
静凛が初のソロイベントで新衣装3Dモデルも初披露
2018年2月に、8名のバーチャルライバー(VTuber)により活動を開始。現在では100名以上の人気VTuberを擁する「にじさんじ」。その人気VTuberグループ最初のメンバー「元1期生」の一人、「しずりん」こと静凛が初めてのソロイベント『Rin Shizuka Solo Event “Recollection”』を9月11日(土)にZepp Nagoyaで開催。豪華ゲストの顔ぶれ以外、謎だらけの『Rin Shizuka Solo Event “Recollection”』について、しずりんへのロングインタビューを実施。前編では、ソロイベント開催決定までの経緯などを語ってもらった。

ファンの方との距離の近いイベントが理想
――初めてのソロイベントの開催が決まったときの心境を教えてください。静 2019年の1月に同期の樋口楓が『KANA-DERO』というライブを開いたんですけど、その時期に私も「個人のイベントをやりましょう」といったお話はいただいていたんです。それが2年半越しくらいでやっと実現できることになったので、すごく嬉しかったです。ご時勢的な事情もあって、あれやこれやと想像していた内容とは少し変わっているところもあるのですが、とても楽しみにしています。
――では、かなり前から、ソロイベントを開催したいという気持ちはあったのですね。
静 その頃は「できればいいな」くらいの気持ちでした。
――静さんは、活動の初期から歌に対して苦手意識があると仰っていますよね。なので、ファンと会えるイベントは大好きだけれど、大抵のイベントでは歌も披露することになるから、ソロイベントにも「やりたいけど、やりたくない」といった複雑な思いがあるのかなと想像していました。
静 すごい! そんな感じです(笑)。だから、イベントの内容次第で「できればいいな」くらいに思ってました。
――凛fam(静凛のファンの愛称)からも「ソロイベントをやってほしい」という声は寄せられていましたか?
静 歌う歌わないは関係なく、どんな形であれ、私が主役的な形のイベントをやってほしいということは言ってくれていました。
――ソロイベントの開催は今回が初めてですが、出演者の一人という形では、イベントへの出演経験は豊富だと思います。その中でも、特に思い出深いイベントを教えてください。
静 いちばん思い出深いのは、2019年の7月に中国の上海であった『超Vパーティ』というイベントです。同期の樋口楓とお邪魔させていただいて、VirtuaReal所属の「アイネ/Eine」さん、「ルキ/Ruki」さんと一緒に4人で出演させていただきました。
――VirtuaRealは、bilibiliで活動している中国のVTuberグループですね。『超Vパーティ』のどのようなところが印象的だったのですか?
静 かなり長丁場のイベントではあったのですが、ファンの方との距離がけっこう近くて。私の理想は、こういう形のイベントかなと思いました。
――そんなにも素敵なイベントだったのなら、日本の凛famも参加したかったでしょうね。
静 今回のソロイベントでは、すべてを反映することはできなかったのですが、「超Vパーティ」のようなファンの方との距離が近いイベントにできればと思っていました。

――先ほども名前が挙がった樋口楓さんのソロライブ『KANA-DERO』では、静さんはゲストとして出演し、初めてZeppのステージに立っています。あのライブに関しては、どのような思い出になっていますか?
静 『KANA-DERO』は、全編が歌のライブだったじゃないですか。
――さまざまなイベントやライブでの経験を通して、歌に対する意識にも変化はありましたか?
