21世紀の日本を先取りした「平穏を望む殺人鬼」


ようやくストーリーに本格的に参戦してきた吉良吉影。ジョジョ第四部のラスボスであり、原作者の荒木先生が「好きなんですよ」と告白したキャラクターだ。ジョジョの画集『JoJo aーgo! go! 』に収録された作者人気投票キャラクターベスト10でも、東方仗助に注ぐ二位にランクインしている。6位がジョセフ・ジョースター、8位が空条承太郎で歴代主人公たちの立場がない!
「ジョジョの奇妙な冒険」私の名は「吉良吉影」年齢33歳、結婚はしていない
公式サイトより

吉良の名前は「キラー(殺人者)」に由来し、殺さずにはいられない性癖の持ち主。スタンド名「キラークイーン」の元ネタは、イギリスのロックバンド「QUEEN」からだ。この曲が後にサードアルバムの『シアーハートアタック』に収録されたのも、今考えると意味深だ(おいおい分かります)。

「平穏を望む殺人鬼」は漫画どころか史実でもほとんど例を見ない。そんな特異なキャラクターは、殺人者たちの動機が知りたくて、資料を読み込んだ荒木先生の好奇心のたまもの。「吉良吉影」と頭文字を揃えてるのも「ジョジョ」と同じで、まるでもう一人の主人公のようだ。

吉良は歴代ラスボスの中でも唯一無二だ。生態系の頂点を目指したカーズ、世界を跪かせる野望を抱いたDIO、そして「植物のように平穏に生きること」を望んで町を一歩も出ないサラリーマン……! その理由は、90年代末という時代だった−−と荒木先生は語る。

「吉良を描いていた時代には、やはり平穏が求められていたんですよね。幸せっていうのは、人間の頂点に立つことではないという」(集英社リミックス ジョジョの奇妙な冒険 PART4 ダイヤモンドは砕けない VOL.27」