4月22日からスタートする日曜劇場「ブラックペアン」(TBS系列)のプレミアム試写会&舞台挨拶が16日、東京・丸ビルホールにて行われ、主演を務める二宮和也、竹内涼真、葵わかな、内野聖陽ら総勢7名が登壇した。
二宮和也の視聴率観「だから質を上げていく、走っていく」日曜劇場「ブラックペアン」舞台挨拶こってりレポ
左から小泉孝太郎、加藤浩次、葵わかな、二宮和也、竹内涼真、加藤綾子、内野聖陽

原作は「チーム・バチスタの栄光」などで知られる海堂尊の「新装版 ブラックペアン1988」(講談社文庫)。
手術成功率100%を誇る孤高の天才外科医・渡海征司郎を二宮和也が演じる。主題歌は小田和正が歌う「この道を」。
“オペ室の悪魔”と呼ばれる天才外科医・渡海が、最新医療器具スナイプを巡る疑惑に、外科医のプライドを賭けて立ち向かう。医療エンターテインメントドラマだ。

TBS日曜劇場「ブラックペアン」レミアム試写会&舞台挨拶レポ


舞台挨拶には二宮和也、竹内涼真、葵わかな、内野聖陽、小泉孝太郎、加藤浩次、加藤綾子の7名が勢ぞろいした。
まずは、主演を務める二宮から挨拶。「非常におもしろそうなドラマができあがりましたので、オンエアの日まで期待感として高められるような作品になったと思います」。

続いて、初期研修医・世良雅志役の竹内涼真、新人看護師・花房美和役を演じる葵わかなと続いた。
中でも試写会の興奮を引きずったまま、勢いよく挨拶したのが医療ジャーナル誌の編集長・池永英人役の加藤浩次。「やばいとこ来たなと思いました、すばらしい出来じゃないですか!超おもしろかったじゃないですか!もう二宮くんに『邪魔』って言われたいです、そういう気持ちになりました」。前のめりな姿勢には壇上からも笑いがこぼれた。
二宮和也の視聴率観「だから質を上げていく、走っていく」日曜劇場「ブラックペアン」舞台挨拶こってりレポ
マイクを口元から離さない加藤と二宮。笑いがあふれる舞台挨拶

舞台挨拶前に行われたプレミア試写会では、キャスト陣も座席後方で一緒に観ていたそうで、客席からは「えぇー!」驚きの声があがった。ちなみに、試写会は募集に対して100倍の応募があったという。
平日開催にも関わらず、すごい数!

第1話を観た感想について、二宮は「全てがようやくつながったなと、楽しく観れました。それこそ、今日の朝でしょ?出来上がったの。あんなに早くから撮影してたのに今日の朝!(笑)大変ですよ本当に。僕らの想像してなかった、できなかったものがふんだんにありましたね」。一つ一つの演技が形になったことを噛み締めるようにコメントしていた。

渡海はダークヒーローという位置付けで、傍若無人な性格。
渡海から辛辣な言葉を浴びせられる竹内は、「そんなに苦しくはなくて、意外と心地いいというか(笑)高階先生の方が苦しいんじゃないですね?」。
ライバル関係にある高階権太役の小泉は、「もう、二宮くんの言葉は突き刺さってます。2話以降ご覧になってくださったらわかるんですけど、でもカッコイイですよ!二宮くんの渡海が素敵ですね」。葵も直接の絡みはまだないものの「手術室で初めて渡海先生が来たシーンとかは鮮明に覚えていて、なんだこの人!って思いました」。
共演者の言葉からは、二宮がいかに役に入り込んでいるかが伝わってきた。
乱暴なセリフが多いことについて、二宮は「純粋に台本に書いてものもあれば、台本に書いていないものも言ったりしてます。
もうちょっと刺したいなという時はちょっと強めにして、高階先生をグイグイ刺している感じです」。
一方、小泉は「台本に書いていない一言をグサッと刺してくるんですが、そのセンスが素晴らしいんですよ」とベタ褒め。
「だから、悪い奴なんだと思います。そういうのがぽんぽん思い浮かぶから悪い奴なんだと思います」自虐的になる二宮に、すかさず加藤浩次が「役に入ってるんでしょ?」とフォロー。「そっか、役に入ってます(笑)」。
この会話の着地には二宮も、客席もスッキリ。

二宮和也の視聴率観「だから質を上げていく、走っていく」日曜劇場「ブラックペアン」舞台挨拶こってりレポ
連ドラ初出演の加藤綾子。内野聖陽とのシーンでは、高級レストランで食事をする場面が多いという

