2017年6月の℃-ute解散とともに芸能界引退し、現在は「株式会社WithMii」の代表取締役を務めている萩原舞。今年8月には結婚も発表するなど公私ともに順調に歩んでいるように見えるが、ここまでの3年にはさまざまな苦難と決断があったという。
全3回にわけ、彼女の足跡をたどる。(全3回の2回目)

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【写真】挑戦し続ける凛とした姿、萩原舞の撮りおろしカット【10点】

──萩原さんの近況としては、8月に結婚を発表されましたよね。10月からは旦那さんと一緒に仲よくYouTubeをやられていますが(「MY DISH ~Every day is a special day.~」)、お2人はどこで出会ったんですか?

萩原 飲食店です。専門学校を出てから調理師として彼が働いていたお店に、私が友達と一緒にお客として入って、そこで話が盛り上がったのが出会いでした。それで「じゃあ今度一緒に飲みにでもいきましょうか」ということになって(笑)。

──え!? そんなことあるんですか!

萩原 信じられないですよね。私の友達もみんな「ごはんを食べに行った先で出会いなんてあるんだ!」ってビックリしていました(笑)。そのお店はたまたま友達が以前から知っていて、「2軒目はそこにしようか」って軽い感じで入っただけだったので、出会いを求めていたわけでもなかったんですよね。

──「ひょっとして萩原舞さんですか?」みたいに話しかけられたんですか?

萩原 いや、私のことなんて知らなかったです。最初にお店で出会ったあと、みんなで食事したときに意気投合して、その次は2人でランチをしてたんですよ。そこで過去に何をしていたかという話になり、最初のうちはアイドルをやっていたことは隠していたんです。だけど高校はどこに行っていたのか聞かれたから、「通信だよ」ってポロッと口にしたら微妙な空気になりまして……(笑)。
それで慌てて「なんだかあの頃は普通科で勉強するのが面倒くさかったんだよね~」とか誤魔化したんですけど、もう向こうは明らかに不信感を募らせている表情で(笑)。

──何かを隠しているなと感じ取ったんでしょうね(笑)。

萩原 それで次に「じゃあ大学は?」って尋ねられたんです。私としては「通信」発言で不穏な空気になった時点でパニクっちゃって、大学についてはどう誤魔化せばいいのかまで頭が回らない(笑)。「終わった……」と思いましたね。もう嘘はつけないと観念して、「実は℃-uteってグループにいて」と話し始めました。そうしたら、℃-uteというグループ名はかろうじて聞いたことがある、くらいの感じで「どういうところでやっていたの?」と聞かれたので「一応、最後はさいたまスーパーアリーナだったよ」と。でもそれに対しても「ヤバいじゃん」くらいのもので、過剰に反応することもなかったんですよね。

──出会いが偶然だったのは非常によくわかりました。でも、結婚に至るまでの決め手は何だったんですか?

萩原 基本的なところで、ものすごく波長が合ったんです。初めて2人で会った日も「しゃべりすぎたかな?」って思うくらい安心して話せたんですよね。そもそも私、自分の恋愛観として、「結婚までたどり着ける人じゃないと恋愛するのが面倒くさい」というのがあったんです。
そうしたら、彼もまったく考え方が同じだって言うんです。ほかにも本当にいろんなところで波長が合いすぎて、「付き合おうかな? どうしようかな?」とか悩む必要もなかったです。「これはもう一緒になるのが必然だろうな」って感じで。

──なんだか漫画や歌詞みたいな世界の話ですね。

萩原 ですよね(笑)。ただ私が「この人しかいない!」と確信していても、果たしてその判断が本当に正しいかどうかはわからないじゃないですか。だからわりとすぐのタイミングで信頼しているお姉ちゃんに会ってもらって、「どうかな?」って意見を聞きました。そしたら「めっちゃいいじゃん!」と言ってくれたのも最終的な後押しだったかもしれません。

──夫婦でYouTubeを始めたのは、どういった理由からですか?

萩原 まず言っておきたいのは、これは「With Mii」の事業とは関係ないということ。極めてプライベートな感覚でやっていることなんです。それに「私たち夫婦のラブラブぶりを見てくださ~い!」という感じでもないんですよね。じゃあなぜかというと、彼が飲食業界を離れてITの世界に転職したことが大きくて。
普段から美味しいお料理を家で作ってくれるし、私の両親に最初に会ったときも素敵なフレンチをしてくれたし……私としてはその腕をなんらかのかたちで活かしてほしいなという気持ちがあったんです。

──今は料理系YouTuber花盛りの時代ですしね。

萩原 私くらいの料理初心者からすると、単純に彼の作るフレンチのアイディアが面白いし、盛り付けにしろ具材の選び方にしろ勉強になることもすごく多いんですよ。だからまずは、収益化を目指すとかではなくて、彼の持っている技術を活かしながら役に立つ内容にできたらというのが基本的な考え。チャンネル登録者数とかはまだまだ全然なんですけど、すでに料理を実際に真似して写真で送ってくれる方とかもいて、そういうのを見ると本当にうれしくなってきます。私たちのYouTubeが少しでも日々の暮らしの中で役に立てば素敵だなと思うし、そこを目指していきたいですね。

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(取材・文/小野田衛)
▽萩原舞(はぎわら・まい)
1996年2月7日生まれ、埼玉県出身。2002年にハロー!プロジェクト・キッズオーディションに合格、2005年から2017年まで“アイドルが憧れるアイドル”℃-uteのメンバーとして活躍した。グループ解散後は留学を経て「株式会社WithMii」の代表取締役に就任し、アパレルデザインなど多岐にわたる事業を手掛けている。
Twitter:@mai_withmii
Instagram:mai_hagiwara_22462
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