
「一切台本はありません」
スタート時にYOUさんが毎回、言う。
その『テラスハウス』で、台本が映し出されてしまった
山ちゃん「初めてテラスハウスに台本が存在してしまったんですけども、これは」
YOU「まさか、とらえてしまった瞬間ですね」
山ちゃん「いいの? 流しちゃって。タイムスケジュールまで書いてあるんだよ」
とはいっても、大志くんが智可子ちゃんに告白する時の台本。
大志くんが告白前日にガリガリとノートに書いているのが映し出されたのだった。
大学ノートの左側にメモ。
こんな感じだ。
“ディナー エスコート イス引く お会計 素直に楽しい
タンタラスの丘 告白!
遠距離
20代最後の死ぬほどの恋
ちかちゃんに対する想い
これからの自分の人生”
そして右側には告白のセリフだ。
“話したいことがある。
オレはちかちゃんのことが好き
こんなにも人を好きになったことがないくらい好き
今日がオレの20代最後の日なんだよ
死ぬほどの恋をしたいからって理由で来て、
いろんな女のこともデートに行ったし、”
って感じで始まって、ぎっしり1ページまるまるセリフだ。
綿密なデートプラン。
この用意周到なところが大志くんのいいところだろうし、トゥーマッチだなーとかジャジャーン感が凄いって言われちゃうところだろう。
プラン立てすぎるから、状況や空気がそうじゃなくても、独りよがりに突っ走ってしまう感じになっちゃうんである。
スタジオ、大志の告白が成功するか失敗するかの予想は、半々ぐらい。
そして告白である。
海の見えるレストラン「53 By The Sea」。
一階がレストラン席なのに、豪奢な階段を昇って二階へ。
「え? 二階あるの? 初めて!」と智可子が驚く。
おそらくVIPルームだ。
絶景。
一面の海。空。
虹が出ている。
皿が運ばれる。
中央に煙がもくもく出てるグラスを囲む牡蠣!
大志、緊張してるのだろう。しゃべらない。
何かしゃべって、と言われて、
「人生で一番楽しかった時は?」と聞く。
智可子「いま!」と答えて笑う。
タンタラスの丘へ行く。
これまた絶景。
夜景である。
「オレ智可ちゃんがめっちゃ好きなんだ」
大志の告白がスタートする。
「たぶんおれがハワイに来たのは
智可ちゃんに会うためだったのかなって
思えるぐらいすげー智可ちゃんが好き」
遠距離になると思うって話しがあって、
「ゆくゆくはLAで一緒に住みたいなーって考えてる」
改めて、智可ちゃんの方を向いて、
「智可子 大好きです。付き合ってください」
肝心な告白のときは「智可ちゃん」→「智可子」に!
「一緒にいてくれるなら」
と智可子が答えて、大志が
「一緒にいる」
と返す。
抱き合う。
「本当?」
「一生一緒にいる」
キス。
「ずっとこうしたかった」
めでたし!
ここのところ心ギスギスするイガイガした展開だったので、めでたい。
ひさしぶりに、いいシーンだった。
山ちゃん「全然解決してない問題いっぱいあるけど、よかった」
そう。暴君シェリーの野放図ワガママ地獄問題は、まだ何の解決もしていない。
だが、次週、最終回だ。
天国と地獄が混在したまま終わるのか?(テキスト&イラスト:米光一成)