3月27日(水)に、全15曲収録のフルアルバム『Dreaming!』でメジャーデビューを果たすVTuberアイドルときのそら
YouTubeチャンネル登録者数も22万人を突破するなど、今ではVTuber界を代表する人気者の一人となった彼女を、デビュー前から二人三脚で支えてきたのが、親友であり裏方友人A(愛称は、えーちゃん)
現在は、配信や動画制作を担当するだけでなく、時には自らも配信に参加して、ときのそらと『Dreaming!』の魅力を広めるためにも活動している。
VTuberアイドルときのそらの親友で裏方の友人Aにも聴いた「芯の強さも、そらのすごく良いところ」
「ときのそらチャンネル」の配信の裏方や動画制作などを担当している「えーちゃん」こと友人A。親友ときのそらのメジャーデビュー決定後は、特製の衣装を着てデビューアルバム『Dreaming!』を宣伝中

「エキレビ!」のときのそらメジャーデビュー記念連載第2回は、友人Aインタビューの前編。デビュー直後のエピソードから、親友から見たときのそらの魅力などについて語ってもらった。

第1回、ときのそらインタビュー前編こちら

そらとは違う役割で、一緒に何かができるので良いなと思った


──2017年9月に、ときのそらさんが「バーチャルJK」として活動を始めた時、えーちゃんさんご自身は、どのような思いや目的を持って、生配信の裏方など活動のサポートをしていたのでしょうか?

友人A そらから、軽いノリではあったのですが相談みたいな感じで、「本当はアイドルになりたいんだ」という話をされたんです。ただ、そららしいと言えばそららしい話なのですが、「じゃあ、どうやってアイドルになろう?」という具体的なことまでは特に考えてなかったみたいで(笑)。私も一緒に考えることになりました。そらは持ち前の明るさがあって、アイドルとして活動しているイメージはすぐついたので、アイドルに向いてるんじゃないかなという気持ちは最初からありました。


──その方法として、配信活動を始めようと思ったのですね。

友人A 普通であれば芸能事務所に入ったりするのかもしれないですが、高校生の私たちがいきなり気軽にできることではないと思って。じゃあ、私たちに今できることってなんだろうと考えた時、まずはライブ配信という方法で、そらのことをたくさんの人に知ってもらうという手段もあるんじゃないかなと思ったんです。「横浜アリーナでライブがしたい」という夢も聞いてはいたのですが、それもすぐに実現できることではないと思ったので、まずは、手軽にできることから始めてみようという感じでした。

──えーちゃんさんは、配信などについて詳しかったのですか?

友人A 始めた時は配信についてまったく詳しくなかったですが、パソコンや機械をいじったりするのが苦手ではなかったので。調べたら、私たちでもできるんじゃないかなと思ったんです。
それで、まずはニコニコ生放送で配信をしてみようということになりました。

──ゲームの『アイドルマスター』が好きだから、アイドルを育てたかったというわけではないのですね。

友人A あはは(笑)。たしかに、『デレステ』(アイドルマスター シンデレラガールズ)は大好きですけどね。私は自分のことを積極的に売り出すのは向いてないと感じていたし、そらはパソコンや機械についてはあまり詳しくないので。裏方的なことで何かできることがあったら、そらとは違う役割で一緒に何かができるし、ちょうど良いなと思っていました。


──初の生配信(【17/09/07放送】ときのそらVR生放送アーカイブ【#001】)では、視聴者数が関係者を除くと13人くらいしかいなかったそうですが、より多くの人にそらさんのことを知ってもらうために、えーちゃんさんは、どのようなことを考えて、取り組んでいったのでしょうか?

