
2ndソロライブ直前のときのそらが振り返る2020年の変化
今年は欧米圏のリスナーも爆発的に増加するなど、さらなる成長を続けるアイドルVTuberグループ「ホロライブ」。その誕生のきっかけを作った最初のホロライバーときのそらが、自身2度目となるソロライブ『パラレルタイム』を11月29日(日)にオンラインで開催する。【インタビュー後編】明日開催! ホロライブのときのそらが語る2ndライブへの思い「今の私を100%見せられるライブに」
2019年3月のメジャーデビュー前から、その活躍に注目してきたエキレビ!では、約1年1月ぶりのソロライブに向けて、充実した日々を過ごすときのそらにインタビュー。
いろいろと勉強したことで活動がより楽しくなった年
──そらさんにとって、2020年はどのような年でしたか?そら 今年は「変化の年」だったなってことは、すごく思っています。昨年の後半あたりから世界がいろいろな風に変わってきて。お家で過ごす時間が多くなったので、それに合わせて自分の活動スタイルも変わっていきました。だから、今までと違うこと、慣れないことをたくさんしなきゃいけないし、新しいことを学ばないといけない年でもあったので、1日1日がすごく勉強の年だったなと感じています。
──昨年の後半までは、スタジオで、スタッフや、親友でホロライブの裏方でもある友人Aさんのサポートも受けながら、週に1回の定期配信を行うのが基本的な活動スタイルでした。しかし、今では、自宅から一人で配信を行えるようになり、配信のタイミングや内容も自由度が上がっているように感じます。勉強することが多かった分、自分の成長を感じる機会が増えたり、楽しいことが増えたりもしたのでしょうか?
そら それは、すごくありました。最近、配信の頻度がすごく高くなっているのは、自主的に増やしているというのもあるんです。以前は、配信って楽しいけれど、すごくプレッシャーもあるものだったんです。「週に1回、いい配信、楽しい配信を常に見せなくてはいけないんだ」みたいな責任感をすごく感じていたので。もちろん、今でもそれは感じているのですが、それよりも、観に来てくれた皆さんと一緒に交流ができる配信が楽しいと思えるようになったんです。だから、いろいろと勉強したことで活動がより楽しくなった年でもあるかなと思います。
──先日、私もそらさんの変化を実感した出来事がありました。ある日、夜の9時頃に寝たら、夜中の2時頃に目が覚めてしまったんです。そうしたら、私の寝ていた数時間に、そらさんがゲリラ配信(事前の予告をしない突発的な配信)をしていたんですよ。
そら あはは(笑)。
──以前は、夜遅い時間に配信することも、ゲリラ配信をすることも皆無だったので驚きました。
そら 前は週に1回、スタジオから配信していたので、帰宅時間も考えると夜遅い時間にはできなかったし、まだ十代だったり、その前は学生だったりしたので、学校とかの普段の生活には影響がないよう、夜中の配信は控えようという気持ちがすごく強くあったんです。でも、もう二十歳になりましたし、いろいろな時間帯に配信をして、もっといろいろな人に観てもらいたいとも思うようになりました。やっぱり、同じ時間帯にばかり配信していると、学校やお仕事とかの関係で、毎回アーカイブでしか観られないという方もいたので。いろいろな時間帯に配信をして、どんな方が観に来てくれるのかをすごく知りたかったんです。まあ、夜遅い時間とはいっても、私の場合は、深夜というほど遅い時間には配信していないのですが(笑)。

──自宅での配信を始めた当初は、配信の設定や機材の調整、配信アプリの操作など初めてやることも多く、「大変そうだなあ」と思いながら配信を観ていました。
そら 大変でした(笑)。
観てくれている人みんなに伝わるような配信にしたい
──2020年はホロライブ全体が大躍進した年で、10月には、そらさんのYouTubeチャンネルの登録者数も50万人を突破しました。そういった数字的な変化の影響を実感することはありましたか?そら 私は(ホロライブの)初期から活動しているので、毎年の数字の伸び方とかも分かるのですが、今年のチャンネル登録者数の伸び方って、今までとは比べものにならないくらいすごいんです。それと共に、海外から観てくださっている視聴者さんの数がすごく増えたというのは実感としてあります。前は配信のコメント欄は日本語オンリーだったのに、気づいたら英語のコメントもたくさん来るようになっていて。そういったところでも、すごくたくさんの人に観ていただけるようになったことは実感しました。
──そらさんも、配信中、日本語で話したことを英語でも言い換えたり、配信の概要欄に英語の説明も併記したりといった配慮や工夫をしていますね。
そら 私は、全然、英語が得意ではないんですけれど(笑)。片言でもいいから、観てくれている人みんなに伝わるような配信にできないかなと思って。たぶん、文法とかはめちゃくちゃで、単語を並べているだけになっているはずですが、日本語で言った後に、なるべく英語でも伝えられるようにしようとは思っています。
──そらさんは英語の発音が綺麗なので、英語が話せると思われている可能性もあるのでは?
