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中高生に大人気「ラッスンゴレライ」ってなんですのん
ほんとなんですのん……。
中毒性が高く、頭から離れてくれない。
助けて!
あまりにも頭をグルグル回って心地よくて腹が立ったので、このネタの最もクセになる部分である「リズム」と「言葉」を検証してみようと思います
1・早めのBPM
今まで、ヒットしたリズムネタ芸人は、数多くいます。
それぞれリズムネタのスピードはバラバラ。
比較するためにBPM(1分間に何拍刻むかを表したもの。メトロノームの数値)を調べました。
オリエンタルラジオ「武勇伝」:135
レギュラー「あるある探検隊」:160
ですよ。「ですよ。」:115
テツandトモ「なんでだろう」:100〜175
はなわ「佐賀県」:173
ムーディー勝山「右から左へ受け流す」:140
2700「僕はこのダンスをする」:185
藤崎マーケット「ららららい体操」:180
イシバシハザマ「まさかでショートコント」:135
どぶろっく「もしかしてだけど」:117
クマムシ「あったかいんだからぁ♪」:105
バンビーノ「ダンシング・フィッソン族 ダンソン」:170
問題の「ラッスンゴレライ」はというと、BPM170。
かなり早い部類。同時期から流行っているバンビーノの「ダンソン」とほぼ同じ。
「よしもと漫才劇場」では、2組のコラボも行われています。
BPM150以下のネタは聞きやすさ重視です。
BPM170をこえると一気に攻撃的になります。勢いの楽しさです。
音楽とも比較してみましょう。
パラパラがはやった時期のユーロビートのBPMは主に140から155。ユーロビートディズニーのBPMは148。
「千本桜」のBPMが155、「つけまつける」が145、「女々しくて」が143。
このくらいがちょうど聴きやすく、受けやすい。
「ヘビーローテーション」が178、「君の知らない物語」が165、「猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」」が174。
最近のJ-ROCKで頭角を表しているKANA-BOON。「ないものねだり」はBPM175、「フルドライブ」は181。
またMAN WITH A MISSIONの「database feat.TAKUMA(10-FEET)」は178、「distance」は165。
活気のある曲が多くなります。「ラッスンゴレライ」や「ダンソン」はこのへんに近い。
安心して聞けるのはBPM100から120。心音より少しはやいくらいです。「あったかいんだからぁ♪」はここ。
音楽として売れやすい(聴きやすい)のは150前後。早歩きくらい。
それよりもちょっと早いと、元気さを引き立て、気分を高揚させる効果がグッと高くなります。
「ラッスンゴレライ」は時間もちょうどいい。2分前後でぴったり終わる。
瞬間的にテンションを上げる効果があります。
でもおっさんになると、メロディーなしだとちときついんだよ、このスピード。
だからこそ小中高生にぴったり。ノリやすい。
ちなみにアイドルの私立恵比寿中学などは、曲がBPM190から200いっちゃいます。
今後さらに早いリズム芸人もでてくる可能性あるよこれ。
2・「ラッスンゴレライ」という言葉
「ラッスンゴレライ」を、実際に口に出して言ってみてください。
上顎を何度も舌が舐めるので、妙に気持ちいい。
これは「ら行」が歯茎をはじく音だから。しかも3回も入ってる。
Twitterを見ていると、ちっちゃい子供も真似しているのです、おぼつかない口調で。
身体感覚に直接訴えてくる単語(?)です。
ぶっちゃけ「スパイダー(略)」の方は、比較対象なので、こちらはなんでもいい。
3・YouTubeでの拡散力
まあ、色々検証してみましたが、結論は出ようもありません。
そもそもまだ知名度も、大人の間では「高い」とは言えない状態。
ただ公式動画で「定形」を提示しているのは、他の漫才との違いの一つ。
(テレビでは、色んなバリエーションを披露しています)
チュートリアル動画まであります。
「武勇伝」や「なんでだろう」も真似はできたました。でも当時は、スマホと動画文化が一般化していなかった。
かくして、「ダンソン」と共に、YouTubeにスマホ自撮り動画をアップ。ものすごい勢いで拡散され続けています。
ぼくは、楽しそうに「ダンソン」と「ラッスンゴレライ」やってる女子高生の動画を見ては、青春って眩しいなあと思うばかりです。
意外なのは「ラッスンゴレライ」の踊ってみた動画が、ニコニコにはほぼないこと。
YouTubeとTwitter(Vine)には非常に多いのに。
ニコニコ視聴者・参加者層と「ラッスンゴレライ」ブームが全く被っていないあたりに、断絶を感じます。
一方でクマムシの「あったかいんだからぁ♪」はCDデビュー。SoundCloudのRemixで盛り上がったりもしています。
今後はネタそのものだけでなく「どこでどの層にブームになっているのか」の住み分けを見ていくのも、面白そうです。
(たまごまご)