名作少女漫画「ここはグリーン・ウッド」が舞台化  小西成弥&大平峻也が注目の2.5次元舞台を語る
<左から>小西成弥、大平峻也

撮影/田中純一

小西成弥・大平峻也 インタビュー


1986~1991年にかけて『花とゆめ』(白泉社)で連載されていた、那州雪絵による珠玉の名作「ここはグリーン・ウッド」が舞台化、7月19日(金)~7月28日(日)天王洲・ 銀河劇場で上演される。本公演の情報が解禁になった際にはTwitterのトレンド1位を長時間にわたり独占した、話題の作品だ。稽古真っ最中のキャストより、小西成弥と大平峻也の二人が本公演に懸ける想い、そして「2.5次元舞台」の面白さを語ってくれた。

取材・文/坂本ゆかり  撮影/田中純一
撮影・編集/田上知枝(エキサイトニュース編集部)

登場人物に“男の娘”がいたり、2019年という未来を予想していたような作品(大平)


――「ここはグリーン・ウッド」は『花とゆめ』で連載されていた那州雪絵先生の人気少女漫画が原作ですが、原作を読まれた感想を教えてください。

小西成弥(以下、小西):僕は男子だけど男子寮って見たことがないので、そんな男子寮ならではの世界観がとても面白いと思いました。

大平峻也(以下、大平):30年以上前の作品なのに、登場人物にツンデレだったり、“男の娘”がいたり、2019年という未来を予想していたような作品ですよね。原作を読んでいてすごく楽しかったし、この作品を演じると思うとワクワクしました。

名作少女漫画「ここはグリーン・ウッド」が舞台化  小西成弥&大平峻也が注目の2.5次元舞台を語る
撮影/田中純一

――それぞれの役作りについて伺いたいと思います。小西さん演じる主人公・蓮川一也は、初恋の女性・すみれが実兄と結婚したことを機に、名門男子高校「緑都学園」の学生寮「グリーン・ウッド」に入寮するというバックグラウンドがありますよね。

小西:僕には兄ではなく姉がいるので、「お兄ちゃんがいる感覚」ってよくわからなくて。一也はデキる兄にコンプレックスを抱いているので、そういう気持ちを汲み取ったり、いろいろ研究しながら役作りをしているところです。うちは、年下の僕の方が姉より勉強ができたから(笑)。

――一也は失恋を引きずっていますが、小西さんは引きずるタイプ?

小西:そんなに引きずらないタイプです。でも自分がどういう人間なのか、僕もよく分かってないんですよね(笑)。

――大平さん演じる如月 瞬は、先ほど“男の娘”という発言もあったように、きゃしゃでロングヘアの女の子のような男の子。寮では一也のルームメイトという役柄です。

大平:男子寮が舞台というとむさ苦しい話になりそうだけど、瞬くんがいるだけでキラキラするというか、そんな役割を担っている役だと思うんです。かわいらしい容姿に悩んだこともあっただろうし、いろんな想いを乗り越えてきたからこそ、飄々としていられる。それが彼の底知れない魅力だし、だからこそ、先輩たちと肩を並べて歩けるんだろうな……。僕自身も『ここはグリーン・ウッド』という舞台の座組の中で、そういう人物になっていけたら……と思っています。それはお芝居にしても、僕自身としても、大きく成長していかなきゃいけないという意味で。僕と瞬くんって、すごく近い感じがしているので、気負わずにいきたいです。

――「近い」というのは、どんなところが?

大平:お金持ちっていうところ以外は歩んできた道が一緒というか、瞬くんの奥底がわかるんですよね。

「成弥と一緒だと絶対にいいものになる」っていう安心感がある(大平)


名作少女漫画「ここはグリーン・ウッド」が舞台化  小西成弥&大平峻也が注目の2.5次元舞台を語る
撮影/田中純一

名作少女漫画「ここはグリーン・ウッド」が舞台化  小西成弥&大平峻也が注目の2.5次元舞台を語る
撮影/田中純一

――役柄のことを伺いましたが、今度は小西さん、大平さんご自身のことを聞かせてください。共演作も多いお二人なので、お互いのことを紹介してくださいますか? まず、小西さんから見た大平さんはどんな人でしょう。

小西:峻也は、見た目の通り可愛い人です。付き合いが長いのに、さっき女の子と見間違えちゃって(笑)。中身は……フランクですね。でも、しっかりしてる。そういうところは男らしくて、芯があります。ストイックだから、見えないところでいろいろやってるんだろうな~とも思います。

――見た目とのギャップを感じたことは?

小西:腹筋、言っていいの?

大平:いいよ(笑)。

小西:腹筋がすごいんです。最近見てないんだけど、前に見たときはバキバキで!

大平:あんまり食べないから、脂肪がつかないんですよ。

――うらやましいです(笑)。大平さんから見た小西さんは、どんな人ですか?

