連続テレビ小説「わろてんか」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第14週「みんなの夢」第78回 1月6日(金)放送より。 
脚本:吉田智子 演出:東山充裕 中泉慧
「わろてんか」79話。ふくらはぎを出して踊るのは「ひよっこ」におけるミニスカート革命か
イラスト/まつもとりえこ

79話はこんな話


いろいろあったが、安来節乙女組(畦田ひとみ、鈴木球予、大後寿々花、辻凪子)の初高座は成功し、
てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)の夢は膨らんでいく。

初高座は大成功


はじまりは、安来節乙女組の4人、ひとりひとりのアップから。
リリコ(広瀬アリス)やてんに発破をかけられ奮起した彼女たちは、足(ふくらはぎ)をもっと見せて踊ると提案する。
それが安来節の本来の踊り方なのだとか。
瑞々しい乙女組のおみ足に惹かれた観客も立ち上がって踊りだし、初高座は大成功。
乙女組のがんばりを目の当たりにしたリリコ(広瀬アリス)は、いやがっていた女優を続けることにする。

〈まんまん〉で打ち上げが行われ、乙女組は夢を語る。
続けて、風太や藤吉も夢を語る。
藤吉の夢は、寄席を日本一の笑いの殿堂にすること。

盛り上がるなか、突如、キース(大野拓朗)がアメリカに行って世界一の芸人になると言い出す。
まだまだ前途多難ではあるものの、一歩一歩、日本一の笑いの殿堂に近づきつつあるてんと藤吉は、その晩の美しい満月を見上げる。

だが、次週は不穏。次週予告で、関東大震災の揺れが大阪まで伝播している場面が映った。
5日に関東地方では朝、地震アラートが鳴り、夜、最大震度4の地震が起こった。「ひよっこ」の台風などもそうで、朝ドラと日常がリンクすることは時々あってドキドキする。


安来節はおんなのふくらはぎ革命


安来節は島根県安来市発祥の踊り。大正後期から昭和初期にかけて大阪や東京などで一大ブームを巻き起こし、専門館が営業するまでになったという。明治の終わりには横山大観が来て保存を推奨したそうだ。
今回「わろてんか」に踊りが登場するにあたり、安来市では、「安来節演芸館(安来節の常設館)で公演する安来節の演目の中に女踊りを組み入れます。通常は、ほとんど上演しない演目になります」という取り組みをアピールしている。安来節には男踊りと女踊りがあり、現代では女踊りはほとんど上演されてないようだ。


朝ドラ前作「ひよっこ」では戦後、ミニスカートで太ももまで出していたけど、「わろてんか」では、大正時代、ふくらはぎまでで十分革命だった。
だが藤吉はなぜ、安来節の踊り方そのまま(足をむき出す)を踏襲しなかったのか謎だ。藤吉が反対するのではないかとてんが想像するのもやっぱり謎だ。せめて、安来節そのものを見せるのはなんなので、それもとに大阪の寄席用に作り変えようみたいな話が事前にあれば済むと思うが、それはない。とはいえ、シロートであるこっちが不思議に思うようなことを、プロデューサーや、ヒットメーカーの作家や、スタッフたちが気づかないわけはないのだ(力説)。シロートには到底到達できないもっと高度な考えによって作られているのだと思う(力説)。

乙女たちのアイデアで画期的な足を出す踊りをしたことで、初高座で話題になるというお話の盛り上がりが必要だったのだろう(力説)。
(木俣冬)