そら ありがとうございます。読むのも全然上手ではないんですけど、普通に長文の英語コメントを書いてくれる人もいるので、英語が理解できていると勘違いしている人もいる気はします(笑)。自分が英語を喋れるようになるのは難しいかもしれないですが、せめて読めるようにはなりたいなって思います。
──配信に関すること以外に、自宅で過ごす時間を利用して始めたこと、新たな趣味などはありますか?
そら 以前は「神社めぐり」が趣味だったのですが、自宅で過ごすとなると、それもできないので……。最近は、楽器をいくつか始めました。親の影響でウクレレとか。あと、ピアノは以前から弾いていたのですが、キーボードを自分でセッティングして弾いたりもしています。MIXという音楽の編集の勉強も始めたし、音楽に関することを家でやる機会は増えました。

──配信以外でも、音楽に関する興味が強いのですね。
そら 自由な時間が増えた時、最初に頭に浮かんだのは、やっぱり楽器や音楽のことだったので、新しい物をいろいろと買っちゃいました(笑)。
──そらとも(ファンの総称)からの手紙や色紙を読んでいる時間は、そらさんにとって、どのような時間ですか?
そら どんなことが書かれているお手紙でもすごく嬉しいので、癒されたい時や疲れた時に読むことが多くて。私にとっては、すごくリラックスできる時間です。
グイグイ来てくれる子はありがたいし、大好き
──以前の取材では、「もっと、ホロライブの後輩の子たちと絡んでいきたい」と仰っていましたが、今年は、ホロライブのメンバーと一緒に活動する機会も増えた印象があります。これは、そらさんの側から積極的に行動した成果だったのですか? それとも、後輩の皆さんから積極的に絡んできてくれた結果だったのでしょうか?そら どちらかと言えば、積極的に絡んで来てくれる子が増えたことが一番の要因かなと思います。特に、AZKiちゃんや(星街)すいせいちゃんは、すごく連絡をくれて嬉しいです。でも、7月に5人で歌動画を出した時には、自分からみんなに声をかけたんですよ!
──星街すいせいさん、宝鐘マリンさん、不知火フレアさん、天音かなたさんと一緒にユニット「ホロALICE」を結成して歌った「【5人で】Alice in N.Y.【歌ってみた/ホロALICE】」の動画ですね。そらさん主導の企画だと知った時には、正直、驚きました。
そら 3期生や4期生といった比較的新しいメンバーの中には、「そら先輩! そら先輩!」って、すごく積極的に連絡をくれる子も多くて。(0期生の)さくらみこちゃんとかもそうなんですけれど、そうやって向こうから声をかけてくれたので、私の方からも誘ったりしやすかったんです。

──一般の会社などでも普通にあることだと思うのですが、自分が先輩だからこそ、後輩を誘ったりする時に遠慮してしまう気持ちもあったのでしょうか?
