review

「ゲド戦記」は本当に駄作なのか?

金ロー「春の2週連続!スタジオジブリ」2週目は『ゲド戦記』

先週・今週と、日本テレビ『金曜ロードSHOW!』が「春の2週連続!スタジオジブリ」をお届けしている。今夜放送するのは宮崎吾朗監督による『ゲド戦記』。過去に『ゲド戦記』について執筆した、ライター米光一成氏のレビューを改めてお届けする(2014年1月掲載時のまま再掲)。

【関連記事】「崖の上のポニョ」宮崎駿は何をやりたかったのか

「ゲド戦記」は本当に駄作なのか?

今夜の金曜ロードショーは『ゲド戦記』である。宮崎駿の息子である宮崎吾朗が監督だ。2006年の作品。ジブリ作品としては、2004年『ハウルの動く城』の次の作品である。

多くの映画レビューで酷評され、2006年のワースト作品だとも言われた。第63回ヴェネツィア国際映画祭で特別招待作品だが評判は最低位ランク。原作者のアーシュラ・K・ル=グウィンも「原作の精神とはひどくかけはなれている」という声明を発表した。さんざんである。

アニメ『ゲド戦記』は、そんなにも駄作なのだろうか?

クレジットには原案『シュナの旅』もクレジットされている。『シュナの旅』は、宮崎駿が描いた絵物語。たしかに『ゲド戦記』と『シュナの旅』を比べると、とても似ている。ヤックルという動物と王子の乗る馬の姿が似ている。

その馬に乗って、王子が旅をするというプロット。奴隷装甲車のデザインは、ほぼ同じ。それ以外のさまざまなデザインやシーンが原案となっている。だから、初監督作品に、宮崎駿作品レベルを求めるのが酷だとわかっていても、ついつい連想し、比較してしまうのだ。

「ゲド戦記」は本当に駄作なのか?

宮崎駿自身は「あとがき」で、『シュナの旅』は、チベットの民話『犬になった王子』(君島久子・後藤 仁/岩波書店)が元になっていると書いている。だが、鈴木敏夫がインタビューの中で語っているように、『シュナの旅』は『ゲド戦記』の翻案でもあるだろう。だから、“『シュナの旅』をそのままやったらどうか”と、宮崎駿自身が提案していたのだ、と鈴木敏夫は語っている。

ところが、“宮さんという人はすごい人で、そういったことを自分が忘れちゃうんですね。それで、映画を見たときに『シュナの旅』だったから驚いている。なんなんだこの人は、と思って。自分でいったことを忘れてる、あれ”(鈴木敏夫『風に吹かれて』P216)

アニメ『ゲド戦記』は、『ゲド戦記』3巻「さいはての島へ」に、1巻「影との戦い」の要素を加え、さらに宮崎駿『シュナの旅』をミックスして、作られている。ただ、それらのどの作品にもない完全にアニメ『ゲド戦記』だけのオリジナルなシーンがある。それは、タイトルが出る前に描かれる部分。王子アレンが、王様を殺すエピソードだ。
「ゲド戦記」は本当に駄作なのか?

あわせて読みたい

レビューの記事をもっと見る

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

もっと読む

「金曜ロードSHOW」に関する記事

「金曜ロードSHOW」に関する記事をもっと見る

次に読みたい「金曜ロードSHOW」の記事

次に読みたい「金曜ロードSHOW」の記事をもっと見る

トレンドニュースランキング

トレンドランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る

エキサイトレビューとは?

エキレビ!では人気のドラマやテレビアニメ、話題の書籍を人気ライターがレビュー、解説! 人気ドラマのあらすじや、話題の書籍が支持される理由の考察、国民的アニメに隠された謎の解明など話題の作品の裏話を紹介。エキサイトニュースは、最新ニュースをすばやくお届け。

その他のオリジナルニュース

通知(Web Push)について

Web Pushは、エキサイトニュースを開いていない状態でも、事件事故などの速報ニュースや読まれている芸能トピックなど、関心の高い話題をお届けする機能です。 登録方法や通知を解除する方法はこちら。

お買いものリンク