2017年12月30日(土曜日)夜8時から、ほぼ4時間『フリースタイルダンジョンMonstersWar 2017〜お前ら時代に忖度してる場合じゃねぇぞ!全員ブッ潰してやるスペシャル〜』が、Abemaで配信された。
優勝チーム300万円を賭けた、3人チームのフリースタイルバトル合戦だ。



登場チームは、以下。
裂固×T-Pablow×じょう
崇勲×CHICO CARLITO×NAIKA MC
輪入道×DOTAMA×MU-TON
FORK×サイプレス上野×SIMON JAP
呂布カルマ×R-指定×晋平太
ACE×漢 a.k.a GAMI×TKda黒ぶち
「フリースタイルダンジョン」2017SP「呂布+R+晋平太」ドリームチームに興奮、優勝するのか

「フリースタイルダンジョン」初代モンスター、二代目モンスター、そして凄腕ラッパーの混合チーム、超豪華メンバーである(フリースタイルダンジョンORIGINAL SOUND TRACK、VOL.2が2018年1月24日発売)RACK、VOL.2が2018年1月24日発売)。

Aブロック第1試合。
輪入道×DOTAMA×MU-TON と 崇勲×CHICO CARLITO×NAIKA MC。

NAIKA MCの「What's up ダンジョン調子どーーう?」からスタートして、
「意味ない英語ならべるマン」「インフルエンザ」で、MU-TONディスを展開する崇勲チーム。
返すは、輪入道「インフルエンザ×韻踏む喧嘩」で韻を踏む。

ヒゲがなくなりメガネが変わって爽やか上司みたいな風貌になったDOTAMAが、
「群馬のおじさんと沖縄のちびっこ連れてきても勝てねぇぜ春日部の大仏」と3人ディスからの「大仏×超退屈×老廃物」で韻を踏む。

3ラウンドまでもつれて、輪入道×DOTAMA×MU-TONチームの勝利。

Aブロック第2試合。
FORK×サイプレス上野×SIMON JAP と 崇勲×CHICO CARLITO×NAIKA MC。
ほぼ同年代のFORKチーム
煽りVで、サイプレス上野、崇勲チームを「仲いいのはわかる。ただそれだけ」と語り、
崇勲は「大ベテランなんで」とFORKチームについて語る。

煽りV最後に崇勲が「1+1+1が3じゃないってところを見せたい」とマジメに語るので、
両側のCHICO CARLITOとNAIKA MCが同時に笑いをこらえて顔をそむけるっていう仕草がキュートなのであった。

SIMON JAP「崇勲たいしたこと語ってねぇな、わかってねぇなわかってねぇな」と崇勲の楽曲「わかってねぇな」を引用しながらのディス。
FORKラスト、「消えろ」から、
「興味ねぇヤツからすればラッパーはピエロ
俺はピエロスタイルでここにメスを入れるぜ」
がカッコいい。
juswanna「ピエロスタイル」(もしくはさらにその元ネタのMETHOD MAN“PLO STYLE”)からの引用。

5対0でFORKチームが勝って、座り込む崇勲。
このあたりから、ちょっと弱気になったのか。


だがラウンド2は、サ上さんへの集中アタック(サ上さんが近づいてきて思わず笑ってしまうCHICO CARLITO)の波で、崇勲チームの勝利。

ラウンド3までもつれた勝負。
試合中にチームに謝る崇勲。それを覆す熱いCHICO CARLITO。
だが、
CHICO CARLITOの放った「ワンサイドゲーム」というワードを使って、
FORKが
「見たら判るだろうこっちのワンサイドゲーム フロウもライムも足んないよ全部」
と、
「ワンサイドゲーム×足んないよ全部(あんあいおえう)」めちゃくちゃ固い韻で返して、しめる。
FORKの、最後の最後を内容もフレーズも韻もめちゃくちゃソリッドに決めていくスタイルが印象に残る。


