
128話は、こんな話
半年の産休に入る前まで、希(土屋太鳳)はカラダに気をつけながらもがんばって働き続け、やがて2008年8月10日、希と徹(大泉洋)の誕生日の前日、産気づく。
今日の、気になる
産休前の営業最終日、プチ・ソルシエールに観光の途中、ふらり立ち寄ったお客さん・波多野都(本上まなみ)。
希と同じく妊娠していて、「重なりがちだもんね、女は。仕事がのってくる時期と子供と。」としんみり。妊娠したものの、まだ仕事をどうするか決めきれない側としての役割を担いました。
本上まなみは言ってみれば、一子(清水富美加)の先輩みたいな存在で、モデルやタレントとしてデビューしながら、文化的なものに強い興味があって、エッセイなどでも活躍するようになった経緯をもっています。
能登を旅し、そのちょっとはずれにある本格的なフランス菓子の店をみつけ、味の違いに気づく感性をもち、仕事と出産についてデリケートに思索している人物役には、本上はピッタリです。
なにかただものではない感が漂っておりました。じつは高名なエッセイストだったりして? と妄想。名前が、脚本家の波多野都と同じというのも気になります。ちなみに、波多野は、篠崎絵里子が脚本を書いた「眠れる森の熟女」の小説版を書いています。
話を本上まなみに戻します。
ブログで女の生き方を連載し、いろいろな世の中の事象を取材しているらしい一子は、まだまだ本上の域には到達していません。
もっとも、モデルやタレントになれず、ブロガーからライターになった一子は、本上まなみに代表される文化的女優とはまたちょっと違うタイプなのでしょうけれど。
で、ここで本題。
本上まなみ、朝ドラとも縁がありました。
彼女の旦那さま沢田康彦が、ちょうど最近、「暮らしの手帖」の編集長に就任されたという発表があったばかり。「暮らしの手帖」は、来年の朝ドラ「とと姉ちゃん」でその創業者のことが描かれる予定です。
そういえば、今日のまれや波多野都のファッションが、丁寧なナチュラル生活をおくる女性に好まれそうだなあ(ものすごい先入観)と思うのでした。
今日の、勝手に名言
「昔、うちの野心は黒かってん」
「いやあ、心や楽やよ、白いがは」(一子)
こじらせていた人生からすっかり脱却した一子。
微妙に曖昧になっていた圭太との恋にも、ようやくきっぱりすっぱりけじめをつけました。
それにしても、いろいろドロドロがあっても、友達でいられる関係っていいですよね。
今日の、名場面
夏、みんなでスイカを食べているところで、圭太の肩にもたれている妊婦・まれ。圭太とまれは動物的というのでしょうか、理屈じゃなくそばにいていたわりあっている雰囲気がいい。睦み合うという言葉がピッタリに思えます。
(木俣冬)
エキレビ!にて月~土まで好評連載中! 木俣冬の日刊「まれ」ビュー全話分はこちらから
いまひとつ視聴率が伸びないが、奮闘は讃えたい。NHK朝ドラ「まれ」おさらい(54話までを総括))