ウェス・アンダーソン監督最新作 アニメ映画『犬ヶ島』をLEGO BIG MORL・ヤマモトが紹介
(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

ロックバンド『LEGO BIG MORL』のヤマモトシンタロウさんによる、新作映画のレビュー連載の第二回は、アメリカで生まれたアニメ映画『犬ヶ島』。日本が舞台で、声優に野田洋次郎(RADWIMPS)、村上虹郎、渡辺謙、夏木マリらが出演していることなどが話題となっている本作について、レビューしてもらった。

ウェス・アンダーソン監督最新作 アニメ映画『犬ヶ島』をLEGO BIG MORL・ヤマモトが紹介
(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

第68回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(監督賞)を獲得し、日本でも2018年5月25日から公開となるアメリカのストップモーションアニメ映画『犬ヶ島』。「洋画なの!?」「えっ! アニメなの!?」と、タイトルを見ただけでは全く想像できなかったんですが、それだけに大きな期待を胸に抱き、ウェス・アンダーソン監督が豪華ハリウッド俳優とともに送る今作を観に行って参りました。

『犬ヶ島』のストーリー 「舞台は20年後の日本、そして犬は……さようなら」


ウェス・アンダーソン監督最新作 アニメ映画『犬ヶ島』をLEGO BIG MORL・ヤマモトが紹介
(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

舞台は今から20年後の日本。メガ崎市という町では“ドッグ病”が蔓延し、人間への感染が危惧されていました。「メガ崎市」の小林市長は、ノラ犬、飼い犬、例外無くすべての犬を、ゴミで埋め立てた“犬ヶ島”へ追放する法案を可決。反対派たちはドッグ病治療薬の開発を進めますが、小林市長はまず自らの飼い犬であるスポッツを追放第一号犬として、犬ヶ島へ送ります。鍵のかかったケージに入れられたまま犬ヶ島に置き去りにされるスポッツ――それを知った小林市長の養子で、孤児の少年“アタリ”は、愛犬スポッツを探しに単身で犬ヶ島に突入。そこでさまざまな犬たちと出会い……。

「大人ってやつは!」


ウェス・アンダーソン監督最新作 アニメ映画『犬ヶ島』をLEGO BIG MORL・ヤマモトが紹介
(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

この映画は最初、“少年と犬との冒険”がメインでそこに絆が生まれて……みたいな話だと思っていました。ですが、見終わった印象は違いました。それは「なんてリアルなテーマなんだい!」ということです。僕は“人と犬”について深く考えさせられました。

犬はその多くが愛玩動物として存在しています。つまりペットとして飼われることがほとんどです。多くの人が「可愛いから」「欲しいから」「寂しいから」、そういった理由でペットを必要とします。そして、そんな人間の思いから飼われることになったのに、必要とされなくなったら簡単に捨てられてしまう犬たち。なんという理不尽でしょうか。

映画『犬ヶ島』にはいろんな犬が登場します。かつてCMに出ていた犬、野球チームのマスコットだった犬、飼い主と穏やかに暮らしていた犬、ノラだった犬。わけもわからず、こんなところに捨てられて、僕が犬なら「犬権侵害! 犬権侵害! 人間ふざけんなよ!」となると思います。ええ。犬ヶ島では絶望して自殺したりする犬までいるらしいですから。

しかし、そんな状況でもエドワード・ノートン演じるレックスという犬は言いました。「それでもやっぱり僕はご主人が欲しいんだ」。切なすぎます。レックスゥゥゥー! うちへおいでぇぇぇ!

ペットとして飼われてきた犬にとっても人間という存在は“必要”なのです。ノラとして生きてきたブラインアン・クランストン演じるチーフは「こんなことされて何言ってんだよ!」と怒りますが……。

子どもの頃は純粋にただ犬が欲しい。僕もそう思いました。そこにはある意味、命の重さ、責任、という難しい観念はあまりなく、本当に<ただただ、犬が欲しかったんだ>と思います。ひとりで犬を探しにいくアタリ少年もそうです。自分の大好きなスポッツがいなくなった、だから家族を探す。そういう純粋な想いだったと思います。

「俺はお座りはしない」


ウェス・アンダーソン監督最新作 アニメ映画『犬ヶ島』をLEGO BIG MORL・ヤマモトが紹介
(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

映画の中でアタリ少年にお座りを求められてチーフが言う言葉です。この台詞めっちゃ深いです。犬は奴隷ではないということ、主従関係はありつつも、そこには信頼、お互いが、お互いを守るべきで存在であるということ。そういったメッセージが込められているなと。

実は、ここまで偉そうに語った僕は犬を飼ったことがありません。うぉぉぉい! 鋭い突っ込み、ありがとうございます。ペットを飼うことを反対した僕の母は、小さい頃に猫を飼っていて、猫が死んでしまったとき、「自分より先に死んでしまうくらいなら飼いたくないの。悲しいのわかってるじゃない」と強く思ったそうです。今ならその意味もよくわかります。

大人になるにつれて、命の重さ、責任、そういったことを人は学んでいきます。大切なことです。でも子どもの頃に強く感じたあの「この犬と一緒にいたいんだ」という純然たる想い。愛情のみを感じることは少しずつ希薄になるのかもしれません。ペット達が一番欲しいものは、その純然たる愛情であり、その愛と共に人と一緒に生きていきたいと願ってるのではないかと……。僕はこの映画を観て感じました。

黒澤明をはじめとする日本映画のオマージュ、和太鼓を使った音楽など、細部に作り手の日本への愛情も感じることができる映画『犬ヶ島』。犬を愛するすべての人に是非観て欲しい作品です。

文:ヤマモトシンタロウ(LEGO BIG MORL)

<プロフィール>
ウェス・アンダーソン監督最新作 アニメ映画『犬ヶ島』をLEGO BIG MORL・ヤマモトが紹介

ヤマモトシンタロウ
ロックバンド『LEGO BIG MORL』のリーダーでベースを担当。5月16日にシングル『命短し挑めよ己』を配信リリース。現在、全国ツアー『LEGO BIG MORL 〜Acoustic & Rock〜 TOUR 2018 「月と太陽」』を開催中。8/5(日)東京・恵比寿ガーデンホールでの追加公演も決定。
https://www.legobigmorl.jp/
https://twitter.com/chin_taurou

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ウェス・アンダーソン監督最新作 アニメ映画『犬ヶ島』をLEGO BIG MORL・ヤマモトが紹介

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(スマダン編集部)

作品情報


映画『犬ヶ島』
5月25日(金)全国ロードショー
監督:ウェス・アンダーソン
原題:ISLE OF DOGS
コピーライト:(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/inugashima/