大平:「成弥と書いて本気と読む」って感じですね(笑)。どの作品でも真摯に台本と役にぶつかって、自分に対しての妥協を許さない。いろいろ考えて作品に向かっている人なので、作品に関しての疑問がわくと一番に聞きに行きたくなるんですよね……。人見知りな部分もあるのに作品に対しての熱量がスゴイから、「成弥と一緒だと絶対にいいものになる」っていう安心感があるんです。だから成弥の周りには人が集まるのかな? 今回は座長が成弥なので、安心なんですよ。仕事をやるパートナーとしては、一番大事なことなんじゃないかなと思います。

名作少女漫画「ここはグリーン・ウッド」が舞台化  小西成弥&大平峻也が注目の2.5次元舞台を語る
撮影/田中純一

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撮影/田中純一

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撮影/田中純一

名作少女漫画「ここはグリーン・ウッド」が舞台化  小西成弥&大平峻也が注目の2.5次元舞台を語る
撮影/田中純一

――人見知りなんですか?

大平:人見知りだけど、仲良くなったらめちゃくちゃ仲良くなれますよ(笑)。昨日トイレに行ったら、なんかスケートをするみたいにトイレの中を滑るように歩いてきて(笑)。そんな一面もあるんです。

小西:スリッパが滑るやつだったので、滑りを楽しんでみました(笑)。

大平:プライベートは楽しくて、仕事では信頼できる。末長く一緒に! よろしくお願いします!

小西:こちらこそ!(笑) 僕が演じる一也と峻也が演じる瞬は、寮のルームメイト。これまで何度も共演していますが、今回は峻也と近い役で共演できるっていうのは、僕にも安心感や信頼感を与えてくれていて。こういう関係の役柄で、本当に良かったと思えます。

思わず変なことをしてしまうのは、峻也に対して安心しているから(小西)


名作少女漫画「ここはグリーン・ウッド」が舞台化  小西成弥&大平峻也が注目の2.5次元舞台を語る
撮影/田中純一

名作少女漫画「ここはグリーン・ウッド」が舞台化  小西成弥&大平峻也が注目の2.5次元舞台を語る
撮影/田中純一

――舞台となる男子寮「グリーン・ウッド」は、「変人ばかりが集う寮」ということですが、主要キャスト4人の“変人ぶり”が伺えるエピソードがあれば教えてください。まずは蓮川一也役の小西成弥さんから。

大平:さっきも言ったように、真面目ゆえに予期せぬところで変なことをされると、こっちはもう爆笑してしまうんですよ(笑)。

小西:たぶんそれは、峻也に対して安心しているからなんだよね。まだ稽古の序盤で“はじめまして”の人もいるので、超絶人見知りの僕としては緊張してるので(笑)。

――如月 瞬役の大平峻也さんは?

大平:(くい気味に)変なところなんてひとつもありませんよ! ……とはいえ、自分でも「変だな」って自覚あるんです。でも止められなくて(笑)。

小西:直前まで同じ空間にいたのに、さっき久しぶりに会ったぐらいのテンションでいきなり肩を「よっ!」って叩かれました(笑)。

大平:超絶気分屋なので、コロコロ気分が変わっちゃうんです。たぶんたくさんの人に迷惑をかけてるんだろうな。

――(笑)。手塚 忍役の影山達也さんは?

大平:これ、推していきますけれど、影山達也は影の字とは真逆です。それが一番変なところですね。僕は影くんって呼んでるんですけれど、影くんに影はない(笑)。

小西:うん、笑顔の印象が強いですね。笑顔で話しかけてくれるから、僕はまだ変なところが発掘できていません。

名作少女漫画「ここはグリーン・ウッド」が舞台化  小西成弥&大平峻也が注目の2.5次元舞台を語る
撮影/田中純一

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撮影/田中純一

――池田光流役の長妻怜央さんは?

小西:怜央くんは、変っていうんじゃないですけれど、いろんな人にフランクに話しかけてる人だなーって思いました。

大平:壁がないんですよね、心を開いているから。そこはスゴイなって思います。普通は緊張すると思うんだけど。

――そんな皆さんが演じる『ここはグリーン・ウッド』の舞台は学校の寮ですが、同世代の役者さんが出演する2.5次元舞台もまた、寮生活のような一面があると思うのですが……。

大平:たしかにありますね。お仕事と学校の狭間というか(笑)。キャスト同士が仕事以上に仲良くなるんですよ。これは、2.5次元舞台だけじゃなく舞台全般に言えるんだけど。それぞれの方向は違うけど、向かう熱量は同じくらい大きいからじゃないかな。

なかなか見られない男子寮の中を覗くような感じで観て、楽しんでいただけたら(小西)


