
新型コロナ感染拡大の影響で、各テレビ局では過去の番組の再放送や再編集版、傑作選などが多く放送されている。
TBSにて、2016年10月〜12月にオンエアされた「逃げるは恥だが役に立つ」特別編が放送中だ。
急に気になる伏線が増え出した
人気マンガが原作のTBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』。童貞を捨てた朝、会社に午後から出勤すると連絡した津崎(星野源)。絶対もう一度いたしている。
見事、津崎が童貞を捨てるところからスタートした第10話。プライベートでの幸せが最高潮に達する一方で、津崎は沼田(古田新太)にリストラを宣告されてしまう。この事をきっかけに津崎は、みくり(新垣結衣)にプロポーズすることを決意する。しかし津崎は、第1話で契約結婚を結んだ時と同じように、紙面でデータをわかりやすくまとめ、いかに結婚が合理的かを熱弁してしまう。そして、当然のようにみくりにこれを断られてしまう。
「出会った時のあれがまたこんなところで!!」というパターンを逆に利用した珍しいフラれ方だが、実に津崎らしい。高級レストランの下見は念入りにするのに、相手の気持ちはいまいち考えられない。10話かけて作られた津崎のイメージそのまんまプロポーズだ。
このシーンは珍しくそうだったが、このドラマは、いろんなことが繋がって“なるほど! そうなってたのか!”となるタイプのドラマではない。
生きて・・・会えるんだから←急になんだ?
ということで、結果を見ないとスッキリしない伏線をまとめておこう。
良いじゃないですかそれぐらいのハードル、生きて会えるんだから
こんなに朗らかなドラマに急に生き死にの問題が介入してきた。百合(石田ゆり子)が風見(大谷亮平)との関係を「親子ほども年が違う」と自虐気味に謙遜した時の梅原(成田凌)のセリフだ。梅原は過去に彼女を亡くしてしまったのだろうか? それを最終回にねじ込んでくると重過ぎるし、何も無かったら気になり過ぎる。
ファーマーズマーケット
みくりがそのアイデア力を活かして、やっさん(真野恵里菜)の実家の商店街でファーマーズマーケットを手伝うことになった。みくりのテーマでもある“仕事へのやりがい”を表現するにはうってつけの材料だが、これだけで1話作れそう。ギャラ交渉をする際の商店街の人間の「俺達だってノーギャラだよ?」というセリフのダメダメ感がすごかった。
百合と風見と杏奈(内田理央)
百合と風見がどうなるのかはもちろんだが、杏奈が気になる。風見の気持ちの火付け役だけかと思えば、意外に登場シーンが多い。せっかくポジティブモンスターの異名までいただいたのに、もう一つ何かないと寂しい。
津崎のできる喜び
津崎がみくりに餃子の作り方を学び、やろうと思えば何でもできるということに気付くシーン。次の仕事を選ぶ幅を広げるための伏線なのか、それともみくりとファーマーズマーケットで何かするためのものなのか、いずれにせよ地味だが大きな意味をもつ伏線になっていそうだ。
逃げるは恥だが役に立つ感
このドラマは、今のところ完全に「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ・・・」よりだ。「逃げるは恥だが役に立つ」は、ハンガリーのことわざらしいが、日本で言う「逃げるが勝ち」。最終回、逃げたことによって得する部分が何かあるのだろうか?
親に契約結婚のことを明かすのかどうかも気になるし、もちろん津崎とみくり2人の行方も気になる。濃い内容の最終回になりそうだ。
(沢野奈津夫)
【一覧】「逃げるは恥だが役に立つ」1〜11話 全レビュー
【図解】「逃げるは恥だが役に立つ」エンディング「恋ダンス」