連続テレビ小説「なつぞら」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~
「なつぞら」5話。なつ学校へ。馬の絵を描く少年と出会う

連続テレビ小説 なつぞら Part1 (NHKドラマ・ガイド)

第1週「なつよ、ここが十勝だ」 演出 木村隆文

第5回(4月5日・金)視聴記録


なつ、学校へ 
「おはよう日本関東版」の高瀬耕造アナはやっぱり4回の泰樹(草刈正雄)の台詞を噛み締めていた。
いつもあしらい気味の和久田麻由子アナも「うんうん」とこの日ばかりはやさしく頷いていた(とはいえ、やはりすこし冷静気味。そういう役割なのだろう)。
檜山靖洋アナも控えめながら同調を示していた。いや、だって、「だから無理に笑うことはない。謝ることもない。お前は堂々としてろ。堂々とここで生きろ」は誰にだって染みると思う。
「あさイチ」には剛男役の藤木直人が登場。


夕見子は剛男の話を聞いて態度を軟化、自分の服をなつに譲る。翌朝、さっそくその服を着て出勤(搾乳)したなつに、泰樹は学校に行く許可を出す。
富士子は勉強道具を揃え、剛男は学校まで付き添う。なつの親になろうとふたりは責任を感じている。

学校では出会いがあった。絵の上手な山田天陽。
大好きだったけど死んでしまった馬を描いている。
なんだかみんな優しくて、ほっとするのもつかの間、亡くなった父母、離れ離れになった兄妹のことを恋しく思ってなつは泣く。
天陽の絵から、大切にとってある家族の絵へ……なつの感情が動くきっかけになる小道具をきちっと仕掛けてあるから感情の流れが自然だ。

気になるキャラ1 照男 
「あ、手、振った」
学校へ行くなつに、小さく手を振る泰樹に気づく照男(岡島遼太郎)。
いつの間にか、仲良くなっているふうのなつと泰樹。自分は搾乳をまださせてもらえてないとしょげる照男。

繊細な感情がよく現れていた。

気になるキャラ2 天陽 
なつと同じ、東京から北海道にやって来た天陽。でも、苦労しているようで、農作業用に買った馬は、業者が騙して弱っていた馬を売りつけたもので、すぐ死んでしまった。天陽はその馬が好きで、絵に描いている。
「絵では生きてるようにしなくちゃ。思い出すことにならないだろう。
大好きだったんだ、この馬」
なんかこういう台詞が染みる。
微笑み合う天陽となつ。ハープのポロロンという音色が美しい。

山田天陽のモデルは北海道で農業をしながら絵を描き続けた画家の神田日勝。大森寿美男は神田日勝の絵が好きだったそうだ。騙されて買った馬がすぐに死んでしまったことは、神田日勝の実話に基づいたものだ。
ベニヤ板にペインティングナイフで描かれた黒々とした農耕馬が横たわる絵「死馬」や肋骨が浮き上がった農耕馬の絵「馬」などが代表作。十勝にある神田日勝記念美術館で絵を直に見ると、この「馬」の肋も目も生々しい。グリグリと黒々と絵の具を塗り込めた面は面でなく農耕馬の毛並みの集合体であり、そこここにぼうっと命の焔が立ち上っている。
絶筆も馬で途中まで上半身まで描きあげたもの。神田日勝の作風はパーツごとに完成させていくものだったため下半身が未完成となった。美術館のアイコンはその絵からとられている。


早く吉沢亮になったところも見たいが、幼少期を演じている荒井雄斗のちょっとクールな雰囲気もいい。目尻がすっと切れ長な感じも印象的。「とと姉ちゃん」では星野(坂口健太郎)の子供・大樹役を演じていた。

気になるキャラ3 郵便屋さん 
泰樹が学校に行っていいと言ったとき、作業しながらいいリアクションをしていた音尾琢真。4回では安田顕が情熱を込めてアイスクリームをつくっていた。音尾、安田と来て、地元代表TEAM NACSのメンバー3人目は戸次重幸がさわやかな郵便屋さんとして登場。オープニングで山田正治と出ているのと、あらかじめ登場人物紹介で情報が出ているので、ただの通りすがりのすてきな郵便屋さんではないことをわかっている人も多いと思う(ノベライズでは初出はあくまで郵便屋さん)。
「なつぞら」5話。なつ学校へ。馬の絵を描く少年と出会う
この広い青空の下に……

