
秋津がセクハラ認定される!?
役員秘書・小松美那子(市川由衣)の罠にはめられ、セクハラで訴えられることとなったコンプライアンス室長・秋津渉(唐沢寿明)。
これまで対立してきた脇田常務(高嶋政宏)派閥の水谷逸郎(佐野史郎)は、ここぞとばかりに厳しい処分を進言。
秋津をコンプライアンス室長に取り立てた丸尾社長(滝藤賢一)の一派からも「切ってはいかがでしょう?」という声もあがるなど、ザ・四面楚歌の状態だ。
これまで「ハラスメント被害者」を救済するだけではなく、理不尽に「ハラスメント加害者」と認定されてしまった社員をも救うため、あの手この手で問題に立ち向かってきた秋津。
今回はそんな秋津自身が、女性の側から手を握られ……というベタな罠にハメられてセクハラ認定されてしまうという、まさに理不尽な理由で会社から追いやられようとしているのだ。
秋津の潔白を信じる高村真琴(広瀬アリス)たちは真相を明らかにするために動き出すが、肝心の秋津自身から、どうも覇気が感じられない。
会社の都合に振り回され、ハラスメント問題に巻き込まれてしまった社員たちに寄り添ってきた挙げ句、自分自身も役員たちのパワーゲームのコマのひとつとしてハラスメント問題の渦中に置かれてしまった。
前回、社長に対してチクリと批判的な発言をしていたが、ここにきてもまだゴタゴタを続けている役員たちを、さすがに見限ったようにも見える。
秋津と脇田が手を組む熱い展開に!
コンプライアンス室長であるにも関わらずセクハラ問題を起こしたということで、役員たちの意向は、秋津に自主退職を求めるという方向で固まっていた。
そんな中、ただひとり慎重な姿勢を貫いていたのが脇田常務だ。
かつて、秋津のパワハラを会社に密告し、地方に飛ばされる原因を作った張本人。
秋津の方も、コンプライアンス室長として本社に復帰してからは、丸尾社長から「脇田の弱味を探れ」という使命を受けていた、因縁の相手だ。
当初は、この脇田がラスボスとして君臨しており、「よくもパワハラをチクったな〜、倍返しだ!」的な展開を予想していたのだが、ここにきて、どっちかというと丸尾社長の方がクズなんじゃという雰囲気が漂ってきている。
そこで、脇田常務からのこの発言だ。
「この数ヶ月、社長の動きがおかしいんです。
どうも丸尾社長は、会社をどこかの企業に売り払うつもりで暗躍しているようなのだ。
来た! まさかの、秋津と脇田が力を合わせて丸尾社長を倒すパターン!?
しかし、秋津の心は、会社を辞める方向で固まっているようなのだ。
「マルオースーパーの経営陣は全員、クズ中のクズです!」
役員会の場で最後の演説をぶって、秋津が辞表を提出した際にも、その辞表を脇田が破り捨てた。
敵同士だったふたりが手を組む熱い展開!
ただ、ここで秋津が脇田の側についても、結局、丸尾社長 VS 脇田常務の権力バトルに手駒として巻き込まれるだけとも言える。
「クビになりかけのコンプライアンス室長」という非常に貧弱なポジションで、このパワーゲームにどんな影響を与えられるのか?
そして、そもそも秋津と脇田との間にどんな因縁があったのか?
これまでも断片的な回想シーンでは描かれて来たが、具体的にどういう流れで秋津によるパワハラ行為が行われ、脇田はどんな感じで会社にチクったのか? どんな感じで地方に飛ばされることになったのか?
その辺の詳細をキッチリ見せてもらえると、より盛り上がることができるんだけど……。
ただのエロい秘書じゃなかったんだ
市川由衣演じる役員秘書の正体にも驚かされた!
初回から「息抜きのお手伝いはできませんか? 私、セクハラなんてダサイことは言いません(はーと)」なんて言っていたので、脇田に心酔し、脇田のためなら何でもやってしまうエロい秘書なんだと思っていたが、まさかの、買収云々に絡んだスパイ疑惑が。
そう考えると「息抜き」発言や、水谷に指示されて秋津をハメた件も、買収を有利に進めるためのスキャンダル作りだったんじゃ……と思えてくる。
このまま丸尾社長を失脚させ、脇田が社長就任してめでたしめでたしなのか? それとも、会社を辞めた秋津が小さなスーパーをはじめた、なんてパターンもあったりするのか?
ここんところ毎回「面白いよぉ〜」と身悶えしながら見てしまうほど盛り上がってきた「ハラスメントゲーム」。今夜から最終章スタートらしいぞ!
(イラストと文/北村ヂン)
【配信サイト】
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『ハラスメントゲーム』(テレビ東京)
原作:井上由美子『ハラスメントゲーム』(河出書房新社刊)
脚本:井上由美子
演出:西浦正記、関野宗紀、楢木野礼
主題歌:コブクロ「風をみつめて」(ワーナーミュージック・ジャパン)
音楽:エバン・コール
チーフプロデューサー:稲田秀樹(テレビ東京)
プロデューサー:田淵俊彦(テレビ東京)、山鹿達也(テレビ東京)、田辺勇人(テレビ東京)、浅野澄美(FCC)
制作協力:フジクリエイティブコーポレーション
製作著作:テレビ東京