「元祖梅ジャム」生産終了
駄菓子「元祖梅ジャム」(梅の花本舗)生産終了のニュースに衝撃を受けました。
先日スーパーの駄菓子コーナーで見た、ポップのみで空になった梅ジャムの棚が、梅菓子ファンである筆者の心に残っています。

さて、コンビニに並ぶ干し梅。
家にあるもので

干し梅、砂糖、小麦粉、食塩、酢
こちらの材料で調理します。
元祖梅ジャムの原材料は
「梅肉、砂糖、小麦粉、食塩、小麦澱粉、リンゴ酸、酢酸、着色料、保存料」とのこと。
以前挑戦した「ピザポテト」再現時同様、「自宅で気軽に」を重視し、気軽に用意できるものだけ用意してみたところ、なんとシンプル。
干し梅は水分が少なさそうなので、そもそもジャムにできるでしょうか。

分量や、いつ何を入れたらいいのかわからない…ということで「砂糖と混ぜて煮る」という基本的なジャムの作り方を参考に進めます。基本的なジャムに入れない小麦粉、食塩、お酢は、様子を見つつ入れることに。
干し梅だもの

まずは干し梅を潰します。スプーンでは15分くらいかかってこの潰し具合。元祖梅ジャムのきれいなペーストからは程遠い。そしてやはり水分が少ないと感じました。

お菓子作りが趣味である母に聞いたところ、母の場合は、果肉と砂糖の割合を、果肉より砂糖を少なめにしているとのことで、今回は干し梅68グラム(3袋)、砂糖48グラムを使用。それらを混ぜたものがこちら。1時間放置して、水分が出るのを(信じて)待ちます。

1時間後の様子です。
水分が出ていません。湿った? んーどうだろうという感じ。
まぁ焦りません。煮ちゃいます。
崖っぷちドライジャム


焦ってます。ジャムから路線変更しそうな状況に。中火にしたせいかわかりませんが、予想以上にジャムに見えないのです。「元祖梅ジャム」どころか「砂糖の塊がついた干し梅」という名の食べものになりそうでドキドキ。

なんとかできました。感触は市販のジャムよりも粘度高めで、においは焦げた感じです(単純に焦がしたのかも)。梅のにおいはしません。
小麦粉などを混ぜる前ですが、この段階で味見を。
舌触り…完全に果肉感が強く、元祖梅ジャムとは程遠い。
味…干し梅がそのまま、または少しマイルドになって水分を含んだ感じ。
元祖梅ジャム?…記憶している元祖梅ジャムの味ではないけれど、これはこれで美味しい!
元祖梅ジャムを目指して

ここからが本番です。小麦粉、食塩、酢を入れて、目指せ元祖梅ジャム。小麦粉は小さじ1/2、塩は約5振り、唯一の水分的存在である酢は、小さじ3入れてみます!

ありがたき水分。酢のにおいが鼻をつきますが、その酢がジャムに水分を与えてくれそうなので憎めません。しかし、意識してにおいを嗅いだら涙目になりそうなほど、酢強い! こわいなぁ、入れすぎたかなぁ。

そんなこんなで出来ました。煮ているときほどではないけれど、相変わらず鼻をつく酢のにおい。第2回味見。

小麦粉の効果かはわからないですが、少し固くなったかな?とはいえ、逆さにすると落ちてしまうくらいです。
舌触り…相変わらずの果肉感。
味…酢の効果か、元祖梅ジャムに近づいた感じがしなくもない! けれど果肉感が強いせいか、やはり「干し梅のジャム」という印象。
元祖梅ジャム?…ではない。少なくともあの上品さはない。けれど酢を入れたことにより、味が近づいた気が。
やはり、これはこれで美味しいです。これ以上何かを多めに入れたら近づくかも…という感じでもなさそうなので、これで完成!
合うものは?

梅ジャムならぬ干し梅ジャム。今回は着色料を使用していないので淡い色は期待していませんでしたが、ビジュアルでも元祖梅ジャムを彷彿させません。
干し梅ジャムは、どんなものに合うのでしょう。

悲惨なパンでごめんなさい。味が合う合わないとは別で、塗りにくいという事実。そして味の相性も…合わない。ジャムの味が強すぎます。

これまた懐かしい紙芝居のせんべい。
こちら、わりと合います。ジャムの味は強いのですが、パンよりも合います。せんべいの素朴さと合っているのかと。少しだけ塗るのがポイント! 体のためにも。

おぉ、合う! 果肉感がヨーグルトと合っていい感じです。濃かった味は、ヨーグルトによってかなり薄まります。ジャムの味が合うというか、食感が合うのです。元祖梅ジャムももちろん合いそうですが、果肉感に関して言えば、むしろこの干し梅ジャムだから合います! 梅にヨーグルトにお酢、健康的なはず。
試した3つの中で、ヨーグルトとのバランスが一番好きです。
元祖 梅ジャムの繊細さ
皮肉にも、元祖梅ジャムにはない果肉感が特徴となった干し梅ジャムでした。そこが強いせいか「元祖梅ジャムなのか…?」という感じでしたが、これはこれで美味しいのです。ジャムを作り慣れている人が作ると、もっと美味しくできそうな可能性が見えました。
(武井怜)