12月19日発売になった『OVERTURE No.005』では、声優・上坂すみれ特集が組まれているが、ここではその中に入りきらなかったインタビューを加えた完全版を掲載! その独特のファッション感や、アイドルへの想い、そして2016年1月6日にリリースされるニューアルバムまで、様々な思いを“すみぺ”が語ります! ——今日のスタイリングってあまり上坂さんのイメージではないですよね。 上坂 昔からロリータ系のファッションなのですが、声優のお仕事を始めるようになって、ロリータ服は収録の際にノイズが入るので向いてないとわかって。
それをきっかけに普通の服も着るようにはなりましたけど、でもスカートが多いですね。 ——パンツやデニムなんかは? 上坂 持っていないですね。なんか……ちゃんと理由がないと履かないですね。 ——それは小さい頃からずっと? 上坂 そうですね。家庭が「女の子らしくしなさい」という風潮だったので。私もそれに反発することはなく。あと、見てくれは女の子の方が、得な気がするので(笑)。 ——得しました(笑)? 上坂 どうだろう。男か女かわからないっていう感じにはなりませんでした。あと、女の子らしくとは思っていたので、可愛い服を着たら可愛く見えるんじゃないかっていうことで可愛い服を選びますね。 ——小学校高学年とか、中学生から女子はファッション誌を見始めるじゃないですか。ジャンルもギャル系とか青文字系とか、いろいろと手を出すというか。
上坂 中学生くらいまでは頑張っていろいろと雑誌を買っていたんですけど、あまりにも流行が変わるので、追いつけなくて。近所にも服屋さんがなかったので。小学校卒業するくらいまでは、ミキハウス的な服を着ていたような気がします。ロリータファッションを知ってからは『KERA』を毎月買っていました。今でも『KERA』とか『ゴシック&ロリータバイブル』を中心に読んでいます。 ——ロリータ服は高そうですよね。 上坂 中学生くらいにロリータを始めたんですけど、ロリータは学生が買うには高いんです。なので、ロリータの古着屋さんで調達していましたね。 ——ロリータ服の古着屋さん! 上坂 あるんですよ。地元の横浜にもありまして、横浜には正規の新品も扱うビブレと古着屋さんがあって、まずはビブレに行って「いいなぁほしいなぁ」って思って、その帰りに古着屋さんに行って安いものを買って我慢するんです。 ——今もいろいろと買い物へは行くんですね? 上坂 はい。いろいろと行きます。
——街で言うと? 上坂 原宿が多いですね。あとは新宿三丁目です。 ——新宿三丁目? 上坂 丸井アネックスはロリータファッションが集結した聖地なんです。昔からほしいものは丸井アネックスに行けば必ずあるっていう認識があります。あと、渋谷は昔から恐れていたんですが、事務所が渋谷の近くにあるので、今は渋谷が便利です。今まで行っていなかったパルコとかに足を踏み入れてみたり。普通の服もロリータと同じくらい値は張るんですけど、物持ちが良くて、着ているとだんだんと体に馴染む服もあって。そんな感じで面白い服を探しています。 ——そんなに渋谷が苦手ですか(笑)? 上坂 弱小種族は恐れる場所なんです。ただ、よく考えると単館映画館も名画座もあるしタワレコもあるし、結構文化の街なんですよね。 ——いろんな人がいて面白いですよ。 上坂 そうですね。
オラついている人が悪人だとは限らないんだなって思いました。 ——ちなみにロリータの方々はずっとロリータなんですか? 上坂 卒業する方もいますし、ロリータ関係の職業に就く方もいます。でも、たいていの方は一定の年齢を過ぎると着なくなることが多いと思います。私も最初は仕事に支障が出ないようにロリータ服を着なくなったんですけど、意外と普通の服も着心地がいいんだなって気付きました。洗濯も楽だし、アイロンもいらない、「こんな服があったなんて!」と。逆にロリータ服を着るのは気合いを入れたいときとか、場面を絞るようになりました。 ——ロリータ服は手入れが大変そうですよね。ご自分で手入れするんですか? 上坂 できるっちゃできます。良いネットに入れて、エマール入れて(笑)。ゴソゴソしたものと洗わない、とか。それでもやっぱり素材が綿とかだとシワシワになっちゃったり。アイロンも熱が高いと縮んだり。
