな作品原画が楽しめるのはもちろんだが、会場限定グッズが販売されるのも気になるポイント。企画展オリジナルポストカードセット（3枚450円）のほか、SPACE8オリジナルグッズセット（復刻版ぬりえ・きせかえ・どうぶつシール、2600円）などは懐かしさ満点の一品。来場できない人のためにオンラインストアでも取り扱う予定とのこと（※原画の販売はなし）。
高橋さんの作品に描かれた少女たちの宝石のように輝く瞳には、時代を超えて見る人を引き寄せる吸引力がある。キラキラした“カワイイ”を童心にかえって懐かしむもよし、温故知新として楽しむもまたよし。
（古知屋ジュン）
【カワイイの原点 高橋真琴展 -ROOTS OF JAPANESE KAWAII-】
会場：SPACE8
日時：9月03日～9月15日11:00～19:00（最終日16:00まで）
料金：入場無料
※9月7日14：00～高橋真琴さんのサイン会あり。詳しくは会場WEBサイトを参照
そんな風に、時代ごとに少女たちのあこがれるプリンセスキャラというのが存在するのだが、筆者が子供だった1970～80年代前半頃、たいがいの女の子は瞳に星のたくさん入ったプリンセス風キャラクターの描かれた文具やハンカチなどの小物を持っていた。高橋真琴という名前までは知らなくても、その華やかな絵柄を覚えている人は多いのではないかと思う。
1950年代にマンガ家としてキャリアをスタートさせた高橋さんは、少女マンガ誌『なかよし』『マーガレット』などの表紙イラスト、女の子向けの文具や小物、自転車といったアイテムのデザインを手がけるなど少女をテーマにした数多くの作品を発表してきた。そんな作品の原画を楽しめる『カワイイの原点 高橋真琴展』がこのたび開催されることに。
今回はねむり姫やおやゆび姫などお姫様を主人公にした“おひめさまえほん”の原画をはじめ、雑誌の表紙絵やグッズ絵といった1970年代から最近の作品までをピックアップした内容になるそうだ。なぜ今このような展示を企画したのか、会場であるSPACE8の社長・松本さんにうかがった。
実は高橋さんとマンガ家である松本さんのお父さんが若かりし頃に一緒に仕事をしていたという縁があり、今回の展示が実現したのだそうだ。
「日本のマンガ同様、今や海外からも注目されるようになった『JAPANESE KAWAII CULTURE』。戦後まもなく出現した少女文化は、他国に類を見ない日本独自のカルチャーとして発展を遂げました。現在もストリートファッションやアートなどさまざまな分野で進化し続ける”カワイイ”の世界、その原点には高橋真琴さんの作品があります」
「真琴さんは70年代、キラキラ輝く大きな瞳を持つ女の子のイラストによって、少女のあこがれの世界を具現化し、それを日本中に定着させました。現在さまざまな分野で発展を遂げている“カワイイ”のベースには、真琴さんの作り上げたイメージがあると言っても過言ではないでしょう。きゃりーぱみゅぱみゅは知っているけど真琴さんの作品は知らない、そんな世代にも是非真琴さんの画業を知ってもらいたい、また日本独自のカルチャーを知る貴重な展示として一人でも多くの方に原画を見ていただきたい、そんな気持ちで展示を企画しました。
今回は、普段あまり見られない真琴ワールドの真骨頂である70年代の作品を中心に、最近の作品までを展示します」
確かに高橋さんの描く少女たちの金髪や茶髪の巻き髪、フリルたっぷりのドレス、そして前述のたくさんの星が入った瞳といったエッセンスは、ロリータ系など昨今の“カワイイ”カルチャーにもしっかり受け継がれている。そんなわけで今回の展示は、少女時代に高橋さんの作品に触れていたであろう30代後半以上の人はもちろん、生まれたときから“カワイイ”が身近にあふれている10～20代の女の子たちも意識した構成になっているのだそうだ。
また、“おひめさまえほん”の展示もあるので、ファミリーでも楽しめるとのこと。ちなみに、広報担当の小野田さんにおすすめの作品を聞いてみたところ、
「全てです！ とお答えしたいくらいです。なかでも、今回の展示コンセプトである、あこがれのイメージが生活の中に広まった70年代の作品は特におすすめです。これまであまり原画を公開してこなかったというマンガ誌『デラックス・マーガレット』の表紙絵シリーズ、色鮮やかな着せ替えの原画などはぜひ見ていただきたいですね」
「今回出していただく70年代の作品はパリジェンヌを描いたシリーズが多く、普通の女の子が中心です。
絵本の挿絵などで描かれたお姫さまとはまた違った、身近な女の子のあこがれを感じさせる作品です。また絵本の原画ではありませんが、いろいろな物語の主人公が集まった『メルヘン舞踏会』という作品では、どこに誰がいるかな？ と探していただくのも楽しいのではと思います」
今回はレアな作品原画が楽しめるのはもちろんだが、会場限定グッズが販売されるのも気になるポイント。企画展オリジナルポストカードセット（3枚450円）のほか、SPACE8オリジナルグッズセット（復刻版ぬりえ・きせかえ・どうぶつシール、2600円）などは懐かしさ満点の一品。来場できない人のためにオンラインストアでも取り扱う予定とのこと（※原画の販売はなし）。
高橋さんの作品に描かれた少女たちの宝石のように輝く瞳には、時代を超えて見る人を引き寄せる吸引力がある。キラキラした“カワイイ”を童心にかえって懐かしむもよし、温故知新として楽しむもまたよし。
展示やグッズを通して、日本の女の子たちに夢を与え続けた“MACOTOワールド”の魅力を再発見できるはずだ。
（古知屋ジュン）
【カワイイの原点 高橋真琴展 -ROOTS OF JAPANESE KAWAII-】
会場：SPACE8
日時：9月03日～9月15日11:00～19:00（最終日16:00まで）
料金：入場無料
※9月7日14：00～高橋真琴さんのサイン会あり。詳しくは会場WEBサイトを参照
