コロナ禍の影響もあり、ここ1年で多くの著名人が自身のチャンネルを立ち上げ、YouTubeに参入してきた。再生回数、登録者数だけを見てみると、成功しているチャンネルもあれば、テレビの知名度ほどには数字が伸びていないチャンネルもある。
そんな中、尖った企画を連発し、再生回数を伸ばしているチャンネルがある。さらば青春の光の公式YouTubeチャンネルだ。

多くの著名人が郷に入っては郷に従えと、まずはYouTubeの定番、ルーティーン動画や地雷メイク動画にチャレンジする中、彼らは、「金塗り企画」(相方のバイクを金色に塗る)や「GPS企画」(相方のカバンにGPSを仕掛けて追跡する)などの企画で視聴者を獲得してきた。現在、チャンネル登録者数は35万3千人。公開する動画が100万再生を超えることも珍しくなくなった。

「テレビ」と「芸人」と「YouTube」、三者の関係性が大きく変わろうとしている今、自身のYouTubeチャンネルに企画出しから参加する、さらば青春の光・森田哲矢に話を聞いた。(前後編の前編)

【写真】300万再生突破、ドッキリで相方に金塗りにされた東ブクロのバイク

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――公式YouTubeチャンネルの立ち上げは2018年10月。そもそも始めたきっかけから教えていただけますか?

森田 個人事務所なので、もともとは、事務所の家賃が払えるぐらいのお金になればいいなと思って始めて、最初はコントの動画だけ上げていたんです。その流れで単独ライブツアーの幕間で使ったVTR(※『相方のバイクを勝手に金ピカに塗ってみた』)を上げたら反響が良くて、こういう企画もやっていくかと撮りおろしの動画も撮り始めたんです。そしたら評判も良いし、楽しいので、週1ぐらいのペースで上げるようになりました。

――バイク金ピカの動画は現時点(※2021年3月)で316万再生回数を超えています。

森田 ほんまは続きがあって、もう一回金に塗っているんですよ。
というのも、金にして1週間ぐらいでブクロがバイクを黒に塗り直したんです。その噂を聞いて、これはあかんなと。まだツアーが残っていたんですけど、ツアーのエンディングでこの話をするじゃないですか。黒に塗り直していたら嘘になるなと思って、千秋楽の朝にブクロの家に行って、ブクロが家を出たのを見計らって金に塗り直して、それを軽トラでライブ会場まで運んで、エンディングで出したんです。そこまでがセットだったんですよ。

――かなり手間のかかったドッキリだったんですね。お二人の動画は、いかにもYouTubeらしい定番企画や編集ではなく、テレビのバラエティに近い印象ですが、何か意識はしていますか。

森田 編集はテレビのディレクターをしている方にお願いしていますけど、完全にお任せなので、そこまで意識はしていないです。YouTubeの定番企画に関しては、自分らがやってオモロくなればいいんですけどね。たとえば、かまいたちさんは地がオモロいから、何をやってもオモロくなるんです。でも自分らは、そういうタイプじゃないから、変わった企画に力を入れたほうが、活きるんじゃないかなと思っています。

――森田さん以外に企画を考えている方はいるんですか?

森田 僕、作家、ディレクター、マネージャーの4人です。
基本はYouTubeを撮る数日前に僕と作家で、ブクロを使って何かオモロそうなことはないか考えて、それを4人で詰めていきます。

――東ブクロさんをターゲットにしたドッキリ企画が多いのは、バイク金ピカの動画がバズったのも大きいんですか?

森田 そうですね。ブクロは本気で怒るんですけど、本気で怒る人間ってオモロいじゃないですか(笑)。

――かなり本気で怒っているように見えますが、撮影後ケンカにはなったりは?

森田 遺恨にはならないです。エンタメで止まってますね。あいつが2メートルぐらいある大男だったらエンタメにならないですけど、160センチそこそこの奴が怒っても、滑稽やと思うんですよね。

――コンビを組んで13年。まだ相方を面白がれるのはすごいことですよね。

森田 ブクロは未知の生物なんです。ミステリアスの塊ですから、まだまだ掘れば潜在能力はありますよ。

――テレビのバラエティでは、あまり東ブクロさんはドッキリの対象にならないですが、それをYouTubeでやっている面もありますか?

森田 それはありますね。テレビでは僕が取り上げられることが多いですけど、実はブクロを掘ったほうがオモロいのにという気持ちはあります。
僕を掘ってもたかが知れてますから。

――オープニングトークが長いのはどうしてなんですか?

森田 それはたまたまです。よくコメント欄でも「長過ぎる」と書かれるんですけど、そこを長くしようとかいう気持ちは全くないんですよね。スーッと行ければ、それが一番なんですけど、アイドリングというか、企画を説明するにあたって、助走が必要になるんですよね。話が盛り上がれば、そこで切る必要もないかなと。考えてみれば、テレビだとカットされる部分ですからね。YouTubeは尺なんて関係ないから、そこを流しているかもしれません。

【後編】さらば青春の光・森田哲矢に聞く“邪道YouTube論”「僕らはHIKAKINにはなれないですから」はこちらから

▽さらば青春の光Official Youtube Channel
「相方のバイクを勝手に金ピカに塗ってみた」「負けたら即引退】ゴルフ vs 手投げゴルフ!」「薬物疑惑芸能人を週刊誌に実名リーク!!」など様々な企画はもちろん、さらば青春の光のコント動画も数多くアップ。しずる池田とフルーツポンチ村上によるラジオ「アーバンブルーラジオ」も毎週水曜日に公開中。
https://www.youtube.com/channel/UCNvcNd31bA-XERO6LGy4blw

▽森田哲矢によるDIYサブチャンネル「五反田ガレージ」
https://www.youtube.com/channel/UC7Kfm5kIKZ8Vu_7_0DfW0Vw
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