説明ゼリフに関して言えば、たとえば、ボルトがチート忍具を使って中忍試験の二次試験を受かったあとに、自分でもうしろめたくて自分の部屋の中で科学忍具つけた右手を触りながら見つめるカット。ここ、せりふがほとんどない。『バケモノの子』なら「これ、使ってよかったのか」とか、そのあとナルトにほめられてうれしくてベッドでころがるところで「やっぱ間違ってなかったってばさ」とか、絶対言わなくてもわかることを口にさせてた。
あとはクライマックス前にボルトがむかしナルトが着てたオレンジ色のジャージを身にまとったときにちっちゃいときのナルトの姿がダブる。そこで母親とサクラの顔を映す。でもとくにそれを説明しない。ボルトがジャージ着る、ナルトとダブる、それを見てる母親やサクラの表情…このモンタージュだけですべてがわかる。継承テーマとか親世代の想いとかボルトの変化とかぜんぶわかる。ここも『バケモノの子』だったら二言くらいぜったい口に出させてた。それに比べたら、入れなくていいせりふがない。
藤田 「ナルトにほめられてうれしくてベッドでころがる」とかが、台詞ではないけれど、描写としてぼくは説明しすぎかと思いましたね。
原作の読み込み度合いで目線が変わる!?

(C)劇場版BORUTO製作委員会 2015
飯田 藤田くんは『NARUTO』はどれくらい読んでたんですか?
藤田
主人公の魅力がなさすぎる。というか不快。