「クゥリスマスが今年もやぁって来る~♪」
ケンタッキーフライドチキンのCMで、竹内まりやの『すてきなホリディ』が流れる季節が今年もやって来た。毎年耳にするこの曲、実はケンタッキーのクリスマスCMのための書き下ろしなのである。


キムタクがコーラス&セリフで参加した伝説のクリスマスソング


元々、ケンタッキーは90年代末には、同じく竹内まりやの『今夜はHearty Party』でクリスマスシーズンを盛り上げていた。この曲は95年11月発売のシングル。こちらも同じくCM書き下ろし曲だ。
コーラスには、旦那の山下達郎とともにSMAPの木村拓哉も参加とあって、当時大きな話題となっているのをご記憶だろうか?

竹内は93年の大ヒットドラマ『あすなろ白書』を見て、イイ男の代名詞として「キムタク」というキーワードを入れることを思い付いたという。このドラマでのキムタクは主演ではなかったが、ヒロインに片思いする一途な大学生役で女性ファンのハートを掴みまくっていた。

歌詞には「キムタクさえも かすむような男」とのフレーズを使用。これが縁となり、コーラス参加にまで発展したそうだ。
この曲はキムタクによる「ねぇ、パーティーにおいでよ」の甘いささやきからスタート。間奏でも「パーティーやろうぜ」「元気出しなよ」とささやき続け、止めとばかりに「愛してるよ」と畳み掛けてくるから、ファンにはたまらない仕上がりとなっている。
当時22歳とブームが始まった頃のキムタクボイス、ぜひイヤホンやヘッドフォンでじっくり聴いてほしい。

『すてきなホリディ』を17年連続使用中のケンタのクリスマスCM


『すてきなホリディ』が誕生したのは2000年のこと。ケンタッキーは竹内まりやに対して、「クリスマスはケンタッキー」のイメージをさらに心温まるものとなるように依頼したという。
『今夜はHearty Party』が若者たちのパーティーをイメージさせるものだったのに対して、今作はアットホームな家族のパーティーをイメージさせる仕上がり。
クリスマスそのもののあり方が、「恋人と過ごすイベント」から「家族と過ごすイベント」に比重が置かれている昨今、時代の流れに乗った変遷と言えそうだ。


今年この曲が使われているCMは、11月18日からオンエア中(12月11日まで)。これで17年にも渡って使われ続けていることになる。今年のCM「おうちレストラン編」も、思わず「パーティバーレル」を頼まずにはいられないほど。その刷り込みイメージは完璧である。

恋人と過ごすクリスマスをイメージ付けた『クリスマスイブ』


では、クリスマスが「恋人と過ごすイベント」であることをイメージ付けたCMと言えば……?
やはり、80年代末から90年代初頭に一世を風靡したJR東海の「クリスマス・エクスプレス」シリーズのCM(記事はこちら)が筆頭だろう。曲はもちろん、山下達郎の『クリスマス・イブ』だ。
この大ヒットを皮切りに、クリスマスシーズンのたびに数多くのCMで起用。2016年には、1986年から2015年まで30年連続で100位入りを達成したことから、「日本のシングルチャートに連続でチャートインした最多年数の曲」としてギネス世界記録に認定されている。クリスマスソング不動の帝王であることに異論はないだろう。

クリスマスシーズンに大活躍の最強夫婦、山下達郎&竹内まりや。2人の楽曲は、今年も来年も再来年のクリスマスも……未来永劫、街に流れ続けるに違いないのである。
(バーグマン田形)

※イメージ画像はamazonよりBon Appetit!
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