友人A 最初のうちは、ちょっとへこたれそうになるような人数ではあったんですけれど、やっぱり配信をやらないことには知ってもらえないので。ニコニコYouTubeの他に、(配信アプリの)「17 Live」でも配信をしたり、とにかく、いろいろなところで生放送を続けていきました。毎週、この時間に配信をしようとか目標を決めたりもしましたね。あとは、例えば、初回配信は無音だったのですが、他の人の配信を観てBGMを流すようにしたり。企画についても、有名なYouTuberさんや配信者さんの配信を観て、面白いものがあったら自分たちも取り入れてみたりしました。テレビ番組から学べることも多かったです。
とにかく、自分たちでできる範囲のことを工夫して頑張ろうと思っていました。当時は今みたいに、常に他のスタッフさんに手伝ってもらったりすることはできなかったので。

「これをそらの動画として出して良いのか?」と常に考えています


──以前、ニコニコの「ときのそらチャンネル」会員限定の配信(【Part3】『ときのそら』デビュー1周年 超おめでとう記念公式生放送アーカイブ【えーちゃんもいるしリサイタルもあるよ】)で、初配信のダイジェストを二人で観返していましたが。そらさん以上に、えーちゃんさんの方が恥ずかしがっているように見えました。今、初配信の時の自分にアドバイスをするなら、どんなことを言いますか?

友人A 今は服とかに付けるタイプのマイクを使っているんですけれど、初放送の時は立てて固定するタイプのマイクだったんです。そらって、配信中、前後に動くじゃないですか。だから、そらが前に行くと声が大きくなって、後ろに行くと声が遠くなっていたんですよ(笑)。
あと、私がPowerPointで作ったスライドも、当時はデザインについてまったく勉強してなかったのですごくダサいし。たしか、初回はBGMも無いんですよね。
VTuberアイドルときのそらの親友で裏方の友人Aにも聴いた「芯の強さも、そらのすごく良いところ」
無料ソフトなどを使って準備と配信をした初回放送。友人A制作のスライドには「企業の説明会みたい」などの感想も……。「動画編集についても、最初は無料ソフトの『iMovie』などを使っていました」(友人A)

──そらさんの声以外、無音でした(笑)。

友人A まさか、1年後にその放送を見直すことになるなんて思ってなくて、すごく恥ずかしかったんですけれど。アドバイスをするなら「もうちょっと配信のことを勉強してから、やりなよ」って言いたいと思います(笑)。当時はけっこう突発的に「ちょっと、やってみようか」みたいな感覚で始めたので。


──今、配信の企画を考えたり、動画制作をしたりする際、常に心がけていることなどはありますか?

友人A すべてに共通して言えるのは、「時間が無いから、これでいいや」で出さないようにすることです。1個の物にかける時間が短ければ、数はたくさん出せるのですが、だからといって数だけにこだわって質を落とすのは嫌だなと思っています。私は動画を一人で作っていたからだと思うのですが、けっこう自分の中でのこだわりが多くて。例えば、テロップを入れる時、私の一人称は漢字で「私」なのですが、そらの一人称にはひらがなの「わたし」をなるべく使っていたり。そらはネットスラングに疎いので、「www(草)」という言葉は使わないとか。そういう、ときのそらの動画としてのこだわりはけっこうあります。

──そのこだわりには、えーちゃんさんの中でのそらさんのイメージが反映されているのでしょうか?

友人A そうですね。そらが「そういうイメージにしてほしい」と言っているわけではなく、私がリスナーのみなさんに「ときのそらとは、こういう感じの子なんだよ」というのを伝えていきたいという思いがあるんです。どちらかといえば本人は、なんでも「全然大丈夫だよ〜」という感じの性格なので、「これをそらの動画として出して良いのか?」ということは、自分の中で常に考えていますね。

──えーちゃんさんを信頼して任せているのですね。

友人A そらは、動画での見せ方にすごくこだわりがあるというよりは、企画の段階で「こういうことをやりたい」とか「この歌を歌いたい」とか、いろいろなアイデアを出している感じですね。動画の編集中も、「こんな感じにしたい」という方向性だけあわせたら、何かを言ってくることはほとんどありません。「やりたいことができて、自分もそらともさんも楽しかったらOK」という気持ちが大きいみたいです。

──「楽しかったから、早くそらとものみんなに見て欲しいなー。えーちゃん、まだー?」みたいな?

友人A そうです、そうです! そういう分かりやすい感じの子なんです(笑)。

友達に天然系の子が多いので、ツッコミを要求されがち


──初回放送の頃は、まったく存在を表に出していなかったえーちゃんさんは、この1年半の間に、まずは動画の中で声を出すようになり、立ち絵ができ、現在はVTuberとしてのモデルを使い表に出て活動をされていることもあります。その変化は、そらさん以上に大きいくらいだと思うのですが。その都度、どのような思いで活動をしてきたのでしょうか?

