目指すは「世界」 全曲英詞の攻めのサウンドにシフトした新生PRIZMAXの新アルバム

新メンバーに対しては、「もっと俺にくやしい想いをさせてくれ、もっと来い!」って気持ち(森崎)


――見た目からサウンドまで、驚くべき変身を遂げましたね。新生PRIZMAXの目指すところとは?

森崎
:今回のアルバム『FRNKSTN』の楽曲は全部英詞で、世界に向けて発信するってことがコンセプト。シンプルに言うと、まずはアジアツアーが目標です。


――なるほど。アルバムのお話を伺う前に、まずは新メンバー3人の紹介をお願いします。

清水
:ボーカルのケビンは、心の奥の見えないところで情熱の炎が燃えているヤツです。最初の印象は、「赤いくつ下ばっか履いてるヤツだな」でした(笑)。

ケビン:恥ずかしー! 一時期、赤いくつ下がおしゃれだと思っていたんです。

島田:同じくボーカルの森英寿は、PRIZMAXの新最年少です。ボーカルとしてはケビンと対局のタイプ。ケビンはミステリアスな中に秘めたものがあるけれど、モーリー(森)は前に出てくる勢いがあるんです。若気の至り感というか、若いエネルギーがある、愛すべきバカですね(笑)。

:はい! 偏差値は低いけど、中学を1日も休みませんでした!!

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島田 翼


森崎:パフォーマーのフミは、まだ、加入するかわからなくて……(笑)。

小川:おーーーーい!!!!

森崎:こういう、いじられたがりキャラなんです。

島田:あと現場に絶対10分遅刻して来るタイプと思っていたら、実際は10分早く来る方でした(笑)。
ダンスはめちゃめちゃスゴイですよ。ラップもできるし。

福本:まだ一歩引いているところがあるけれど、周りを見つつ、自分を出していく性格なだと思うので、あと半年くらいしたら本当の自分を出してくるんじゃないかな? 大器晩成型だと思います。

――新メンバー3人はオーディションで選ばれたわけですが、初顔合わせのとき、受け入れる側はどんな気持ちだったのでしょう。

森崎
:自分たちでオーディションに立ち会って合格者を決めたんですけど、「どうなるんだろう?」「どういう話をすればいいんだろう?」って感じで、緊張しましたね。

島田:入ってくる3人の方が不安があるだろうから、「4人はどっしり構えてないと」ってことは話していました。

清水:このメンバーがそろったのが、バレンタインの日だったんですよ。なんかプレゼントみたいな感じでした。

福本:2月頭のミャンマーでのライブが4人でパフォーマンスする最後だったのですが、「4人でライブをするのもあと何回」ってカウントダウンをしていたんです。気付いたらメンバーが決まって、それから1か月がめまぐるしかったです。

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森崎ウィン


――ボーカルが3人になると、武器が増えますよね。

森崎
:そうですね。
ケビンはR&Bが似合うし、音楽の素地がある。モーリーは音楽を素直に表現するタイプなので、グループとしての幅が広がりますよね。メインボーカル、バックボーカルという担当はあるけど、グループとしての厚みが出るし、僕一人のときよりもインパクトがある。やっていくうちに、2人がメインの曲も出てくるだろうし、「もっと俺にくやしい想いをさせてくれ、もっと来い!」って気持ちです。俺も逆だったら、同じボーカリストとして負けたくないし。

――パフォーマンスチームは?

島田
:本当にパワフルな飛び道具をゲットした感じです。刺激になるし、「負けてらんねぇな」って気持ち。

小川:僕は、人生最高の場所を見つけることができました。7人で勝ちに行きたいです。

――ここからは、2ndアルバム『FRNKSTN(フランケンスタイン)』のお話をしていきましょう。どんなコンセプトなのでしょう。

森崎
:コンセプトはサイケデリックホラー。
フランケンシュタインは人間にもなりきれず、でも温かい気持ちを持っているから怪物でもない。見た目で怖がられてしまうけれど、変わろうとする。その変化の過程が、僕らが7人になって生まれ変わることに重なるというか……。自分を知ってもらうには、自分のコンプレックスをさらけ出さなきゃいけないじゃないですか。そのコンプレックスを乗り越えて、対峙して、生まれ変わるという意味が込められています。

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清水大樹


――「生まれ変わる」という点では、歌詞が全部英語になったというのもそうだけど、なんといってもサウンドがだいぶ変わりましたよね。

島田
:そうなんですよ! 今回、Jeff Miyaharaさん(※JUJU、クリス・ハート、SHINee、西野カナなど多くのヒットアーティストを手がける音楽プロデューサー)にプロデュースしていただきました。今までのPrizmaXって、自分たちで曲や振付を作ったり、自分たちの思い通りにやってきたところがあって。そこから脱却すべく、サウンド面でJeffさんという素晴らしい人に味方に付いていただきました。

――おーー、どうでした?

