江戸川音(杉咲花)、神楽木ハルト(平野紫耀)、馳天馬(中川大志)、西留めぐみ(飯豊まりえ)による四角関係は、音と天馬が正式に付き合いだし、音とハルトは「友達」に、そしてハルトがメグリンの「彼氏(仮)」となったことで新たな段階に突入した。
誕生会前日のザ・青春展開
前回、ハルトが「庶民狩りはやめだ」宣言をしたことにより、英徳学園内におけるC5の権威は失墜した。さらに、英徳の看板が何者かに落書きされるという事件も起こり、ダブルパンチでC5への批判は止まらない。
そんな状況を心配していたのが、ハルトの「彼女(仮)」になれたばかりのメグリン。
C5の権威を取り戻し、英徳学園の生徒たちの心を再びひとつにするための秘策として企画したのが、モデル仲間と英徳学園生徒たちを招待して行う自らのバースデーパーティー。
ハルトのために、自らのステイタスとコネクションをフルに活用するとは、健気にも程がある。
これにはさすがにハルトも心を打たれたようで、
「明日、西留がバースデーケーキのロウソクを吹き消したら、ちゃんと付き合おうって伝えるつもりだ」
と、「友達」になった音に報告する。
……そんなこと、好きだった女にわざわざ言うことかという気もするが、ハルトなりに音を吹っ切るためのケジメだったのだろう。
一方、音は桃乃園学院への編入をドタキャンしたり、ハルトとの浮気疑惑が持ち上がったりと、これまで何だかんだ天馬を振り回してきたことが問題となり、「天馬の父親に婚約者としてふさわしいかどうかジャッジされる」食事会に出席することとなる。
そんな、何かが起こりそうな誕生日前夜。
メグリンは、ハルトが「三つ星レストラン以上」と評する音の野菜炒めを教えてもらうため、愛莉(今田美桜)や紺野(木南晴夏)とともに音の家に集合する。
C5の男性陣は、誰かの家のプールサイドでハルトの「脱・ヘタレ祝い」を開催。
「実際の恋愛ってしんどいね」(メグリン)
「愛莉もハルトのそばにいるだけで幸せって時があったから」(愛莉)
「(メグリンといると)こんなオレを好きな奴が世界に確かにひとりはいるんだって思える」(ハルト)
などなど、それぞれの恋愛話で盛り上がり、「お幸せにー!」とプールに投げ込まれるハルト。
恋バナにプール、明日は誕生会&ハルトの告白。
事件が起こる直前、何とも幸せそうなシーンが繰り広げられるという展開、おじさん、こいうのに弱いのよ。

とことん健気すぎるメグリンと不誠実に見える音
バースデーパーティー当日。
学園の看板に落書きをした犯人からと思われる「パーティーを中止せよ」という脅迫状が届く。
C5は厳重な警備体制を敷くが、手がかりとなる「ブレスレット」をした犯人は見つからない。
一方、天馬の両親との食事会へ向かっていた音は、街頭のサイネージで中継されていたメグリンのバースデーパーティーの様子を見て(どういう状況だ!)会場のウエイターが例のブレスレットをしていることに気付き、このことを知らせるため、食事会をすっぽかし、パーティー会場へ向かう。
それにしても、中継越しにブレスレットに気付いた音に比べ、「厳重な警備体制」を敷いていたハズなのに、
「不審な人物は今のところゼロだ」
「犯人もさすがに英徳の中にまでは行ってこれないって」
「C5の名にかけて、パーティーを絶対に完遂させる!」
とか言って、のんきに犯人を見逃していたC5のポンコツっぷりよ。
「C5、終わったな」と噂されるのも当然だよ!
犯人が仕掛けていたのは、誕生ケーキがボカーンと爆発するという罠。音のおかげで、間一髪メグリンを助けることができたハルトだったが、パーティー会場はメチャクチャ不穏な空気になってしまう。
しかし、誰よりも近くで爆発を見て、本人もうろたえているはずのメグリンは、
「さ……サプライズ! みんな、びっくりした?」
とフォロー。「パーティーを成功させて英徳を一致団結させるの!」という気持ちを貫いて、どこまでも健気につくすメグリンなのだ。……なんちゅういい子!
