今回のニュースのポイント
「匿名・流動型犯罪グループ」の台頭:ピラミッド型の暴力団とは対照的に、収益を吸い上げる中核部分は匿名化され、SNS等でその都度募集した実行役を「使い捨て」にする新しい犯罪形態が治安上の脅威となっています。
若年層が検挙人員の約6割:検挙人員の年齢層では20歳代前半が23.4%で最多となっており、10代や20代後半を含めた20代までの若年層で全体の約6割を占めているのが実態です。
約3割がSNS等の募集から加担:令和7年中に検挙された関連被疑者の約3割が、SNSや求人サイトの募集情報をきっかけに応募・加担していたことが明らかになっています。
多様化する資金獲得活動:特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺に加え、組織的窃盗、悪質ホストクラブ事犯、オンライン賭博、フィッシング、悪質リフォームなど、活動範囲は極めて多岐にわたります。
SNSで募集される「闇バイト」をきっかけとした犯罪が急速に広がっています。その背景には、これまでの暴力団によるピラミッド型組織とは全く異なる、新しい犯罪の形があります。
新たに台頭している「匿名・流動型犯罪グループ」は、犯罪の実行者がSNS等でその都度募集されるなどして流動化しており、組織の全体像把握やメンバーの特定が容易ではないという特徴を持っています。暴力団が階層的な統制の下で活動するのに対し、このグループはSNSを通じて緩やかに結び付いたメンバー同士が役割を細分化しているのが実態です。応募者を末端の実行犯として言わば「使い捨て」にしながら、メンバーを次々と入れ替えて多様な資金獲得活動を継続する、極めて捉えにくい変幻自在な組織体へと変貌を遂げています。
こうしたグループの中核人物は、SNS上の募集情報から「使い捨て」となる実行犯を巧妙にリクルートします。実行役側は、顔が見えないやり取りや役割の細分化により、自分が重大な犯罪に加担しているという実感が薄れやすく、若年層が取り込まれる大きな要因となっています。警察庁のまとめでは、令和7年中に検挙された関連被疑者の約3割が、SNSや求人サイトの募集情報をきっかけに応募・加担していたとされています。
また、資金源や犯行インフラも巧妙化しています。グループは特殊詐欺やSNS型投資詐欺、組織的窃盗、オンライン賭博、フィッシングなど多種多様な犯罪に関与しています。
これに対し、警察側も対策を高度化させています。警察庁は令和7年10月、「匿名・流動型犯罪グループ情報分析室」を新設し、全国の情報を一元的に集約・分析する体制を整えました。同時に、警視庁には全国の捜査員で構成する専従チーム「匿流ターゲット取締りチーム(T3)」が置かれ、中核的人物を狙い撃ちにした取締りが進められています。令和7年中には、捜査員が身分を秘して応募する「仮装身分捜査(雇われたふり作戦)」が13件実施され、強盗予備や詐欺未遂など計5名の検挙と、7件の被害抑止につながりました。
犯罪の形は絶えず変化し続けています。SNSを基盤とした新たな手口に対応するため、警察は組織の総力を挙げて戦略的な実態解明と取締りを強力に推進しています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)





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