空から降ってきたシータを受け止める時、パズーがいったん親方のお弁当を置くとことか
パズーの枕元に本があって、それを読む時に使ったらしい蝋燭がちゃんと隣にある所とか
ラストで海賊ドーラの手下が二人に向かって「シータだ!シータだ!」って叫ぶ中で
パズーと一緒に仕事してたお爺さんだけ「小僧だ!」って言ってくれるとこも好きです。
「天空の城ラピュタ」は細かいところが気になるくらい観てるのに、

このガリバー旅行記のラピュタを、そういえば読んだ事がなかった。
飛んでる島だし名前もラピュタだし、ちょっとは関連あるのかも?
なんて気持ちで、ガリバー旅行記のラピュタ編をはじめて読んでみました。
ぜんぜん違った
ガリバー旅行記ではラピュタは封印なんてされておらず、人が普通に生活してます。
国の名前はバルニバービ。飛島のラピュタは王都であり、首都ラガードは地上にあります。


ガリバーがラピュタを出たのが1709年。
ジブリ版ではムスカ曰く700年程封印されてたようなので、ガリバーが出発後すぐ封印されたとしても
パズー達がたどり着いたのが2409年。とてもそんな未来設定には見えないので、まず繋がりはなさそうです。
しかしガリバー版も面白かったので、ジブリ版との違いをもうちょっと紹介してみます。
形・大きさが違う

映画に出て来るパズーのお父さんの想像図はガリバー版よりですね。パズーのお父さん絵上手い。
大きさはガリバー版が
直径7.24205kmの真円、面積40.4686キロ平方メートル、厚さ274.32m。
外周でラピュタハーフマラソン大会ができそう。
ジブリ版は大きさがはっきりしませんが、飛行艇の大きさから比較してもっと小さそうです。
島の操作方法が違う
ジブリ版は飛行石の結晶の力を使って浮いており、呪文やペンダント操作で色々できるので
飛行石がどんな法則で動いてるのかはわかりません。

一方ガリバー版は島の中心に磁石があり、それをくるくる回す事で移動してます。


軌道計算はラピュタ人の大好物ですから、「この条件でなるべく早く進む角度」とか考えるのが楽しいのかもしれません。
地上への攻撃方法が違う
ジブリ版は「ラピュタの雷」で砲撃したり、ロボット兵を射出したりしてますが
ガリバー版は

大きさと形を活かした攻撃方法を取ってます。
このへんは全てガリバーが見たわけではなく住民に聞いた話なので
そもそも地上に攻撃する気なんかないように見えました。
建物が違う
ガリバー版ラピュタでは建物はひしゃげていて、服のサイズや形もめちゃくちゃだそうです。
ガリバーはこれを「あいつら計算ばっかしてるくせに計算ミスが多い」としてますが、
さすがに数学の事ばっかり考えてる人達がそんなにミスを連発した上、気にしないとは思えないので
私には「ガリバーが理解できなかった」ように見えました。
まっすぐな建物より、ひしゃげた建物のほうが建てるのも計算も難しそうですし。
まとめると

こんな感じでしょうか。
ガリバー版は別物として面白い
ガリバーはラピュタ・バルニバービを出発後、
お隣の幽霊を召還する島に行き、更にお隣の不死者がいる国に行き、
そしてその隣の日本にやってきます。
ラピュタの前に訪れた小人の国も巨人の国も日本の東でした。日本の東がだいたいやばい。
ガリバー旅行記の政治批判や人間批判は、宮崎駿の作品に出て来る思想にちょっと通じるところがあったり
ガリバーがラピュタに来るきっかけとして海賊が出てきたり、その海賊の中に日本人がいたり
少ないですがジブリのラピュタと似てる所を探してみるのも楽しいです。
ガリバー旅行記は青空文庫化されてます。
青空文庫では一部のシーンがカットされてますが、気軽に読んでみるにはおすすめです。
(たきりょうこ)