島田
:僕たちの意見を一切通さず、リードしてくれました(笑)。でもその方が、僕らはやりがいがあるんですよ。一番感じているのはボーカルだと思うけど。
「今、何が世の中から求められてるのか」って、僕たちがわからない世界をプロの方に教えていただくのは、貴重な機会でした。本当に自信あるサウンドができました。

――「ボーカルが特に」ということですが、どうでしたか?

森崎
:今までの自分の歌い方を止められました(笑)。レコーディングの最中は、Jeffさんのディレクションの意味が分からなくて苦しみながら歌っていたな……。でも、新しいウィンに出会えましたね。今ってほとんどのミスを機械で直せちゃうんです。でもどんなに機械が発達しても、僕の気持ちが1ミリも乗っていなかったらバレるんですよ。改めて、「マイクに声を乗せて人に届けるってすごく難しいな」って思いました。

――そう感じた具体的なエピソードは?

森崎
:Jeffさんに、「オートチューン(音程補正ソフト)のエラーをねらえ」って言われたんです。ピッチがズレても機械で直せるんだけど、感情が入った歌声はオートチューンが拾えないんです。それが美しいんだってことを言っていて。最初は何のことかわからなかったけど、今ならわかる気がします。


島田:そうなんですよ。収録曲の「DADADADADADA」にも通じるんだけど、情報化していく社会の中でも人間にしかできないことがあるという、アナログとデジタルが交差していくような感じというか。

森崎:ケビンとモーリーはどうだった? 俺は2人のレコーディングに行けなかったから。

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福本有希


:僕はウィンさんのレコーディングを見せてもらったのですが、聴いている僕が「上手いなー」って思ってもJeffさんのOKが出ない。何度も録り直しするんですけれど、やっぱり最初と比べるとJeffさんのひとことがあった後はぜんぜん違うんですよ。

森崎:客観的に聴いてたら、そんな感じなんだ。それ、自分じゃわからないんだよね(笑)。

:僕も自分ではわからなかったけど、人のを見ているとそう感じるんです。

ケビン:僕もJeffさんの意見に合わせることに必死すぎて、ほぼ記憶がないです(笑)。でも覚えているのが、スピーカーで聴いた自分の声が、今までの自分の声じゃなかったこと。これは冗談抜きで。それと、「新しいな」「楽しいな」っていう感覚があったのを覚えていて。
これからも、もっと自分を越えていくような音を引き出してもらいたいな……。

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目指すは「世界」 全曲英詞の攻めのサウンドにシフトした新生PRIZMAXの新アルバム


6月の公演は今までと違うドキドキやワクワクを見せられるライブになる(清水)


森崎:ケビンは、Jeffさんに褒められたって聞いたんだけど。

ケビン:はい。褒めてもらいました。すごく嬉しかったです(ニコニコ)。

森崎:なんて褒めてもらったの? ……あ、やっぱりやきもち焼くから聞かない(笑)。

島田:「ケビンは才能があるね」って。

森崎:お前が言うなよ(笑)。

――JUJUさんも「Jeffさんは毎回ハードルを上げるけど、必ず毎回それを超えさせてくれる」って言ってましたよ。

森崎
:その感覚わかる! 歌入れが終わってから、全曲を通して聴いたんですよ。あ、そのとき俺も「よく歌いきったね」って褒めてもらった(笑)。録音順に聴いたんだけど、最初と最後はぜんぜん違っていて。翼ちゃん(島田)が(最初に録った)「「DANCE」録り直したら?」って言ったくらい(笑)。「でもあれが味なんだね」って。

島田:「DANCE」はまだ、以前のウィンが頑張ってる感じで(笑)。でも最後に録った「BAD LOVE」は、心から震え上がるような……そんな感じで仕上がってました。

