香田晋と中山秀征は似ている-

昔、週刊少年ジャンプで連載していたギャグ漫画『幕張』において、そんなようなことがネタにされていました。たしかに、いくつになっても変わらないとっちゃんぼうや的風貌など、共通点を挙げればキリがありません。


けれども、中山がいまだ芸能界の第一線で活躍しているのに対し、香田晋はすっかりテレビで見かけなくなりました。香田がどんな経歴の人だったのか、そして今、何をしているのかを紹介したいと思います。

レコード大賞新人賞も受賞していた香田晋


から揚げ~美味しくつっくるなら、モミモミ~♪(モミモミ~♪)

昔、夕飯時のテレ東で、嫌になるくらいこのエバラ食品『唐あげの素』のCMが流れていました。歌っていたのは、もちろん香田晋。このコマーシャルで彼の存在を認知したという人も多いのではないでしょうか?

1985年、ラジオ番組『船村徹の演歌巡礼』で行われたカラオケ大会における歌唱が評価され、演歌歌手・船村徹の内弟子となった香田は、1989年6月7日にシングル『男同志』で歌手デビュー。その年の日本レコード大賞新人賞を受賞するなど、順風満帆なスタートを切りました。

90年代中頃からはバラエティ番組にも進出。特に有名なのが、『クイズ!ヘキサゴンII』における活躍。紳助を筆頭とする「ヘキサゴンファミリー」の一員となり、珍解答を連発するいわゆる「おバカタレント」の一角として名を馳せたものでした。

波乱万丈な香田晋の生い立ち


香田といえば、ねじり鉢巻が良く似合う、いかにも快男児っぽいルックス。が、その粋でいなせな外見とは裏腹に、生い立ちは結構複雑です。

香田の実父は、彼が物心つかない頃に蒸発。そのため、母とその再婚相手である義父に育てられます。その義父も母のもとを去り、香田は母子家庭の子となるも、母と折り合いが悪く14歳の時に家出。

しかし高校卒業後は、上京前に母と久しぶりに再会して和解。その母も息子がレコード大賞新人賞を受賞したのを見届けるかのように、43歳で逝去……。

あの笑顔の裏には、こんなにも重たい過去が隠されていたのです。

思うように歌えなくなった香田晋、精神科への通院歴も


このように、受難多き少年~青年期を過ごしてきた香田は、芸能界で成功を収めた後も、あることで深く思い悩むようになります。
それは、芸能界における自身の立ち位置。元来、歌手を志し、歌手としての活動にアイデンティティを感じていた男なだけに、周囲から陽気なバラエティタレントとして見られることに嫌気がさしていたのだとか。

バラエティの仕事が増えるほどに、本業へ専念する時間が減り、次第に思うように歌えなくなっていった香田。ついには精神科にも通院していたというから、当時の心労たるや相当なものだったのでしょう。

現在は地元で料理屋を経営


「芸能界から逃げ出したんです」

2015年4月発売の『週刊女性』誌上で行われたインタビューにおいて、このように語っていた香田。その言葉の通り、2012年4月25日付で所属事務所を退所し、芸能界からも退いています。

現在は生まれ故郷の福岡に戻り、再婚相手となる11歳年下の女性と共に料理店を経営し、歌手業で得た知識を活かして腹式呼吸で健康な身体づくりを目指す教室も開設しているとのこと。「もう、芸能人・香田晋で商売するつもりはない」という彼は、このまま郷里で安穏な余生を送っていくのでしょう。
(こじへい)
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