長瀬智也と宮藤官九郎のタッグが帰ってくる!
2016年2月公開の映画『TOO YOUNG TO DIE ! 若くして死ぬ』が7月5日にクランクアップ。7月8日(水)にクランクアップ報告会見が開かれた。

TOKIO長瀬智也&宮藤官九郎再び「TOO YOUNG TO DIE ! 若くして死ぬ」会見レポ
爆笑地獄「TOO YOUNGGO DIE! 若くて死ぬ」は2016年2月全国ロードショー。

今回の舞台は、池袋でも浅草でもなく「地獄」。会見会場の入り口からステージまでは長いレッドカーペットが敷かれ、途中に大きな赤い鳥居があって、その先には骸骨の山。会場にも漂う地獄の雰囲気、なんだか怖い……。

溢れ出る「地獄」への想い


デデデデン……と地獄を彷彿とさせるBGMにのって登場したのは、主人公・キラーKを演じた長瀬智也。指でポーズをとりながら舌を出し、カメラに向かってポーズを決めた。続いて、弱冠17歳にして地獄に堕ちてしまう高校生・関大助役の神木隆之介、その大助が片思いする同級生・手塚ひろ美役の森川葵、地獄でキラーKと共にロックバンドを組む邪子役の清野菜名、そして本作の脚本・監督をつとめた宮藤官九郎の5名が鳥居をくぐって登壇した。

司会者から紹介を受けると長瀬は、映画に対する想いを一気に語った。


「宮藤さんとは何度かお仕事をさせてもらっていて、映画としては約10年ぶりなんですけれども。お仕事をさせてもらっていく中で、好きな映画が一緒だったり、彼(宮藤)もバンドをやっていて音楽の話をしたり、いつか音楽を題材にした作品ができたらいいな、という話をしていて。今回キラーKというお話をいただいて、ぜひとも!とやらさせていただきました。」

芝居だけでなく音楽にも注目して欲しいと長瀬。キラーKは地獄農業高校の軽音楽部の顧問であり、地獄専属ロックバンド地獄図(ヘルズ)のボーカル&ギターを担当するバンドマン。ギターも地獄仕様にデコレーションされている。THE ALFEEの高見沢が愛用するエンジェルギターの制作者に依頼したそうで、高見沢のエンジェルとは真逆の地獄バージョン。
細部まで見逃せない!
TOKIO長瀬智也&宮藤官九郎再び「TOO YOUNG TO DIE ! 若くして死ぬ」会見レポ

映画の舞台となる地獄は、撮影所最大のスタジオに巨大な地獄を作って撮影された。監督の宮藤は「地獄を舞台にした映画ということで、40日間くらいある撮影のうち、30日間くらい地獄に毎日通いました。朝9時ごろから23時頃まで地獄で働きました。」さすがはコメディ映画。

過去でも現代でもなく「地獄」をテーマにした理由とは?


司会者からなぜ舞台を地獄にしたのかと聞かれた宮藤監督。ちょっと意外な答えが返ってきた。
「理由はいくつかあるんですけど、自分もだんだん歳をとりまして。
死ぬっていうのは怖いものだなっていう。俺もいつか死ぬんだなと思ったら嫌な気持ちになりまして。悪い事すると地獄に堕ちるという風に教わってきましたが、アメリカのヘヴィメタルの歌詞を見ると『hell, hell, hell』とすごく地獄を肯定している歌が多くて。カッコいい人たちがみんな地獄に堕ちるって思ったら死ぬのが怖くなくなるんじゃないかという風に思って。」
カッコいいこと=バンドに置き換え、長瀬のギターや顔芸と呼べるほどの様々な表情を見てきた宮藤監督は「長瀬くんが鬼で、地獄でバンドやってたらいいなって思ったんですね。」と打ち明けると、長瀬も「僕しかいないっすよね!(笑)」と、付き合いの長さを感じさせる。
TOKIO長瀬智也&宮藤官九郎再び「TOO YOUNG TO DIE ! 若くして死ぬ」会見レポ

本格的な地獄セットの中とはいえ、撮影を通しておもしろさや切なさ、音楽のすばらしさなど色んな感情に浸ったという長瀬。「宮藤官九郎じゃなきゃこういう作品が作れない」と語った。
15年前に共演したことがあるという神木にはギターを教えたり、ベース初挑戦の清野奈々にはその奮闘を監督と長瀬が褒めたりする場面も見られ、和気あいあいとした“地獄”での様子が伝わってきた。

キラーKの巨大パネルには、長瀬扮する赤鬼の姿があった。その名のとおり顔が真っ赤で、赤鬼の持つ和のテイストに、革のグローブなどのロックのエッセンスを融合させた衣装がお披露目された。鬼の衣装ってパンツ以外想像したこともなかった。
TOKIO長瀬智也&宮藤官九郎再び「TOO YOUNG TO DIE ! 若くして死ぬ」会見レポ

「セットがすばらしくて、ああきっと地獄ってこんなところだなって思うくらいのセットでした。メイクも特殊メイクで1時間半くらいかけてやるんですけど、だんだん自分の顔を忘れてくるんですよね。
共演者がメイクをとったときに、そんなカッコいい顔してたの!って再確認できるみたいな(笑) メイクもすばらしかったですし、色んなもののクオリティがすごく高くて。想像以上の作品になっていると思うので、公開を楽しみにしてくれたらいいなと思っております。」と、思い描いていた地獄と照らし合わせながら見るのも面白そう。
この他、劇中にはキラーKの現世の恋人役に尾野真千子、バンドメンバーには桐谷健太、地獄農業高校の校長に古田新太らの出演が発表された。

地獄の赤鬼と不慮の事故で地獄に堕ちた高校生が繰り広げる、前代未聞の“地獄コメディ”。長瀬が「これまでやむを得ずお別れしてしまった人たちも、もしかしたらこんな鬼たちと楽しくやっていてくれたらそれはそれでいいかなと思えた」と語ったように、生きている限りは見ることのない世界。子どもの頃から昔話や言い伝えを通して描いていた地獄のイメージが一変しそうだ。

『TOO YOUNG TO DIE ! 若くして死ぬ』公開は2016年2月全国ロードショー。公開が待ち遠しい!
(柚月裕実)