静 歌に対してもっと前向きで真摯な活動をしていれば、おそらく、今ごろはボーカルトレーニングとかに行ってるはず。でも、けっきょくのところ、3年半の間、自分に歌は合わないし……という感じで何もやってこなかったんですよね。今回のソロイベントが正式に決まったのは、半年くらい前だったのですが、その時点で「ボーカルトレーニングとかやっていればよかったな」という後悔はありました(笑)。
このイベントのことだけではなく、今はたくさんの(歌動画の)コラボなどにもお誘いいただいているので、もうちょっと意識を変えていかなきゃとは思っています。
モチベーションは、リアルタイムなファンの声
――ソロイベントは、静さんにとっても、凛famにとっても特別な舞台だと思いますが、日常の配信活動についても少し質問させてください。静さんは、デビュー以来、ほぼ毎日くらいのペースで、とても精力的な配信活動を続けられていますが、そのモチベーションはどこにあるのでしょうか?静 ゲーム実況とかの配信って、以前は、動画投稿というスタイルが主流だったじゃないですか。でも、VTuberという存在が参入した頃から、生配信も盛んになってきたと思うんです。生配信って、リスナーさんとリアルタイムでコミュニケーションできるのが本当にすごいことだと思っていて。自分にとっては、リアルタイムでファンの方の声を聞けるのがいちばんのモチベーションになっています。
もし、動画投稿をするようなスタイルで活動していたら、今のような状況にはなっていなかったはず。ファンの方がコメントを通して一緒に遊んでくれたり、応援してくれたりするからこそ、私は活動を続けることができているのだと思います。
――バーチャルライバーとしての活動を始め、リスナーと一緒にゲームを楽しむようになったことで、好きになったタイトルや初めて挑戦したジャンルなどはありますか?
静 活動を始めてから出会って、好きになったゲームだと、最近ハマっている『実況パワフルプロ野球』も、まさにそうですね。

――スポーツゲームを好きな印象はなかったので、最初は驚きました。連日のように長時間配信をされていますが、やはりきっかけは、昨年、今年と開催されて夏恒例の人気企画になっている『にじさんじ甲子園』ですか?
静 はい。『実況パワフルプロ野球』って歴史の長いタイトルですけど、今まで一度もプレーしたことがなかったんです。ソフト自体は、昨年の『にじさんじ甲子園』のときに購入していたんですけど、昨年は遊ぶ時期を逃してしまって。選手の育成って、基本的には同じことの繰り返しだと思っていたんですけど、『パワプロ』は自分の選択のさじ加減とか、運要素もけっこう多くて。最終的に作りあげられたキャラクターたちにすごく愛着が持てるんです。ここまでハマるとは思っていませんでした。
――さまざまなゲームを配信でプレーしている静さんですが、おそらく、最も長期間にわたって配信を続けていて、回数も多いゲームは『FINAL FANTASY XIV』(『FF14』)だと思います。静さんの思う『FF14』の魅力を教えてください。
静 『FF14』は、MMORPG、(早口で)「マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン・ロール・プレイング・ゲーム」というジャンルのゲームで、大勢の人が一緒に遊べるゲームなので、「気の合う仲間を見つけられる」とか「オンラインならではの交流ができる」みたいな人間関係に関する評価がすごく高い作品なのですが。それも大前提として、いちばんの魅力は、ストーリーがすごく面白いことだと思っています。
――私は『FF14』の知識がほとんどないので、オンラインで交流しながらモンスターと戦うことがメインで、ストーリー性は薄いゲームだと誤解していました。
静 ストーリーが面白いという魅力を踏まえた上で、私にとって『FF14』は、たくさんの仲間がいつもいる実家みたいな感じです。配信のとき、「どこどこの攻略をやるから、まだやったことのない人で行きましょう」みたいな感じで、リスナーさんの中から仲間を募集して遊んだりもしています。
このポジションは愛弟子しかいない!
――再びソロイベントに関する質問に戻りますが、開催が決まったとき、静さんの方から運営さんに「これはぜひやりたいです!」と強く希望したことなどはありますか。静 最初は、さっきお話しした上海のイベントの内容をイメージしていたので、会場に来てくださったお客様と一緒にミニゲームをしたり、ステージにご招待したりしたいなと思っていたんです。ただ、ご時勢もあり、今回は見送る形になってしまいました……。
――前売りで完売した数量限定プレミアムチケットの購入者は、終演後に静さんとの個別トーク&チェキ会に参加できます。これも以前からやりたかった企画ですか?
静 上海のイベントでも最後に個別トークがあったし、ニコニコの町会議などでも1対1でお話しする機会があったんです。これはマストでやりたかったことなので、ソロイベントをやろうというお話になった頃から、ずっとお願いしていました。この企画も当初、考えていたものとは少しだけ違う形式にはなったのですが、実現できることになってよかったです。
――今回のイベントには、ゲストが3名、ライブパートゲストが10名と非常に多くのVTuberが出演します。しかも、ライブパートゲストの半数は、「にじさんじ」のメンバーではありません。企業所属のVTuberのソロイベントとしては、非常に珍しいスタイルだと思うのですが、所属にとらわれないゲストの人選も、静さんのアイデアですか?