「なつぞら」5話。なつ学校へ。馬の絵を描く少年と出会う
神田日勝記念美術館。4月16日(火)から6月23日(日)まで第1期常設展「神田日勝―未完のキャンバス」が催される。美術館では神田日勝のドキュメンタリー映画が見られる。この出来が秀逸。神田日勝のことがすごくよくわかる。

神田日勝記念美術館。4月16日(火)から6月23日(日)まで第1期常設展「神田日勝―未完のキャンバス」が催される。美術館では神田日勝のドキュメンタリー映画が見られる。この出来が秀逸。神田日勝のことがすごくよくわかる。

第一週 あらすじ


どこまでも続く草原の丘で、北海道・十勝の風景を描く奥原なつ(広瀬すず)。昭和21 年初夏、なつ(粟野咲莉)は9 歳の時、亡き父の戦友だった柴田剛男(藤木直人)に引き取られて十勝にやってきた。妻・富士子(松嶋菜々子)は我が子としてなつを受け入れようする一方、富士子の父でガンコ者の泰樹(草刈正雄)は働き手にもならないとなつに冷たくあたる。しかし、子供ながらにここで生きると覚悟を決めたなつは、牛馬の世話や乳搾りを必死に手伝い、次第に泰樹の心を溶かしていく。


登場人物とキャスト 登場順


奥原なつ 広瀬すず 幼少期 粟野咲莉…主人公。戦争で父母を亡くす。
佐々岡信哉 工藤阿須加 幼少期 三谷麟太郎…空襲のとき、なつを助ける。
柴田剛男 藤木直人…柴田家の婿養子。なつの父の戦友。なつを十勝に連れて来た。
        妻を「ふじこちゃん」と呼ぶときがある。
柴田富士子 松嶋菜々子…剛男の妻。開拓で苦労している。
柴田照男 幼少期 岡島遼太郎…柴田家長男。搾乳をさせてもらえず、薪割りを頑張っている。
柴田夕見子 幼少期 荒川梨杏…柴田家長女。勉強が好き。牛乳嫌い。
柴田明美 幼少期 吉田萌果…柴田家次女。
柴田泰樹 草刈正雄…柴田家当主。頑固者。
奥原咲太郎 幼少期 渡邉蒼…なつの兄。タップダンスが得意。
奥原千遥 幼少期 田中乃愛…なつの妹。

2回
焼け跡にいたおばあさん北林早苗…情にほだされなつたちに食べ物を分ける。演じているのは朝ドラ第1作め「娘と私」の娘・麻里の少女時代役を演じた。
戸村悠吉小林隆…柴田牧場で働いている。
戸村菊介音尾琢真…悠吉の息子。嫁募集中。

4回
小畑とよ 高畑淳子…帯広在住。泰樹の昔なじみ。口の減らない元気な人。
小畑雪之助 安田顕…とよの息子。菓子店・雪月の店主。菓子作りに情熱を注ぐ。
小畑妙子 仙道敦子…雪之助の妻。
小畑雪次郎 幼少期 吉成翔太郎…雪之助、妙子の長男。

5回
山田天陽 幼少期 荒井雄斗…音問別小学校でなつと同級生になる。絵が上手。馬が好き。
大作 増田怜雄…音問別小学校の生徒。
実幸 鈴木翼…音問別小学校の生徒。
さち 伍藤はのん…音問別小学校の生徒。
山田正治 戸次重幸…郵便配達。

脚本:大森寿美男
演出:木村隆文 田中正ほか
音楽:橋本由香利
キャスト:広瀬すず 松嶋菜々子 藤木直人 岡田将生 比嘉愛未 工藤阿須加 吉沢亮 安田顕 仙道敦子 音尾琢真 戸次重幸 山口智子 柄本佑 小林綾子 高畑淳子 草刈正雄ほか
語り:内村光良
主題歌:スピッツ「優しいあの子」
題字:刈谷仁美
タイトルバック:刈谷仁美  舘野仁美 藤野真里 秋山健太郎 今泉ひろみ 泉津井陽一
アニメーション時代考証:小田部羊一 
アニメーション監修:舘野仁美
アニメーション制作:ササユリ 東映アニメーション

制作統括:磯智明 福岡利武
「木俣冬)