二宮の上司にあたる心臓外科医の権威・佐伯清剛役の内野は、「私の役は東城大で一人しか再現できない教祖様みたいな役で(笑)まだ謎めいたところがいっぱいあるので、それがどう解き明かされれていくのか僕ら役者も結末を聞かされてなくて、というのもまだ台本ができていない。探りながら演じているんです」。演者としても今後の展開が楽しみだと答えた。

手術シーン10時間のはずが…二宮「ショックだよね」撮影秘話を明かす


続いて、番組公式Twitterが事前に募集した質問に答えた。一番多かった質問が「自分でブラックだな、悪魔だなという一面を答えて」。
二宮は「ドラマや映画に出たいと常日頃から思っていて決まったらうれしいやったとか思うけど、撮影に入って時間が過ぎていくといっつも早く終わんないかなとか、自分の役がいまここで死んだらこのまま休みになるんだなとか逆のことを考えてしまう自分がいますね。でも、今回は本当につらい!」。
語尾を特に強調した二宮。
右心房、左心房など目にすることのない臓器のこと、病名に薬の名前、術式……慣れない単語には竹内や葵らも苦戦しているという。

すかさず加藤浩二が、「手術シーン、あれ10時間くらいかかってるんでしょ?それを5分とかに短かくしてあの緊迫感になってるって聞いてびっくりした」。加藤と同様、客席からも「えぇ!」と声が漏れた。
第1話ではそこまで手術シーンが登場するでもなく、10時間という撮影時間にただただ驚きだ……。
二宮和也の視聴率観「だから質を上げていく、走っていく」日曜劇場「ブラックペアン」舞台挨拶こってりレポ
二宮、竹内、小泉は深夜に好きなカップラーメンの話題で盛り上がったそう

他にも、スナイプの放射線を防ぐために手術着の下にもう一枚重たい服を着用していることなどを撮影秘話を明かした。見えない部分も手を抜かずに、丁寧に撮影を重ねていく。
それが緊迫感ある手術シーンに繋がっているのか。

撮影現場について、二宮は「10代から60代までいる現場なんですよ。だから世代を超えて喋れる、共通項がないからこそいろんな話が聞けて単純に面白いです」。学園ドラマやホームドラマとは違った環境で、年代を超えた交流を楽しんでいると語った。
その様子は壇上からも伝わってきた。笑いの絶えない楽しい雰囲気の会見となった。

「テレビの力を信じる」二宮のドラマに対する思い


会見のあとはフォトセッションへ。会場には片手に黄色い手袋をはめた観客たち。セリフのリハーサルを終えると、さきほどまで壇上にいたキャスト陣が客席に登場。「キャッ!」と控えめながらも声があがる。
「ブラックペアン!」と一斉に声を出すが、「もう少し元気が欲しい」というリクエストが寄せれた。二宮が後ろを向いて客席を見渡すと「キャーー!」と大歓声があがる。
大きな声は二宮が振り返っただけで出た。
二宮の誘導もあって、今日イチの「ブラックペアン」の声が会場に響いた。

にこやかに撮影を終えたあと、二宮は少し声のトーンを落として締めの挨拶をした。
「真面目な話になってしまうけれど、これをみてすごく感じてもらいなっていうのは(ある)…それを売ってるわけではないんですけど。やっぱりテレビドラマってすごいだろっていうのは僕らは常にトライアウトして作らさせてもらっています。もちろん、映画もすごいし舞台もすごいけど、やっぱりテレビってまだ全然、力があって。そういうものを作りたいから一流の人たちが集まって、一流のスタッフの人が来て、一流の歌い手さんがいて、それを生み出す一流の作家さんがいるわけですよね。それをみんなで映像化しようってなったときに、これだけ時間はかかるんだけども。それを日曜の夜9時に、みんながチャンネルを合わせたらみんな平等にそれが届くのはやっぱりテレビの力だと僕は信じています。視聴率とかね、色々高けりゃいいだろうとかも、もちろんあるけれど、視聴率が取れないから我々は質をあげていく作業をしていくわけで、それが一人でも多くの人に届けばいいなと思ってこれからもずっと最終回まで走って行こうと思いますので。今日、観ていいな、よかったなと思ったらまた4月の22日日曜夜9時にチャンネル合わせればまたやってます。ぜひ観ていただきたいと思います」。

日曜劇場「ブラックペアン」はTBS系列で4月22日夜9時より放送。(初回は25分拡大)
(柚月裕実)