静 最初から「にじさんじ」という枠組みにはとらわれたくないなと思っていたし、(外部ゲストに関しては)少しだけ恩返しみたいな気持ちもあるかもしれません。
それに、そういう皆さんであれば、一緒にイベントを盛り上げてくださると思って、所属などは関係なくお声がけさせていただきました。
――では、共演者の皆さんとの関係性や、なぜ出演をオファーしたのかといった理由を順番に教えてください。元2期生の森中花咲さんは、デビュー当初から静さんのことを「ししょー」と慕っている後輩で、「師弟」での共演になりますね。
静 ちょっとネタバレになっちゃうんですけど、イベントの構成を考えたときに、「このポジションは愛弟子しかいない!」と思ったんです。私のことを好いてくれて、普段から仲良くしてくれていることはもちろんなんですけど、ぜひ森中花咲さんには、お願いしたいと思いました。
――叶さん、渋谷ハジメさんは、活動の初期に深夜の長時間コラボ配信を行っていたユニット「深夜三傑RKS」の仲間ですね。

静 これも今の時点では、はっきり話せないのですが、最初は3人揃っては出られないと言われていたので、少し違う構成だったんです。でも、いろいろな状況が変わる中、運営さんから「3人で出られるかもしれません」と言われたので、「間に合うんですか? だったら、3人でやりたいです!」とお願いして「RKS」になりました。
――「全編3D」のイベントと告知されているので、にじさんじのファンであれば「何が間に合った」のかは察してもらえると思います(笑)。ちなみに、以前、叶さんが配信で「デビュー当時の『にじさんじ』には、深夜に長時間のゲーム配信をするメンバーは少なかったので、静さんや渋谷さんがいて一緒に遊べて嬉しかった」といったニュアンスのことを話されていました。
静 たぶん、叶さんがデビューした頃(2018年5月)って、(元1期生の)私や渋谷さんがデビューしてから、まだ3か月目くらいでしたよね。にじさんじの人数もそんなに多くなくて、たしかに、夜中ずっと配信している人も、私たちの他にはいなかったと思います。だから、私も二人には勝手に親近感を覚えていました(笑)。
(丸本大輔)
※インタビュー後編はこちら
イベント概要
『Rin Shizuka Solo Event "Recollection"』2021年9月11日(土)Zepp Nagoya
・時間:16:00開場 / 17:00開演
・ゲスト:森中花咲、叶&渋谷ハジメ
・ライブパートゲスト(にじさんじ):月ノ美兎、樋口楓、ドーラ、ジョー・力一、加賀美ハヤト
・ライブパートゲスト:島村シャルロット、遠野莉緒奈、ねき、花鋏キョウ、冬乃サヤ
・チケット料金:通常チケット¥9,600(1F、2F着席 / ドリンク代込)
特設ページ:https://event.nijisanji.app/shizuka_recollection/
公式Twitter:https://twitter.com/nijisanji_app
配信情報
ニコニコ生放送『Rin Shizuka Solo Event "Recollection"』
オンラインチケット購入ページ:https://dwango-ticket.jp/products/rin-shizuka_recollection
番組視聴ページ:https://live.nicovideo.jp/watch/lv333388409
・チケット料金:¥5,500(税込)
※「Go To イベント」適用により¥4,400(税込)で販売
・チケット販売期間:9月24日(金)23:59まで販売中
・タイムシフト視聴期限:生放送終了直後〜2021年9月25日(土)23:59
※期間中、何度でも視聴可能。視聴期限を過ぎるとタイムシフト再生中でも視聴できなくなります
◎冒頭無料配信
イベント冒頭を YouTubeにじさんじ公式チャンネル、TikTokにじさんじ公式アカウント にて同時配信予定
丸本大輔
フリーライター&編集者。瀬戸内海の因島出身、現在は東京在住。専門ジャンルは、アニメ、漫画などで、インタビューを中心に活動。「たまゆら」「終末のイゼッタ」「銀河英雄伝説DNT」ではオフィシャルライターを担当した。にじさんじ、ホロライブを中心にVTuber(バーチャルYouTuber)の取材実績も多数。
@maru_working