巻頭カラーページで人気投票の開催が告知され、女性のキャラクターたちの裸が描かれたのだ。
ここへきて、少年誌の性表現をめぐって議論が巻き起こっているが、90年代の『ジャンプ』にも“お色気作品”はあった。懐かしの名作たちをふりかえってみたい。
1.『地獄先生ぬ~べ~』(連載期間:1993~1999年)
原作:真倉翔、作画:岡野剛による90年代『ジャンプ』を代表する“お色気作品”である。
『地獄先生ぬ~べ~』は、鬼の手を持つ小学校教師、鵺野鳴介(愛称:ぬ~べ~)が、次々と迫りくる妖怪や悪霊を退治してゆくストーリーである。
普段は頼りない先生がいざという時は児童を守る『ジャンプ』的な王道ストーリーながら、女性キャラが妖怪に襲われ下着がはだけるシーンのほか、入浴シーンや着替えシーンも数多くあり、サービスカット満載だった。
2.『電影少女』(連載期間:1989~1992年)
桂正和による異色の恋愛漫画。さえない主人公の男が現実の恋愛に敗れ、何気なく入ったレンタルビデオ店で借りた作品内の美少女が目の前に現れ、主人公の恋の手助けをしながら、料理や身の回りのお世話も焼くという内容。
ご都合主義満載の展開ながらも、桂正和の繊細な絵柄もあってか切ないエロさをかもしだしていた。
桂作品では恋愛漫画の『I"s』(連載期間:1997年~2000年)でも“お色気”シーンがたびたび登場した。
3.『ボンボン坂高校演劇部』(連載期間:1992~1995年)
高橋ゆたかによる学園系ラブコメの名作。本作の主人公・順菜正太郎は、一学年上の日比野真琴に一目惚れし、彼女が所属する演劇部に入部するが、男ながら美少年好きの演劇部長(徳大寺ヒロミ)に惚れられてしまう。
正太郎とヒロミが“恋愛関係”にあると思っている真琴の誤解を解こうと正太郎が右往左往するも、ことあるごとにヒロミの邪魔が入るドタバタが続く。
本作は女性の登場人物がとにかくかわいく描かれている。真琴はもちろん、魔性の女・甘髪ねね、生活指導担当のセクシー女教師・轟蝶子など、魅力的な女性キャラが多く登場しており、本作で年上好きになった人も多いのではないだろうか。
4.『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(連載期間:1976~2016年)
2016年に連載40年目で終了した「こち亀」も隠れた“お色気作品”である。
作者の秋本治の好みなのか、この作品の登場人物は巨乳が多い。両さんの同僚の秋本・カトリーヌ・麗子はもちろん、90年代には金髪グラマー美女のジョディなど、巨乳キャラが多く登場した。
こうして見ると90年代の『ジャンプ』には“お色気作品”があふれていたといえる。
今ほど炎上しなかったのは、ネットであらゆる情報が可視化される前であり、読者がひっそりと楽しむ余裕があったためだろう。
※文中の画像はamazonより地獄先生ぬ~べ~ (05) (集英社文庫―コミック版 (お60-5))