友人A 本当に最初の頃は、自分が表に出るつまりはまったく無かったんです。でも、その頃から、そらが放送の中で「えーちゃんがどうこう」という話をけっこうしていて。観ている人からすると、「えーちゃんって誰?」という感じになってしまっていたんですね。だから、(2017年の)11月頃から「少々お待ちください」とか「ありがとうございました!」とか書いている生放送の蓋絵(配信前後や配信中に画面を隠すために映すイラスト)に、後ろ姿だけは出していたんです。
VTuberアイドルときのそらの親友で裏方の友人Aにも聴いた「芯の強さも、そらのすごく良いところ」
友人Aのビジュアルは、2017年11月9日の生配信から使用された蓋絵で初めて公開。現在は2Dや3Dの姿で登場することもあり、「ときのそらチャンネル」の生放送や動画以外にも活躍の場を広げている

──あの蓋絵のイラストも、えーちゃんさんが描いたのですか?

友人A 配信を手伝ってくださったスタッフの方に描いていただきましたが、そらに比べてかなりシンプルな見た目や服なので「描きやすかった」と言われました(笑)。 その後ろ姿から、そらとものみなさんが想像でわたしの正面画をファンアートで描いてくださったりもしましたね。

──ちなみに、「友人A」という仮名のような名前も、初めて聞いた時に面白いなと思ったのですが、誰のアイデアですか?

友人A 私の名前のイニシャルからというか……。元々、そらや友達からは「えーちゃん」と呼ばれていたのでそこから考えて、主役はあくまでそらということを主張するためにも、アニメ等でよくある「村人A」や「女子高生A」みたいな感覚で「友人A」にしました。ただ、そらからは「可愛くない」という理由で生放送や動画でも「えーちゃん」と呼ばれてしまうので、最近はもうよくわかんないですね(笑)。

──「友人A」だから「えーちゃん」と呼ばれているのではなく、「えーちゃん」と呼ばれていたから「友人A」になったのですね! 最近は、時々、えーちゃんさん個人で活動することもありますが、他のVTuberとのコラボで司会的な役割をしている時、場を回すのがとても上手いなと思いました。普段から、まとめ役的なことをするタイプなのですか?

友人A ありがとうございます。たしかに、昔からそういうポジションに引っ張り出されることは多くて。なんとなく「頼んでおけば大丈夫でしょう」みたいな感じで、任されやすい気はします。押し切られて、結局やることになるみたいな。あとは、そらも含めて周りの友達に天然系の子が多いので、ツッコミを要求されがちなんです。性格的に自分があえて天然側に回るのは難しいので、回す方が楽だなって思っちゃってるところもありますね(笑)。

私たちのことを微笑ましく見ていただけることは嬉しい


──そらさんにもまったく同じ質問をしたのですが、えーちゃんさんが動画や配信で声を出すようになると、ファンの間で二人の掛け合いが人気を集めるようになりました。えーちゃんさんとそらさんにしてみれば、友達と話していたら、聴いている人たちがすごく喜んでくれたという謎の状況だったのかなと思うのですが。どんな気持ちでしたか?

友人A そらが何と答えたのかは分からないのですが……。どちらかと言えば私は、そらとは真逆で、ずっとオタク側にいる人間ではあるので(笑)。「推しが他の子と仲良くしている様子が尊い」という、その構造自体に違和感は無かったです。ただ、それを自分が言われるというのはやっぱり変な感じですね。例えば、そらと(仲の良いVTuberの)富士葵さん仲良くしているのを見た方が「そらあお、てぇてぇ(尊い)」と言ってるのを聞くと、私も「うんうん、てぇてぇなあ」と思うんですけれど。「えーそら、てぇてぇ」と言われる側であることには、不思議な感じはありますね。でも、そういう風に、私たちのことを微笑ましく見ていただけることは嬉しいです。
VTuberアイドルときのそらの親友で裏方の友人Aにも聴いた「芯の強さも、そらのすごく良いところ」
2019年2月28日に配信された友人Aの誕生日記念放送では、ときのそらと一緒にゲーム実況。アクションゲーム『Super Bunny Man』では、ファンも驚くスーパープレーを披露した

