
人を死なせた蟹江
ジュディ・オング演じる内海財団の会長・内海真須美。内海は、轟フィナンシャルが手がけるインドネシアの発電所建設に20億円を投資したが、建設計画が頓挫してしまう。その資金を回収したいという依頼を、チカ(鈴木保奈美)に持ちかける。手強い案件と感じたチカは、甲斐と蟹江に手を組んで取り組むよう指示をする。しかし、仲の悪い2人は、そんな簡単に相容れなかった。それにしてもドラマのジュディ・オングは、いつも金を持っている。
そんな中、蟹江は独断で轟フィナンシャルの経理部長・小堺晴彦(春海四方)に、横領の疑いを問い詰める。結果的に無実だった小堺は、その激しい口調に持病の肺塞栓症の発作を起こし、息を引き取ってしまう。蟹江に罪はないということで落ち着いたのだが、超有名弁護士事務所のオフィスで、人が亡くなるというニュースにもなりそうな出来事が、あっさり片付けられてしまう。
蟹江は「反省しています」と言っているものの、それは案件が不利になったからであって、そこまで死を重く受け止めていなそう。
とんだ天才ハッカー登場
一方の鈴木(中島裕翔)は、リゾート開発会社アテナリゾートの藤原一輝(大澄賢也)から、娘の華名(佐久間由衣)が、社員証を偽造して会社に侵入し、会社の口座から1億円以上を別口座に移していたことについて相談を受けていた。これを可能にした華名は、ハッカーだそうで、それを調べた鈴木が本当は弁護士・鈴木大輔ではなく、ただの鈴木大貴だということをあっさり調べあげて鈴木を脅迫。とんだ天才ハッカーだ。そんな天才が1億盗んだという大事件なのに、噛み締めることなくドンドン話は展開していく。
メインの案件では、蟹江がまたしてもやらかす。小堺の葬儀に参列した甲斐は、小堺に罪を着せようとしている轟フィナンシャルの行為を防ぎたいと和枝(幸田尚子)に伝え、協力を得ようとする。しかし、そこに珍しく人の心を見せた蟹江が謝罪に現れるが、裏目に出て和枝は激怒。協力の話もなかったことになり、甲斐も激怒する。バイキンマンがたまに良いことしたのにアンパンマンに追い払われるシーンみたいで、切ない。
そんな蟹江は、轟フィナンシャルのアソシエイト弁護士(補佐的な弁護士)・米倉(宮田佳典)を偶然見つけ、脅迫して裏帳簿を用意させる。どう脅迫したら自分とこの裏帳簿なんて大切なものをを、絶賛戦争中の相手弁護士に渡すのかすごーく気になるが、そこら辺は割愛。あえて割愛するっていう演出だとしても、もうちょい匂わせて欲しい。
その裏帳簿を轟フィナンシャルに提出するも、それは罠だとかなんだとかで、轟フィナンシャルの弁護士・毛利(小松和重)にケチをつけられてしまう。またしても蟹江のミスだ。結局この罠はただの嘘だったのだが、蟹江は甲斐にさらに迷惑をかけてしまう。
蟹江は自殺をしようとしていた?
その後は、めちゃくちゃ跳ねっ返り娘な雰囲気を出していた天才ハッカー・華名を、鈴木があっさりと説き伏せ、その華名があっさりと轟フィナンシャルをハッキングし、裏帳簿が本物だったことが発覚。もろもろは解決されていく。
いろいろなデカイ出来事がサクサクと進んで行った今話。中でも気になったのが、甲斐と蟹江の和解だ。甲斐は、「俺たちは似たもの同士だ。
なぜ甲斐は蟹江を許したのか?その理由を見つけるため、蟹江が日本刀で巻藁を斬っているシーンを見直してみる。すると、蟹江が着物を死に装束の着方“左前”で着ていることがわかる。蟹江は、このあと切腹するつもりだったのではないだろうか?それを察した甲斐は、蟹江の心意気を受け取り、許したのではないだろうか?我ながらだいぶ苦しいとは思うが、それならば、長年の仲違いしていたライバルが手を組むのも理解出来る。邪推中の邪推だが。
今夜放送の第7話は、鈴木が真琴(新木優子)に協力を求めるようだ。砂里(今田美桜)との三角関係に何かしらの変化が起きそう。
(沢野奈津夫)
「SUITS/スーツ」
月曜 21:00〜21:54 フジテレビ系
キャスト:織田裕二、中島裕翔、新木優子、中村アン、今田美桜、國村隼、小手伸也、鈴木保奈美など
脚本:池上純哉
演出:土方政人、石井祐介
主題歌:B'z「WOLF」