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ケビン


――キャリアの長いウィンさんでも、大きな学びがあったんですね。

森崎
:もちろんです。日々生きていたら何でもそうですよ。洗濯の仕方ひとつとっても「こうやったらシワがつかないんだ」とか……。最近一人暮らしを始めたから、日々学びなんです(笑)。

――冒頭で「アジアツアーが目標」と話してくださいましたが、「DANCE(INTL VERSION)」は、英語だけでなく、日本語、ミャンマー語、韓国語と4カ国語で歌われていますね。

森崎
:はい。ベースは英語なんですけれど。後々はミャンマー語とか韓国語とか日本語の部分を他の国の言葉で歌うっていうのもやってみたい。「音楽で遊ぶ」みたいなニュアンスになればいいな。楽しむってことをメインでやっている感じで。

島田:うん、次はスワヒリ語とか(笑)。

――PRIZMAXは、ウィンさんがミャンマー出身ということもあり、ミャンマーで活動しているのも特徴ですよね。ミャンマーの音楽事情ってどんな感じなのですか?

森崎
:そうですね……、CDを売ってお金を得るっていうのは難しいですね。ライブもお金に余裕がある人のものだし、スタジアムが埋められる有名なアーティストじゃないと難しい。僕らを応援してくれる若い子には、どちらも厳しいんです。それにバラードがスタンダードなので、『FRNKSTN』のようなバリバリのダンスミュージックが受け入れられるのか……って不安もあるんですよね。

島田:受け入れられると思うよ。このジャンルでは俺らが第一人者としてやっていきたいよね。

森崎:あ、俺そこまで用意してたんだけど。先に言われたわ(笑)。

島田:じゃあ今のは、ウィンの発言にしておいてください(笑)。

森崎:(笑)、そういう気持ちで。翼ちゃんが言っていることは、本当に大事だと思います。

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小川史記


――PRIZMAXが新しくなったということで、プライベートで新しく始めてみたいことを教えてください。

森崎
:ボクシングを始めたところです。自分の体を今のうちに、もっとケアしていきたいし、パフォーマーの一人でもあるので。僕はちょっと体幹が弱いから、しごいてくれる厳しい先生をみつけて、ボクシングで体幹を鍛え始めました。

島田:ヨガですね。体と心を整えるというので興味があったんだけど、男性はちょっとレッスンに行きにくい感じがして、YouTubeを見ながら家でこっそりやっていたんです(笑)。でも、ちゃんとレッスンを受けたくて。この仕事ってやっぱり体が資本だし、自分の体と向き合うっていうことも含めて。それに僕は、考えすぎて空回りしちゃう癖があるので、そこをうまく整理できるといいなっていうのもあります。絶対このリリース中に、やります。まずは体験レッスンだ!

福本:僕は生活の一部として、健康管理と美肌管理を取り入れようと思っています。「カッコいい」と「イケメン」って言葉は簡単に使われるけれど、「キレイ」って本当にキレイな人にしか言わないじゃないですか。だから外見を磨くより、透明感のある肌やツヤのある髪といった、内側からくるものを磨きたくて。今、ポカリスエットで水分を摂りまくっているから、肌の水分量はいい感じかも(笑)。

清水:僕も始めたところなんですけれど、英会話です。ちゃんと持続しないと(笑)。

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森 英寿


小川:僕は一人暮らしを始めたいですね。せっかくスタートラインに立ったので、自立したくて。料理が全然できないので、今のうちにお母さんに教えてもらわなきゃ。

ケビン:僕もちょうど、SNSで弾き語りをアップしはじめたところなんです。自分の歌をアピールして、自分が好きな音楽を知ってもらえるかなって思って。

:僕は体作りをしたいです。ひょろひょろなのがコンプレックスなので(笑)。昨年は体重が45キロしかなかったんです。体幹も弱いので鍛えたいですね。

――7月6日には、新生PRIZMAXとしての初ワンマンライブ『PRIZMAX Live Level 8 ~CIRCUS~』も開催されますね。

清水
:はい。今までと違うドキドキやワクワクを見せられるライブになるんじゃないかなと思っています。アルバムを聞き込んで来てほしいですね。英語なので、大変だと思いますけれど!

(取材・文/坂本ゆかり、撮影/コザイリサ)

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