困った娘は「演技」で、「ほんとはね素直でいい子」なのだそうだ。
素直っていうのは、母が死んで悲しい気持ちを隠しきれないっていうことなのであろうが、父と祖母に対しては全然素直じゃない。でも、そこは、みね子が「面倒くさい人ですね。でも何となく私、わかります」とツッコミつつ、受け止める(楽しげな劇伴をかけて、シリアスにし過ぎない)。
みね子は、由香と対照的に、悲しいことがあっても笑って、家族に負担を感じさせないようにできる子だ。
由香にはそれがまぶしかったのかもしれない。しかも、そんな子が、自分の抜けた家で、娘のように可愛がられていて、父も祖母も悲しいことを忘れたように笑顔で過ごしているのだから、もやもやして絡んでしまうのも無理はない。
「由香はどんな奴だった問題」と早苗(シシド・カフカ)はまとめた。
どんな「生き方」でなく、どんな「奴」。これは視聴者の思いの代弁でもある。
ぱるるが「ひよっこ」に出るという情報はかなり煽って伝えられ、大変、期待されていたが、
実際は、そんなに出てこない上、ヒールじゃないかと言われていたわりに、実はいい子だということが
そうそうに明かされてしまい、どういうふうに彼女を観ていいか、いまひとつ掴めないままだった。
今回、ようやく、解決した感じ。
まさに、「由香はどんな“奴”だった問題」が解決した。
最強の名台詞
自分を改めて見つめたものの、こんがらがった家族関係の修復になかなか踏み切れない由香を、みね子は諭す。
みね子はほんとにいいこと言うねえ。それにしてもヤスハルは音痴。素人っぽさを出すためにわざとはずしてるんだとしたら、うまい。
早苗さんが仕切ってくれたおかげで心の内をさらけ出す由香。誰かに聞いて欲しかったんだね。いきなり印象が変わって素直になったのは、不思議ですが…鈴子さん達との、わだかまりが解ける日も近そうです。
〝大事なのは役割(肩書)ではなく、その仕事の内容なのだ〟 私はこの言葉を年に1度見直したい。