FORKチームの勝利。

Aブロック第3試合。
輪入道×DOTAMA×MU-TONとFORK×サイプレス上野×SIMON JAP。
MU-TONが「三銃士とBrand new shit」で韻を踏み、
その三銃士を受けて、
FORKが「間違いねぇ こんな三銃士 30代後半が一番ジューシー」と返す。
FORKチームは、3人ともほぼ同年代。30代後半だ。

さらに「常に置いてあるのはフォーク1個だ」でしめるカッコよさ。
判定は、3対2で輪入道の勝利。

DOTAMA「田舎硬い仲ってそれも使い回しですよねぇ」
MU-TON「井の中の田舎もん東京出たってこんなのしかいねぇんだったらよ」
輪入道「いねぇんだったら意味ねぇ 井の中の蛙 この場でかます負かすブチ泣かす」
と、三人がそれぞれ前の人の流れを綺麗にくみ取って、入れ替わりでスムーズにつなげていく。
すごくキレイなチーム連携をみせる。
その後のターンで、サイプレス上野とSIMON JAPがかぶってふたりで声を発し続けてしまい(それも迫力あったが)、
ちょっとチーム間の連携的なミスを見せてしまう。
その間も楽しそうに踊る輪入道。


輪入道チームの勝利。

というわけで、Aブロックは輪入道チームが勝ち上がった。


Bブロック第1試合。
裂固×T-Pablow×じょうとACE×漢 a.k.a GAMI×TKda黒ぶち。
煽りVで、ACEチームが、どう韻と詩をつなげてどうディスるかという構成が、3人で話しているあいだに自然にできてくるのが興味深かい。
若手、裂固×T-Pablow×じょうチームの連携がすごさと、若手がおっさんを倒すぜスタイルがハマって、ストレートで裂固チームの勝利。

Bブロック第2試合。
呂布カルマ×R-指定×晋平太とACE×漢 a.k.a GAMI×TKda黒ぶち。
ACEチーム、煽りVで「胃もたれする」「アー写が脱獄囚」「こってり過ぎる」「腹割れないっしょ晋平太もいるし」とディスする。

R-指定が「戦車 クレーン車 レッカー車 三者三様の運転者 途中下車なしの50連射 余裕ですわ」
「運転者」は、晋平太と漢の因縁を思い出させるワード。

晋平太 VS 鎮座DOPENESSのバトル。
鎮座DOPENESS「俺はつねに挑戦者 晋平太ひきコロしてやる戦車」に対して
晋平太が「その戦車、拙者が運転者」と返した。
後に、漢がそのフレーズについて「運転者じゃなく運転手」と突っ込んだ。
ということがあったのだ。

R-指定の「運転者」を受けて、晋平太が、
「俺が運転者 この雲泥の差 プレッシャー駆け抜けて運転だ」
とつなげて、
呂布カルマが、
「俺はうんこしてバタンてしめる便座」
としめる。
因縁の運転者から、便座へ、むちゃむちゃぶっ飛ぶのがカッコいい。

ストレートで呂布カルマチームの勝利。
バトル後にZeebraが呂布カルマに感想を求める。
画面の呂布カルマはしゃべってないのに、コメント音声が流れて、あれ編集ミス?と思ったら、漢さんが呂布のマネをして答えていた。
会場、爆笑。
さらに呂布カルマ本人が、そのマネをするという流れで、また爆笑。


Bブロック第3試合。
裂固×T-Pablow×じょう と 呂布カルマ×R-指定×晋平太。
煽りVで「呂布カルマで韻50個考えてきてるんで」と語るじょう。

裂固チームがTeenagerと自らを称するのに対して、
晋平太が「ていうかお前ら3人Teenagerじゃねぇじゃん Teenagerって10代のこと言うんだぜ」というまっとうな反論。