名作少女漫画「ここはグリーン・ウッド」が舞台化  小西成弥&大平峻也が注目の2.5次元舞台を語る
撮影/田中純一

名作少女漫画「ここはグリーン・ウッド」が舞台化  小西成弥&大平峻也が注目の2.5次元舞台を語る
撮影/田中純一

――今、大人気の2.5次元舞台ですが、日々ファンの熱狂に触れているお二人から見て、観客はどんなところに魅了されているのだと感じますか。

小西:2.5次元舞台は原作ありきなので、衣裳やウィッグといったところから、役者や演出家にいたるまで、原作に忠実に、そして原作をちゃんとリスペクトして作っています。そこにプラスして、ファンが登場人物たちと同じ空間で楽しめるというところじゃないでしょうか。演出の手法であったりお芝居のやり方であったり、舞台だからこそできることってあるんですよね。アニメとまったく一緒だったら舞台である必要はないし、僕ら役者としても、そういう部分を出せたらいいなと思って演じています。

大平:ファンの方たちの熱がスゴイですよね。ある2.5次元作品で海外公演をしたのですが、日本語がペラペラのファンが大勢いて。聞いたら、マンガやアニメが大好きで、独学で覚えたっていうんです。アニメは日本の文化だってことを実感しました。そうやって好きになったキャラクターと、同じ作品が好きなたくさんの人たちと同じ空間にいて、さまざまな感情を共有できる。それってスゴイことですよね……。そこが魅力なんじゃないかな?

名作少女漫画「ここはグリーン・ウッド」が舞台化  小西成弥&大平峻也が注目の2.5次元舞台を語る
撮影/田中純一

名作少女漫画「ここはグリーン・ウッド」が舞台化  小西成弥&大平峻也が注目の2.5次元舞台を語る
撮影/田中純一

――作品を観に行く方に、ご自身の「ここに注目して!」というシーンを教えてください。

大平:僕は、瞬の登場シーンですね。ドアを開けたとき、どうやったら女の子に見えるか……っていうところ。登場の仕方次第で、一也が受ける衝撃度が変わるから。脚本・演出の ほさかようさんも「あそこはこだわりたい」とおっしゃっていたので、やるのが楽しみ。注目して見てほしいな。

小西:僕は初恋の人、すみれちゃんとのシーン。グリーン・ウッドにいる一也とはまた全然違う一面が見られるんじゃないかな。それと、グリーン・ウッドに入って、そこで生活していく中でどんどん変化していく一也を見てほしいです。

――多々ある作品の中で、『ここはグリーン・ウッド』だけの魅力とは?

小西:さっき「変人ばかり」という話も出ましたが、個性的なキャラクターがいっぱい出てくる作品です。なかなか見られない男子寮の中を覗くような感じで観て、楽しんでいただけたら嬉しいです。ドタバタコメディだけど、芯の通った物語もある。あっという間に時間が過ぎて、「楽しかった」って言いながら笑顔で帰ってもらえる作品に仕上げたいと思っています。ぜひ観に来てください!



小西成弥さん&大平峻也さん直筆サイン入りチェキをプレゼント!


SCHOOL STAGE「ここはグリーン・ウッド」の上演を記念して、小西成弥さん&大平峻也さん直筆サイン入りポラを2名様にプレゼントいたします。

応募方法は下記の通り。
(1)エキサイトニュース(@ExciteJapan)の公式ツイッターをフォロー
(2)該当ツイートをリツイート
応募受付期間:2019年7月5日(金)~2019年7月23日(火)23:59まで




公演概要


『SCHOOL STAGE「ここはグリーン・ウッド」』
2019年7月19日(金)~7月28日(日)天王洲 銀河劇場

名作少女漫画「ここはグリーン・ウッド」が舞台化  小西成弥&大平峻也が注目の2.5次元舞台を語る


原作:那州雪絵「ここはグリーン・ウッド」(白泉社)
脚本・演出:ほさかよう
作詞:浅井さやか
音楽:大石憲一郎
振付:泰智(KoRocK)

出演:蓮川一也役:小西成弥
如月 瞬役:大平峻也
手塚 忍役:影山達也

池田光流役:長妻怜央

平井浩基 北乃颯希 森 遼 佐野真白
笹森裕貴 小田桐咲也 世古口 凌 /
寺崎裕香 岡田あがさ 内野楓斗 / 山田ジェームス武

冨田ヒカル 前川ゆう

主人公・蓮川一也は、初恋の女性が唯一の肉親である実兄と結婚してしまい、失恋のショックから全寮制の名門男子高校「緑都学園」に進学を決意するも、入学前日に胃潰瘍を患い、1か月遅れで入学・入寮することに。

しかし、学園附属の寮・通称「グリーン・ウッド」は、寮長の池田光流・生徒会長の手塚忍・同室の如月瞬を始め、“変人の巣窟”と噂されるほど、一筋縄ではいかない個性派な面子が揃った寮だった!?

一也の前途多難な高校生活が、いま幕を開ける――!!


チケット:発売中
※未就学児入場不可

SCHOOL STAGE「ここはグリーン・ウッド」 オフィシャルサイト


https://www.schoolstage-greenwood.com

(c)那州雪絵 / 白泉社

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撮影/田中純一