上質なお茶を淹れると浮いてくる“アレ”の正体とは!?
新芽が若いうちに茶葉を摘むと、うま味たっぷりで上質のお茶が生まれる。うま味成分は、新芽が成長するほどに減少してしまうのだ。柔らかい新芽の裏側には“毛茸(もうじ)”と呼ばれる葉を守るためのうぶ毛が生えていて、葉が成長し硬くなるにつれ次第に無くなっていく。
うちの店もね~新茶の時期に「お茶に埃みたいなのが浮いてる!」つって返品してきた若い人が居たらしいよ~
— イチ (@ichi4649) 2017年1月18日
これ、毛茸(もうじ)って言われる、品質の高い新茶に必ず混ざるお茶の葉の産毛なんだよね。説明しても「とにかく気持ち悪いからいらない」つって出てったらしい。 pic.twitter.com/LYIsLQXry8
お茶を淹れた際に毛茸が浮かんでくればくるほど、そのお茶は上質な証だという。今やなかなかお目にかかれないという毛茸を、“ホコリ”だと勘違いした人が返品しようとする人もいるようだ。Twitterの投稿に「しらなかった! かしこくなった!」「新茶入れてこれが出ると嬉しくなる」という反響や、「気にせず飲んでた…」「なんだろうって思いながら飲んでた」といった様々な声も聞こえてくる。
植物の表面を覆う細かい“うぶ毛”の正体とは!?
茶葉以外にも、表面が細かい毛で覆われている植物は多い。この毛は“トライコーム”と呼ばれるもので、長さも植物によって様々だ。主な役割として、植物を強い日差しから守ったり強風時には水分が蒸発するのを防いでいる。
中でも身近な野菜・トマトの表面や茎は、無数のトライコームで覆われている。どのトマトにも生えるわけではなく、水やりを減らし糖度を上げ、さらに根がしっかりと生えた樹勢が強いトマトにだけ生えるそうだ。トマトのトライコームには害虫を寄せ付けない成分が入っていて、トライコームに異常があると害虫に食われやすいという論文も出ているそう。また、料理に好んで使う人も多いバジルやミントのあの独特な匂いは、実はトライコームに貯められているもので、トマト同様に害虫予防に役立っている。
葉の表面に見られる細かい毛は、どれも何かしらの目的があって生えている。もし新茶を飲む機会があれば、毛茸が浮いてくるかを確かめてみるのも面白いだろう。