憲法改正岸田文雄総理は憲法記念日の3日、憲法改正を目指す団体の集会にビデオメッセージを寄せ「政治改革の議題とあわせて、憲法改正という重要な課題について党派を超えて連携しながら真摯に議論を行う姿を国民の皆様にお見せしていきたいと考えている」などと語り「憲法改正は先送りできない重要な課題で、国民に選択肢を示すことは政治の責任だ」などと改憲に意欲を示した。


 しかし、共同通信社など世論調査では回答者の65%が「急ぐ必要はない」と回答。

改憲の進め方についても「慎重な政党も含めた幅広い合意形成を優先すべき」が72%と圧倒的で、自民総裁の今任期中に改憲などと語る岸田総理には疑問を呈する声が大きい。


 また国民間で改憲機運が高まっているとの回答は「どちらかと言えば」を含めても31%にとどまり、高まっていないが「どちらかと言えば」を含め67%に上っている。


 立憲民主党泉健太代表は「為政者の立場にあるはずの岸田総理大臣が現行憲法の遵守義務があるにも関わらず『自らの党総裁任期中に改憲を目指す』と国会で主張しているが、これは異常な事態。憲法改正の発議ができるのは、唯一立法府である『国会』だ。岸田総理のこうした姿勢は立憲主義とは程遠いもの。そもそも国民生活が厳しい中にも関わらず、裏金を長年手にし、法律すら守れなかった自民党の議員に憲法改正を任せることはできません」と断じる談話を発表している。


 有力地方紙のひとつ、西日本新聞は3日の社説で憲法学者の小林節慶応大名誉教授が共著で「(憲法について)『国民が権力に対して、その力を縛るものが憲法です。憲法を守る義務は権力の側に課され、国民は権力者に憲法を守らせる側なのです』と明言している。これが通説である」と紹介。


 そのうえで、自民党が党HPで「憲法改正ってなぁに?」の4こま漫画の中で「教えて!もやウイン(第2話 憲法とは)」で「リーダーも国民もみんなが憲法に従う義務があるんだ」と説明している」ことに対し「到底容認できない」と憲法99条規定を紹介して、誤った解釈をしないよう警鐘を鳴らした。


 憲法99条は「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と憲法遵守・憲法擁護義務をだれが負うのかを明記(規定)している。安倍政権以来、憲法解釈が為政者にとって都合のいいように歪められてきたといえよう。

(編集担当:森高龍二)