それに比べ、「仲間を守るため」とはいえ、またしても天馬の気持ちを裏切る結果となった音。メグリンの一途さを見ちゃうと、音の態度がどうしても不誠実なものに見えてしまう。
どっちがドラマのヒロインにふさわしいかといえば……確実にメグリンでしょ!
お互いを思いやるが故に付き合えないふたり
「音が馳家の嫁になるのにふさわしいかどうか」をジャッジする食事会に、音が来ないという地獄のシチュエーション。
最悪な雰囲気のまま「お開きにしよう」、というタイミングでようやくやって来た音……ハルトと一緒に。
「江戸川さんが食事会に遅れたのはすべて僕の責任です!」
「彼女は、世界中の誰よりも馳天馬くんを愛しています」
音がいかに天馬のことを愛しているかを語り、音が天馬の婚約者でいられるよう、フォローしようとするハルト。
そして、「メグリンに正式に交際を申し込む」と言っていたハルトのため、食事会をすっぽかしてパーティー会場に向かった音。
ふたりの心が通じ合った結果、自分以外の人間と付き合えるように相手を思いやる、切ないシーンだ。
ドラマの挿入歌である宇多田ヒカルの「初恋」が、あまりにエモーショナル過ぎるので、これまでは、どうでもいいシーンでもやたら感動的になってしまうのが気になっていた。
しかし今回、「音とどういう関係なのか」と問われたハルトが「僕にとって江戸川さんは……大切な友人です」と答えたタイミングで流れ出した「初恋」は、曲のエモーショナルさが場面と完璧にマッチして、涙腺をグイッと刺激してきた。
相手を思いやるが故に付き合えない音とハルト。甘酸っぱい&青春だ。
ドラマのオリジナル展開に期待……だが
再びパーティー会場に戻ったハルトは、誰もいなくなった会場で泣きながら野菜炒めを作っているメグリンを抱きしめる。
「ひとりにして悪かった。誕生日おめでとう、めぐみ」
分かる……分かるぞハルト。ここまで、とことん健気な姿を見せつけられたら、そりゃあ抱きしめたくもなるわ。
一方、天馬も音を抱きしめていたのだが、食事会をすっぽかした理由が「ハルトのため」だったことにご立腹なのか、人を殺す系の、なかなかにヤバイ目つきをしていた。
ここまで、何をやらせてもパーフェクト、いつでもジェントルでスカシていた天馬だが、音&ハルトがガチで心通じ合っている雰囲気を感じ焦ってきたのか? そろそろ本性をむき出しにしてきそうで楽しみだ。
そして、天馬に抱きしめられた音も……やはり人殺し系の鋭い目つき。これはどういう感情のあらわれなのか?
ドラマ序盤は、漫画原作をなぞるように、忠実なストーリー展開をしてきた本作だが、今回は完全にドラマのオリジナル展開。
しかし、これがよかった!
原作の方もまだ完結していないので、どういう風にドラマを終わらせるのか気になっていたが、ここに来てこんなに甘酸っぱいオリジナル展開を見せてくれ、今後にも期待できそうだ。
……と思っていたのに、予告編での、「オレは江戸川を諦めない!」というセリフはどういうことだハルト!
お前に抱きしめられ、名前を呼ばれて泣き出しちゃったメグリンの気持ちはどーなる!?
何だかんだで結局、音とハルトがくっつくんだろうなー……とは思いつつも、メグリンが幸せになれるかどうかがすんごく気になるのだった。
ちなみに原作でのメグリン&天馬は、なんとなーくフェイドアウトしてしまっているのんだけど……そんな展開は許さないぞ!
(イラストと文/北村ヂン)
●アマゾンプライムにて配信中