──そらさんは、なぜえーちゃんさんと話しているところが尊いのか分からなくて、不思議だったみたいです。

友人A やっぱりそうでしたか。良かったです、変わってなくて。「みんなこういうのが好きだって分かっててやってた」とか言われたら、「そら、変わっちゃったな……」って、私もショックなので(笑)。

──えーちゃんさんが思うそらさんの魅力や、この1年半での変化などを教えてください。

友人A 分かりやすい変化で言うと、やっぱり歌はすごく成長したし、本人もより歌の活動を意識するようになったんじゃないかなと思います。あと、いろいろな環境に慣れてきたからか、緊張しているところをあまり見なくなりました。前は、本番前に緊張し過ぎて体調が悪そうにしていたこともあったんですよ。いつもやってる生放送では、そんなことはなかったのですが。大勢の出演者さんやお客さんがいるニコニコさんのイベント(『ニコニコ超パーティ2018』)や、カラオケのコラボ(『バーチャルカラオケ〜2018・夏〜』『Vカラ女子会』)とかの本番前には、よく「緊張して、具合悪い」と言ってました。特に歌系のイベントでよく緊張していましたね。歌が得意なVTuberとして紹介されることが嬉しい反面、プレッシャーでもあったみたいです。

──歌は好きだけれど、期待されるプレッシャーも感じていたのですね。

友人A あと、そらのすごいなと思うところは、環境が変わっても、変わらないところがあり続けることですね。例えば、チャンネルの登録者数がいくら増えても、そらともさんみんなの名前を覚えたいとか、顔を覚えたいとかいう気持ちは、日頃からよく話していて。なるべく近い距離で接したいといつも言っています。何というか……プロみたいになって離れていってしまうのではなく、ある意味では、以前も今も普通の子。そらは、ずっとそらだなって感じています。それに、実は意外と負けず嫌いなのも変わらないところですね。『夢色アスタリスク』の動画を上げた後、高音部分のことでいろいろな意見もあったのですが……。その後の生放送(【18/02/08放送】たまにはとってもフツーの放送をしようと思います【のほほん】)で、自分から「生で歌いたい!」と言って歌ってみせたんです。
VTuberアイドルときのそらの親友で裏方の友人Aにも聴いた「芯の強さも、そらのすごく良いところ」
2018年2月8日の放送でときのそらは『夢色アスタリスク』を生披露。高音部分も歌い切り、「無理しないで」と心配していた一部のファンを安心させた。『Dreaming!』では、さらに成長した歌声で再収録

──あの時は、そらさん本人が生放送で歌いたいと言ったのですね。

友人A はい。私は、ああいう負けず嫌いさや芯の強いところも、そらのすごく良いところだと感じています。
(丸本大輔)

後編に続く


ときのそらデビューアルバム
『Dreaming!』
2019年3月27日(水)発売

≪初回限定盤≫
2CD(アルバム+ボイスドラマ)
価格:3,400円+税 品番:VIZL-1558

【初回限定盤特典】
豪華スリーブケース
オリジナルボイスドラマ(ゲスト声優:大橋彩香、尾崎由香)
購入者限定ミュージックビデオ視聴コード
“君といつも一緒にいるよ”オフィシャル壁紙
【封入特典】
限定VRイベント参加応募シリアルコード

≪通常盤≫
CD
価格:2,800円+税 品番:VICL-65163
【封入特典(初回生産分のみ】
限定VRイベント参加応募シリアルコード

≪CD収録内容≫
【初回限定盤・通常盤共通】
1. Dream☆Story
2. ヒロイック・ヒロイン
3. コトバカゼ
4. ほしのふるにわ
5. 冴えない自分にラブソングを
6. IMAGE source
7. ブレンドキャラバン
8. 未練レコード
9. 海より深い空の下
10. そんな雨の日には
11. メトロナイト
12. Wandering Days
13. 好き、泣いちゃいそうだ
14. おかえり
15. 夢色アスタリスク(Dreaming! ver.)

≪『Dreaming!』特設サイト≫
https://www.jvcmusic.co.jp/tokinosora/65163/