ダウンタウン司会の『27時間テレビ』
この番組はフジテレビの夏の恒例行事となっている『27時間テレビ』の原点というべき回である。それまで放送時間はまちまちであったものが、この回から27時間に定着。さらに、この年はフジテレビがお台場へ移転して初めての放送であり、ダウンタウンの総合司会も話題となった。
だが、そんな記念すべき放送回は台風9号によって、あらゆる企画が予定通りにいかなかった。
台風に翻弄された『27時間テレビ』
メイン企画は全国各地の港から地域の名産品を、放送時間中に漁船によってお台場へ運ぶもの。よりによってこの企画である。
実際、ほとんどの漁船は台風のため海へ出られず、企画倒れに。唯一、長野県から笹船がトラックに乗せて届けられるにとどまった。
さらに、土曜の夜に放送するはずだったナゴヤドームの巨人中日戦が、交通網の混乱が考慮され中止に。余った時間は、ヤクルトの野村克也監督、古田敦也捕手などを招き、オールスター戦のダイジェストとヤクルトの名珍場面で穴埋めされた。
そして、お台場の屋外に巨大なセットを設置して行うゲーム対決も中止となり、仮設テント内で、家庭用ゲーム機を使った企画に変更。豪華な企画が一転してチープなものに……。
放送時間が大幅に余ったため、時間を稼ぐため、だらだらと話し続けるダウンタウンの姿も印象に残っている。
その他も企画もグダグダだった…
深夜帯の企画では、ダウンタウンの2名がチームごとに分かれてお色気対決が行われた。
また、スペシャルゲストとしてデニス・ロッドマンが招かれ、フリースロー対決が行われるも、ロッドマンは終始不機嫌だったよう。ナイナイのラジオでは、極楽とんぼ加藤浩次がロッドマンにガンを飛ばし、キレられたエピソードも披露されている。
このように1997年の『27時間テレビ』は、あらゆる意味で“爪痕を残す”番組であったといえるだろう。
※イメージ画像はamazonよりQuick Japan (クイックジャパン) Vol.104 2012年10月発売号 [雑誌]