京都大学の学生総合支援センターカウンセリングルーム公式サイトにある“留年について”のページが、とても親身になって学生のことを考えてくれていると、ネット上で大反響が起こっている。

留年率ってどのくらい?


文部科学省の学校基本調査によれば、4年制学部を4年で卒業するのは、入学者のおおよそ8割弱とのこと。残りの2割の人の中には退学者もいるので、学生のうち2割が留年するというわけではないのだが、それでも多くの学生が留年している。
京都大学のサイトによると、京都大学全体でもおおよそ2割の学生が留年しているらしい。

留年生について京都大学がアドバイス


このサイトでは、「留年や退学は、単に個人の失敗としてのみ捉えられるべきものではない」「現在の日本の社会において大学というシステムは、一定数の留年や退学を生み出すようにできている」として、そんな多くの学生が抱える留年に対する悩みについて、いくつかの解決策を提示している。

まず繰り返し留年に陥ってしまう学生のパターンを分析。「留年が恥ずかしくて、そのことを家族や友人に隠そうとする」「不足した単位を一挙に挽回しようとする」「日々の楽しみを自分に与えない」「卒業しなければ生きていけないと考える」「時期尚早に『来年からがんばろう』と考える」「自分は他の学生より明確に劣っていると考える」といったものがあると説明している。

そして、留年から脱出するために「ダルくても部屋から出る方法」「周りに知り合いがいなくても授業の情報を集める方法」「ひここもりになるのを防ぐ方法」を記載。

だがネットで最も注目を集めたのは、「留年・中退」というキャリアに対して「悲観的になる必要はない」と諭してくれているところ。
「留年をすると就活に不利になると考えがちだが、留年歴も中退歴もなく就職して3年以上勤めている人は100人のうち半分もいないこと」「スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ、孫正義に加え、タモリも秋元康も堺雅人も大学中退者であること」などをあげ、大学をやめるという選択について現実的に考えてみることを提案。それにより「辞められないから」大学に行くのではなく、「積極的で能動的に」大学を続ける選択をするようになることを願っているようだ。

この京都大学のページには「文章に込められた優しさとか受け入れる気持ちが伝わってくる」「留年生だけどめっちゃ寄り添ってくれる内容で震えた」「もう学生じゃないけど元気もらった」と、学生から社会人まで感動している。