第6話では、IQ246というすさまじい頭脳を持っている貴族の末裔・法門寺沙羅駆(織田裕二)が解決してきた数々の殺人事件の黒幕「マリア・T」の正体が監察医の森本朋美(中谷美紀)であることが判明し、「そんなの第1話の頃から薄々気づいていたよ!」と、何のひねりもないストレート過ぎる正体に驚かされたが、日曜劇場『IQ246〜華麗なる事件簿』(TBSテレビ系・日曜21:00〜)第7話ではさらに驚愕の事実が……。

IQ246の持ち主じゃなければ解決することができない完全犯罪……というわりには穴がありまくりで、どれもバカが勢いでやっちゃった殺人事件としか思えなかった一連の事件。


それを指南していた「マリア・T」の知能指数が、なんと沙羅駆超えのIQ300だったのだ。『ドラゴンボール』の戦闘力、もしくは『キン肉マン』の超人強度のインフレかよっ!
今夜7話「IQ246〜華麗なる事件簿」IQ246とIQ300のバカ合戦がはじまった
イラスト/北村ヂン

あのバカトリックの数々を考えていたのが、IQ300の持ち主だったとは! そんなバカトリックをサクッと解決できないIQ246の沙羅駆も沙羅駆だし。……分かったぞ、おめえら本当はバカだな?

IQ246とかIQ300っつーのも、懐かしの名作パズルゲーム『I.Q』が得意とかそういうのじゃない!?

今回の沙羅駆、謎解きしてなくない?


沙羅駆&マリア・T、本当はバカなんじゃないか問題はとりあえず置いておくとして、今回の事件。

かつて人気者だったものの、最近は落ち目となっている女優・美園麗子(山口紗弥加)が、どうしてもやりたかったドラマの主役の座を奪われ、おまけに元カレとも付き合っている若手女優・千草あやめ(佐野ひなこ)を殺害するのだが、例のごとく……というか、これまでの事件以上にわけの分からないバカトリックだった。

マスコミにスキャンダルを狙われているあやめを助けるため……という体で、お互いの服と車を交換し、元カレがかつてハロウィンで着ていたコスプレを着用した上で、クロスボウを撃ってあやめをぶっ殺す。

あやめを亡き者にして主役の座をゲット、元カレには殺人容疑を押しつけることができ、しかも服を交換していたことによって「本当は麗子自身が狙われていた」と思われ自分には疑いがかからないという完璧な計画! ……か?

殺傷能力があるようなクロスボウをハロウィンのコスプレで使うか!?

犯行後、衣装&クロスボウ(デカイ!)はどこにやったのか?(新聞によると元カレの家で指紋つきのクロスボウが見つかっているようだが、どうやって元カレの家に持って行ったのかは不明)

などなど、いつもの通りツッコミどころ盛りだくさんな事件だったのだが、何よりもツッコミたいのは、佐野ひなこ(22)が死んだとしても山口紗弥加(36)を代役に起用するバカはいないだろうということ。

年を取って落ち目となった女優が、若さを武器にのし上がっている若手に嫉妬して……みたいな要素を入れたかったんだろうけど、さすがに無理あるでしょ。

元カレも、山口紗弥加から佐野ひなこに乗り換えるって……節操なさ過ぎだ。

こんなバカトリックな事件だが、沙羅駆はやっぱりサクッと解き明かすことはできなかった。

麗子に近づいてデートを繰り返し、その姿を本当のストーカーに見せつけることによってストーカー心を刺激して、麗子を襲わせる。そしたら麗子が自ら犯行を認めちゃった……という、頭脳戦でも何でもない解決方法。……というか今回、ほぼ謎解きしてなかったよね?

また、麗子の方も妙に沙羅駆とのデートに前のめりだったのだが、色仕掛けで殺人容疑をうやむやにしようとしていたのか、本当に沙羅駆に心を寄せていたのか、その辺もイマイチハッキリしないまま。

IQ300が警察に捕まってるんじゃないよ!


まあ、今回に関しては殺人事件の方はおまけで、沙羅駆&マリア・Tの関係性を描くのがメインだったのだろう。


これからふたりの直接バトルが盛り上がっていって、過去の因縁などがちょいちょい明かされていき、最終回では沙羅駆の手でマリア・Tを捕まえ……るのかと思ったら、警察に逮捕されてやんの、マリア・T。

「この駅の改札を通った乗客の中でたったひとりだけ監視カメラに写っていない人間がいます。つまりその人物は監視カメラの位置と死角を完璧に把握している人間ということです」

「……そんなことができるのはひとりしかいない」

「マリア・Tですね!」

とかドヤ顔で語っている最中に、普通の刑事に逮捕されちゃうなんて……。どのような経緯で逮捕されたのかなどは明かされなかったが、アンタ、IQ300あるんじゃなかったの?

予告編によると、逮捕されたマリア・Tの代わりに沙羅駆に容疑がかかって逮捕されちゃうようなので、マリア・Tはわざと捕まったという可能性も考えられるが……。

何だかんだと文句を言いつつも、夢中になって見てしまう妙な魅力のあるこのドラマ。

是非、第2シリーズ、第3シリーズと続けていって「今度の敵はIQ500!?」「まさかのIQ1000!」「ゲゲエッ、なんとIQ1億!?」とかやって欲しいな。
(イラストと文/北村ヂン)
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