3人のバイオリンの音色のように不器用ながらも、前に進んでいく。

よくやった、弘章!良かった、幸恵さん……
プチ家出した幸恵(松下由樹)はネットカフェにいることが分かった。
幸恵の家族にも来てもらおうと也映子(波瑠)と理人(中川大志)が家を訪ねると、ちょうど姑(夏樹陽子)が弘章(小木博明)を叱り飛ばしているところだった。
「早くしなさい!あんたね、これでね、幸恵さんが明日一人で帰ってきてこのドアを自分で開けたらね、とてもじゃないけど取り返しがつかないんだよ」
「分かってるよ……」
「だったら早く!妻の一人ぐらい、ちゃんと大事にしなさい!」
こうして北河家の皆と、也映子・理人の5人でネットカフェに向かう。
今までずっとムスッとしていた弘章が、素直に、深く頭を下げた。
弘章「ごめんなさい。いろいろ悪かったです」
幸恵「え……」
弘章「取り返せるよう、頑張るから。でも気づかないこともあるからさ、そこはツッコんでください」
原作コミックには無いシーンだ。幸恵に救いがあって、本当に良かった。
エレベーターのふたりに悶絶
恋人の関係より以前のようにバイオリンでゆるく繋がる関係に戻りたい、とぐだぐだぐだぐだ不安を口にする也映子。婚約破棄された経験上、そういう思考回路も仕方ないのか。
幸恵「ゆるくて優しい世界にとどまってちゃダメよ。本当に大事な人とはゆるくて優しい世界のその先に行かなきゃ。
也映子「できません。怖い。好きなんです、めちゃくちゃ私、理人くんのこと。だから怖い。あの人が消えちゃうのが怖い」
「あー、もうめんどくせぇ!」
エレベーターで、理人が也映子をぎゅっと抱きしめる。
「俺、あなたのためならなんとかするから全部」

エレベーターの中で、理人からのキス。
何?この幸せ感、と思ったのは私だけではあるまい。
原作コミックとは違うハッピーエンドを迎えたドラマ版『G線上のあなたと私』。
眞於(桜井ユキ)と庄野(永野宗典)の結婚式シーンを始め、理人の兄夫婦(鈴木伸之・滝沢カレン)が子供の世話を仲良くしていたり、いとこの晴香(真魚)が美容師の仕事に復帰していたり、結愛(小西はる)は失恋したけれど次に進もうとしていたり。登場人物一人ひとりが明るい表情で最終話を迎えたのが本当に嬉しかった。
(イラストと文/まつもとりえこ)

『G線上のあなたと私』
火曜よる10時 TBS系列
出演:波瑠 中川大志 松下由樹 桜井ユキ 鈴木伸之 滝沢カレン 小木博明(おぎやはぎ) 夏樹陽子 小西はる ほか
原作:いくえみ綾『G線上のあなたと私』 集英社マーガレットコミックス・全4巻
脚本:安達奈緒子(『きのう何食べた?』、『コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命―THE THIRD SEASON』ほか)
音楽:末廣健一郎 MAYUKO
主題歌:緑黄色社会『sabotage』 (ソニー・ミュージックレーベルズ)
演出:金子文紀 竹村謙太郎 福田亮介
チーフプロデューサー:磯山晶
プロデューサー:佐藤敦司
製作:TBSスパークル TBS
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