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生まれたばかりの我が子を見て「ハズレだ」と言った母親の心理。産婦人科実録作者に聞く2

──中絶以外に作中では「母性」もあつかっています。ネグレクトや子供へのDVを繰り返す母親が登場しますが、母性についてどのようのお考えですか?
沖田 わたしが目にした母性は、ゆらいでいてとても不安定な印象です。アップダウンがあって、強まったりと弱まったりするもの。子供を産んだ瞬間から右肩上がりになるものでもなければ、子供の成長とともに弱まるものでもないという感じです。作中に登場する、不妊治療の末に授かった子供を他の子と取り替えようとした母親も、赤ちゃんが生まれてくるのを楽しみにしていました。服をつくってあげたりしてとても幸せそうにしていたんです。けれど我が子を見て、彼女は「ハズレだ」と口にしました。「もっとかわいい子が生まれるはずだった」「この子は将来何もかもうまくいかない」と。わたしにはこの方を「ひどい人だ」と決めつけることはできませんでした。ただ、母性が暴走してしまったんだと。
──「母性とは不思議なものだ」と描いていますよね。
沖田 そもそも母性が良いものだという考えには疑問を抱いていました。悪くはたらいてしまうこともあるのではないかと。たとえば子供への過度の期待や愛情も元をたどれば母性なのではないでしょうか。わたし自身手探りで描いているので、答えには至っていません。個人差が大きいですし、ひとまとめにするのは乱暴な気がしています。また、自分にはそもそも「母性がない」と感じている女性もいます。産んだはいいけど子供がかわいくない。それがネグレクトになったりする場合もあるのですが、大体のお母さんは口にしません。「あって当然のものがない。母親失格だ」と思っているのではないでしょうか。...続きを読む

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