そら はい、声をかける時には、すごく考えちゃうタイプです(笑)。「声をかけていいのかな? 迷惑じゃないかな?」みたいな気持ちもすごくあったし、声をかけた時に「反応してもらえるのかな?」みたいな不安ももちろんありました。
──後輩との交流は日本のホロライブメンバーだけでなく、海外のホロライブメンバーにまで広がっていますね。コラボも行ったホロライブインドネシアのイオフィ(アイラニ・イオフィフティーン)さんからは、「そら姉さん」と慕われています。
そら イオフィちゃんも、すごく積極的に絡んでくれて。「今、私はこの作品が好きなんですけれど、そら姉様も観てますか?」とか、配信に全然関係ない連絡もくれるんですよ(笑)。私自身は、かなり受け身な性格なので、そうやって声をかけてくれるのは、すごく嬉しいですね。グイグイ来てくれる子はありがたいし、大好きです。
1stワンマンライブは、いろいろなものが変わるきっかけになった
──デビュー以来、さまざまなイベントに出演し、数々のステージで歌を披露してきたそらさんですが、昨年10月に開催した1stワンマンライブ『Dream!』は、やはり特別な思い出になっているのでしょうか?そら はい。もちろん、どのイベントも大切な思い出ですが、「いちばん鮮明に残っているイベントは?」と聞かれたら、『Dream!』になります。それくらい、自分の中で、いろいろなものが変わるきっかけになったライブでした。
──『Dream!』をきっかけに、どのような変化があったのですか?
そら ずっと、アイドルになりたいという気持ちはすごく強かったけれど、「本当に一人でできるのかな」ということについては、自信のない気持ちでいっぱいだったんです。でも、そらともさんだけの空間を初めて見て、こんなにたくさんの人が私のために時間を空けて、観に来てくれるんだって自信がついたんです。そういう自信がついたからこそ、応援してくれるそらともさんに恥じないようなアイドルになりたいという気持ちになったし、そのためにも、もっと頑張ろうと思えた瞬間でもあって。
──『Dream!』の映像は、1stミニアルバム『My Loving』初回限定版のBlu-rayに収録されていますが、その映像を観返す機会もあるのでしょうか?
そら たまに、お家で観ることはあります。普通のCDと違って、そらともさんの歓声とかも入っているのが楽しいんですよね。「楽しかったなあ」って思い出したり、ちょっと元気のない時に観て、「頑張るぞ!」って気持ちを切り替えたりすることもあります。
──ライブの映像を観ながら、「今だったら、もっとこんな風にできるのに」とか、「次のライブでは、もっとこうしよう」などと思うこともありますか?
そら ライブに慣れてない感がまだまだあるので(笑)。「動きがたどたどしいな」とか、「今だったら、ここで会場をもっとあおるんだろうな」とか思ったりはします。でも、これがこの時の私の全力だったのだと思うと、「もっと、いろいろできることあるじゃん!」って、前向きな気持ちにもなります。

──そうなると、早く2ndライブを開催したいという気持ちも、強かったのでは?
そら もちろんです。ソロライブって、そんなにたくさんできるものではないと思うんですけど。年に1回は絶対にやっていきかったし、やる度にどんどんパフォーマンスが上がっていくようにしたいという気持ちはすごく強かったので、今年中にできて嬉しいです。
──今年は、新型コロナ感染症拡大の影響もあり、ライブやイベントなどの開催が難しかったり、予定が急に変わることも多かったと思います。もどかしい時期も長かったのでは?
そら 私は、昨年までたくさんのイベントに出させていただいてきたので、それが急に「ドン!」ってなくなったのは、すごく不安でした。それに、ソロライブをやるとしても、昨年の『Dream!』のようにライブハウスで開催すると、大変なのは、来てくれるそらともさんなんですよね。私もみんなのことが心配なので……。そういう状況の中、「どんなライブだったらできるのかな?」とか、「ライブ自体ができるのかな?」とか思ったりして。特に、今年の前半は、もやもやした気持ちがずっとありました。こればっかりは、どうしようもないことだったのですが……。
(丸本大輔)
(11月28日更新予定の後編に続く)
開催概要
ときのそら 2nd LIVE「パラレルタイム」2020年11月29日 (日) 18:30開場/19:00開演
【チケット】
5500円 (税込)
【チケット&ライブグッズ受注販売ページ】
https://virtual.spwn.jp/events/201129-tokinosora
【公演公式ハッシュタグ】
#ときのそらセカンドライブ
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丸本大輔
フリーライター&編集者。瀬戸内海の因島出身、現在は東京在住。専門ジャンルは、アニメ、漫画などで、インタビューを中心に活動。「たまゆら」「終末のイゼッタ」「銀河英雄伝説DNT」ではオフィシャルライターを担当した。にじさんじ、ホロライブを中心にVTuber(バーチャルYouTuber)の取材実績も多数。
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