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今回紹介するのは、ネットフリックスにて配信中の『ボクらを作ったオモチャたち』である。先日からシーズン3が配信され、それはもう、おれはこのドキュメンタリーを噛み締めるようにして見た。
待ってたよ!! シーズン3は亀とスーパー戦隊とポニーとプロレス!!
タイトルからわかる通り、このシリーズは一世を風靡したオモチャ(基本的にはアメリカでよく売れたものが取材対象)がどのようにして生まれ、どのような経緯を辿って今に至るかを関係者に取材して解き明かすドキュメンタリーだ。なので、登場するのは派手なセレブやスポーツ選手ではなく、基本的にオモチャ会社で仕事をしていたデザイナーや営業の人、コレクターとか研究者とか、そういう地味目の人たちである。
しかしこれがめっぽう面白い。最新シーズンであるシーズン3で取り上げるのはタートルズ、パワーレンジャー、マイリトルポニー、そしてプロレス玩具である。一気に得た大金と権利ビジネスに関する行き違いから、クリエイター2人が決定的な決別(そして再生)へと至る過程が当事者の口から語られるタートルズ回。日米のコンテンツビジネスの大きな違いから、日本からは見えにくい海外における東映の裏面史を照射するパワーレンジャー回(「石ノ森章太郎は日本のスタン・リーである」という見立てのハマり具合よ!)。男社会のオモチャ業界で女性デザイナーたちがいかに試行錯誤したか、そしてそれが通った時にいかに爆発的ヒットを生み出したかが語られるマイリトルポニー回。どれも面白すぎて悲鳴をあげたくなる内容だ。