さらに晋平太とR-指定がやったあと、「仲間の俺がゾクゾクするようなライムを吐きまくりやがるたまんねぇ」と、呂布カルマがのけぞりながら叫ぶ。
一匹狼チームだと言われていたが、リーダー呂布カルマががっちり二人を結ぶ、すごいチーム連携。

呂布カルマ5−0で勝ち。

第2ラウンドは、双方のチーム連携がヤバい高レベルで展開した。
2行で韻を踏んで次に交代というベーシックな連携を超えて、入り乱れた。

2ターン目、裂固チームの途中で、晋平太が勇み足で言葉を吐き出す。
それを裂固が「よおよおよお、止めてくれよ」と止めて、引き戻し、「勉強しろよ」
畳み掛けてじょう「やっぱり晋平太さん この間T-Pablowくんに胸ぐらつかまれてちょっとビビってんじゃないすか」
それを受けての呂布カルマチームの攻撃。
晋平太「胸ぐらつかまれたことだってもうプラスだ」
まだ続けようとしていたのを、
R-指定が綺麗にうばって
「無駄無駄 気にすんなよ そんな技は使うな」と一説挟んで晋平太にパス。
呂布カルマは、すっと下がる。
「胸ぐらつかまれてムカムカするはず」
晋平太からR-指定にパス。
「無駄無駄 お前の技はmuder muder俺が殺人する」
「殺人する」の「する」の発声あたりで、すでに晋平太が前に出てボールを奪い取り、「殺してやる まだまだ。俺がやるぜ」と叫ぶ。
R-指定が晋平太の肩にふれて、前に出ながら「俺がやるぜShut up Fucker」と引き継ぐ。
「俺がやるぜ」が同時に発声しているように見えるけど、どうやって、そんな連携できるの!?
R-指定から晋平太へ。「Shut up Fucker たまれや」
R-指定も前にでてきて、晋平太+R-指定のふたりで「逆さま Mother Fucker」と声をそろえる。
R-指定のめちゃくちゃ楽しそうな笑顔。
晋平太が、最後のフレーズでしめる。
すごい。
入れ替わり立ち替わり、時には声を合わせ、二人の選手がショートパスを繰り返しながら敵陣をごぼう抜きしていった。
チーム戦ならではの名シーン。

だが、判定は、1対4で裂固チームの勝利で、第3ラウンドにもつれる。

第3ラウンドは、呂布カルマの「若干の忖度 OK そういうのもあるある」からスタートして、
晋平太「若手若手若手若手若手若手やがてな若手じゃなくなった時に分かれ」と若手アピールをディスって、
呂布カルマチームの勝利。

決勝戦は、輪入道×DOTAMA×MU-TONとFORK と 呂布カルマ×R-指定×晋平太のバトルとなった。
昨年のMonstersWarの「DOTAMA VS R-指定」ふたたび。

MU-TONディス、韻をガッチリ踏んでの連打。
「俺に内容がねぇ What a fuck man? 顎外してやっから歯食いしばれ」とMU-TON返す。
声の迫力、すごい。
もう、どちらもハイクオリティ、さらにチームワークもバッチリで、拮抗。
3対2で輪入道チームの勝利。

第2ラウンド。
「お経」ワードを受け取ってからのR-指定のフレーズが、映像が浮かび上がってくるめちゃくちゃカッコいいものだった。
「仏説摩訶 お経に聴こえても大丈夫 俺は耳なし芳一スタイル
刺青入れんでも俺の過去に刻んだヤバいリリックが体に浮き上がってくんだよバカ」


判定は、4対1で輪入道チームの勝利。
やー、もう1ラウンド観たかった!
やー、もう1ラウンド観たかった!
やー、もう1ラウンド観たかった!

「(優勝賞金の100万は)ハハノシキュウとNAIKAさんの養育費に」と語り、それで、UMBで優勝して100万取ると宣言したDOTAMAさん。
宣言どおりUMBで優勝。すげぇ、カッコいい。おめでとうございます。(米光一成)