コンビ間の嫉妬や確執を乗り越えて、NMC(ニッポン漫才クラシック)の準決勝で渾身の漫才を披露した「デジタルきんぎょ」。

前回は、天才・金本(駿河太郎)の相方として苦悩してきた藤川(尾上寛之)が、過去を回想しながら準決勝の舞台に立つという藤川回だったわけだが、今回は藤川の訃報を受けた金本回。

いたたまれない生放送をやりきる駿河太郎の熱演


決勝進出が決まった夜に、喜びのあまりパンツ一丁で雪の降る街に飛び出した藤川が凍死するという悲劇的な展開。

既に死んでいるとも知らずに、ようやく父親の漫才の面白さを理解できた藤川の息子が、学校の作文で父親について読み上げていたり、その音声をバックに妻(黒坂真美)が藤川の死を知らされたり。さらに、ヤケクソになった金本が飲み屋の酔客とケンカしてボコボコにされたり……。視聴者を泣かせにくるシーンの連発。

さすがにあざといのだが、演出の劇団ひとりは、こういう涙泥棒的な展開、好きそうではある。

やはりクライマックスは、藤川の遺体に対面した後、金本がひとりで挑んだラジオの生放送だだろう。

リアルでも、相方が逮捕されちゃったり、不祥事を起こしちゃったりで、不穏な雰囲気ではじまる芸人のラジオというのは何度か聴いたことがあるが、何を言っても笑えるわけもなく「1回くらい休んでもいいのになぁ〜」と思うケースがほとんど。

もしも相方が死んだ夜にラジオの生放送があったとしたら、それ以上に悲惨な放送になること必至だ。金本の放送は、まさにそれを体現したかのような、聴いていていたたまれない内容だった。