(前後編の前編)
【写真8点】透明感あふれる奥仲麻琴の撮り下ろしカット
──主演ドラマ『ももいろ あんずいろ さくらいろ』が絶好調で、第1話はTverランキングの1位になりました。
奥仲 最初は10何位だったのが、気づいたら3位、2位、1位と上がっていってビックリしました。私自身もTVerをよく観ているんですけど、『ももあん』の30分という放送時間とパンチのあるサムネイルに、「視聴者だったらクリックしちゃうかも」と思ってます(笑)。
──冷静に分析してますね。
奥仲 それに、今は人と会いにくい時代だから触れ合うことを躊躇してしまうけど、『ももあん』は密着するドラマだからいいのかなって(笑)。
──奥仲さん演じる杏は、ドラマの中で男性2人に挟まれた状態でロッカーに入っていましたからね(笑)。
奥仲 密着しました(笑)。
──新型コロナウイルスの濃厚接触者になった筧美和子さんに代わって、『ももあん』に出演すると聞いたときはどう思いました?
奥仲 ドラマの情報は12月には発表されていて、「筧さんが主演なんだ」と思っていたら、その1カ月後にマネージャーさんから主演のお話をいただいて。まず感じたのは、そんな重要なポジションを私がやっていいのかという不安でした。
──出演すること自体に迷いはなかったですか?
奥仲 「描写が気になる」ということはなくて、「私に務まるのだろうか」という気持ちが大きかったんですけど、プロデューサーの方としっかり話をさせていただいて、不安の少ない状態で収録に臨むことができました。
──胸を張って演じないと筧さんにも申し訳ないですからね。
奥仲 一番悔しいのは筧さんなはずだし、中途半端な気持ちでやっちゃいけないなと思って、「やるしかない」と気持ちを切り替えました。
──クランクインしてすぐに嘔吐するシーンだったそうですが。
奥仲 そうなんですよ(笑)。撮影が始まって3日くらいは「私の精神、どこにいったんだろう」と思うくらい緊張していて。第1回のオンエアを観たときは、そんな緊張が画面から伝わって絶望的な気持ちになりました。でも、上司役を務めた小田井さん(純烈)が気さくに話しかけてくださったり、共演している方やスタッフの方のおかげでリラックスできるようになって、気がつけば次の撮影日が楽しみになってきたんです。
──杏のキャラクターと自分自身が似ているなと思うことはありましたか?
奥仲 けっこう似ているなと思います。普段から他の誰かを優先したり、自分の気持ちを抑えることが多いので。だから、演じやすさはありました。
──奥仲さんの困り顔がキャラに合ってると思います。
奥仲 私、すぐ困っちゃうんですよ。眉間にシワが出ちゃう(笑)。
──いま困らなくても(笑)。杏をどう演じようと考えましたか?
奥仲 『ももあん』は現実では経験しないようなことが起きるじゃないですか。だからこそ観ていて楽しいと思うんです。そんな非現実的なことを、いかに現実で起きたように見せることができるか考えながら演じました。酒見監督の演出もすごく楽しいんです。オンエアを観て「こうなっていたんだ!」と驚くこともありますから。
──今作の監督を務めた酒見監督からどんな言葉をかけられましたか?
奥仲 初めてお会いした時に「ノリでやって!」と言ってくださって(笑)。その言葉に救われました。クランクインする直前には『もも』『あんず』『さくら』の花言葉を教えてくださって、タイトルから6話の中で杏が成長していく過程が描かれているんだと理解できたんです。
──杏と接近する哲也(岐洲 匠)はだいぶ強引ですが、奥仲さんはそんな男性をどう思いますか?
奥仲 哲也がリアルにいたら警察にお世話になるレベルなんですけど(笑)、ある意味、すごい素直だなと思います。オンエアを観ていると「かわいいな」と感じる部分もたくさんあって、女子がキュンとするキャラクターでもあるんです。『ももあん』でエゴサすると、あのイケボに魅了されている視聴者の方が多いみたいですね。
──杏は流されやすいタイプですが……。
奥仲 私自身も流されやすい生き物です(笑)。もし『ももあん』の世界に入り込んだら、気づいたら同じようになっているかもしれません。
──そのあたりも最終回では成長している可能性があるんですか?
奥仲 そうですね。1話から杏の中で変化があって。本来なら友達の有香(鈴木ゆうか)を優先するのに、自分を優先したじゃないですか。そこから杏の成長は始まっているんです。
──奥仲さん自身は、友情と恋愛のどちらをとりますか?
奥仲 友情を選びます。女性同士で起きる男性関係のいざこざって修復できないと思うんです。平和に生きたいので、もし同じ相手を好きになっても隠します。
──ただ、『ももあん』だと有香が攻撃的というか。
奥仲 そんな有香のキャラクターも愛おしいんです。
──奥仲さんは優柔不断な杏にイラっとしませんでした?
奥仲 自分と杏が似ているので、イラっとすることはなかったです。ただ、私自身も友達から「ハッキリせいや!」と思われていたのかなって(笑)。
──ドラマを離れたところでは鈴木ゆうかさんや高田里穂さんと仲良くやっていますか?
奥仲 ゆうかちゃんとお仕事するのは2回目なんですけど、マネージャーさんから「ゆるゆるしてかわいらしい子だよ」と聞いていて。私もゆるーく生きているので、まわりからは「ゆるキャラ同士で会話は成立してるの?」と聞かれるくらいなんですけど、休憩中に好きなK-POPアーティストの話をしたり、一緒にいて楽しいんです。里穂ちゃんは私と同じく『仮面ライダー』シリーズに出演していたので、その時のスタッフの方の話で盛り上がりました。
──セクシーなベッドシーンも話題になってます。
奥仲 抵抗はなかったですし、むしろ「どうやったらキレイに見えるんだろう」といろんな作品を観て勉強しました。ただ、他の作品に近づけるんじゃなくて、『ももあん』らしさを見せたほうがいいと気づいて、そんなことを考えながら演じました。
【後編はこちら】『ももあん』で話題の女優・奥仲麻琴が振り返るアイドル時代「いまだってPASSPO☆に感謝している」
▽奥仲麻琴
中学3年生のときに現在の所属事務所にスカウトされ、、2009年から女性アイドルグループPASSPO☆のメンバーとして活動。
▽ドラマ『ももいろ あんずいろ さくらいろ』
放送 / 配信情報
ABCテレビ(関西)2021年2月21日(日)より毎週日曜 23:55~
テレビ神奈川 2021年3月2日(火)より毎週火曜23:00~
※ABCテレビでの放送後、TELASAにて独占配信!(TVer/GYAO!での見逃し配信を除く)
番組公式ホームページ https://www.asahi.co.jp/momoan/