第20週「ミニスカートの風が吹く」第125回 8月25日(金)放送より。
脚本:岡田惠和 演出:川上 剛

連続朝ドラレビュー 「ひよっこ」125話はこんな話
テレビ局に出前に着たみね子(有村架純)は、女優・世津子(菅野美穂)を見かけ、声をかける。
変わるヒデ
楽屋で世津子を見かけながら、そのまま通り過ぎるみね子に、ヒデ(磯村勇斗)は、みね子が、相手の気持ちを優先するところは良いところではあるが、もうちょっと自分の気持を大事にしたほうがいいと、助言する。
ヒデに背中を押されて、世津子に会おうとするみね子だったが、「お父さん、なんかヒデさん、ちょっと変わりましたよね」とモノローグ。
みね子にいろいろためになることを言ってくれたかと思うと、「みね子は、さぼってパチンコ行きましたと言っておく」などと冗談まで言うヒデ。確かに、次第に押しが強くなっている。
変わるみね子
思い切って世津子に声をかけるみね子。それを、「いろんなところで新しい風が吹いている」とナレーション(増田明美)。
当然ながら、世津子の顔はこわばる。でも、みね子は、お父さんのこと「聞きたいですか、聞きたくないですか」と一回、訊ねた上で、その後を報告する。
「難しい質問だなというのは聞きたくないわけではないなと思ったので」と言うみね子に、「そんなにはっきりものをいう女の子だったけ?」と世津子。確かに、「座ってもいいですか」と座ってしまうところも、押しが強くなっている。
みね子とヒデ、共に、新しい風という変化が起きているようで・・・。
このみね子の、ものおじせずに、自分の意思を貫き、ハキハキした態度をとるところは、従来の朝ドラのヒロインらしいではないか。
そこで、ミニスカトーク
楽屋の壁に貼ってある、ツイッギー来日のポスターから、みね子と世津子はミニスカートの話をする。
ミニスカートに興味はあるけど、なかなか手が出なくて、とりあえず、すでに持ってるものの丈を変えてみるも「長かったものを短くするのと もともとデザインされたものとはなんか違う」「人間でいうと性格が違う」
と含蓄あることを言う世津子。
これって、変わるためには、過去を引きずらずに、一回ゼロにして新しくはじめるってことだろうか。
とすると、手持ちのスカートの丈をせっせと短くしている愛子(和久井映見)の立場は・・・。
新しい風が吹いてもいいし、過去も忘れずにいてもいいし、どっちでもいいことにしてほしいけれど、「ひよっこ」はどっちを選ぶのだろうか。
3人目の、ミニスカは
米屋のさおり(伊藤沙莉)であった。
「(お父ちゃん)今夜は帰らないって」と、三男(泉澤祐希)に意味深に語りかける。
ちょうど、みね子が、世津子に、三男の時子(佐久間由衣)への思いを語ったところで、この展開。
三男が、時子への純情を貫くのか、諦めて新しい風を吹かせてしまうのか。
世津子も(過去に関して)「大丈夫にするしかないから」と言っていた。
時子の思いがちっとも実らない三男の選択は、見どころである。
それにしても、菅野美穂の秒速のリアクションがひとつひとつ的確で、惚れ惚れする。
(木俣冬)