結構大変です。 ——お母さんはなんて言います? 上坂 ずっとミキハウスを着ていた娘が突出しはじめたんじゃないかと思って、「それで外に出るのは止めなさい!」みたいなのはありましたね。 ——そこで喧嘩にはならないんですか? 上坂 私はどうしてもお母さんに勝てないので……お家で着て楽しむっていう……そういう時期もありました。 ——お仕事でいろいろな服を着ると思うんですが、着てみて「意外とコレ似合うかも」というのはありますか? 上坂 う~ん、ロリータの精神って「変身」みたいなものなので、ステージ衣装とかライブの服とか、ちょっと意味合いのある服、というのは着てテンションが上がりますね。ただ、今でも渋谷などへ行ってもなにを買っていいかわからなくて。今年は幅広パンツみたいなのを置いているお店が多くて、「なんでみんなこんなにとび職みたいなんだ!」って思って、ちょっとパンツを見送っていたんです。 ——今日はワイドパンツが似合っていましたよ。 上坂 いや~どうしていいかわからなくて……。(テーブルに置いてある自身のロリータ姿の資料を見ながら)目の前にいるアー写の私は安定してる顔をしている(笑)。ロリータだったらこんなに安定した顔をするのになって思います。でも、今日は新しい経験になったと思います。上智大学受験、在学中の思い出とは? またアイドルへの熱い想いを語る ——上智大学外国語学部ロシア語学科を主席で卒業されたとか。
上坂 3年生の時に優秀賞をもらったんですが、それは学年に3人くらいいたので、主席とかではないと思います。単位の率が良かった人、くらいです。 ——ロシア語学科というは昔から志していたんですか? 上坂 そうですね。ロシア語ができないなら大学行かないって言っていたくらい。 ——いつからロシアを? 上坂 高校生の時に唐突に好きになって。YouTubeができてすぐくらいのあまり動画がないときに、「世界の国歌シリーズ」みたいな動画をずっと見ていて、それでソ連に辿り着いたんです。その当時は、ソ連のことを全然知らなくて、ロシアもモスクワも別の国だと思っていたくらい知らなくて。なのに、その国歌を聴いたら急に興味を持って。急いでインターネットで調べました。それが高校1年生くらいですね。それで高校3年生序盤の進学を考えろと言われる頃にはかなりロシア好きになっていて。上智大学のロシア語学科を薦められたのが、高校3年の夏ですかね。
——高校3年の夏? わりと近々ですね(笑)。 上坂 そうなんです。普通は高校2年くらいで受験準備しろって言われるんですけど。それまではオープンキャンパスとかには行っていたんですけど、まるで大学に行く気が起きなかったんです。でも、4年間ロシア語を勉強して過ごせるんだったらっていいんじゃないかと。しかもその学科だけ倍率が意外と高くなく、チャンスなんじゃないかって(笑)。 ——あと、お聞きしたかったのは音楽について。好きなアーティストは、ザ・スターリン、YMO、ブラック・サバス、ジューダス・プリースト……趣味の合う友人っていたんですか(笑)? 上坂 常にひとりですね。中野ブロードウェイとかディスクユニオンとかに行ったりして。大学が御茶ノ水を通過するので、御茶ノ水ディスクユニオンに毎日寄っていました。 ——ひとりで? 上坂 そこは気にしてなかったです。話せる人がいないんだったら、無理に話さなくて良いやって。いるに越したことはないですけど、そんな奇特な友人はいなかったので。 ——サバスを語り合う(笑)。 上坂 そんなロック小僧な女の子はいなくて。 ——男だったらわりと趣味は合うかも知れないですけどね。 上坂 ちょうどツイッターを始めた頃だったんで、そういった話をしてみると、インターネット上の人々は「知ってるよ!」って言うんですけど、実在する大学の人でブラック・サバスを聴いているっていう人はいなかったですね。 ——「スターリン、俺も好きだよ!」って。 上坂 いなかったですね~。なぜですかね……ロシア語学科の人々は他の学部と交流がないのも原因かもしれません。いつも辞典を持ち歩き、黒っぽいファッション、という感じなので、ロシア語学科の人々は。他の学科のような華やかな飲み会とかもないし。 ——華やかなキャンパスライフはなかったんですか? 上坂 単位を取るのに忙しすぎたんです。ロシア語学科の人々はあまり飲み会を開いていなかったと思うし、私も行った記憶があまりありません。同じ趣味趣向の方はいたのかもしれませんが、積極的に現実世界で探さなかったので。 ——アイドルもお好きとか? 上坂 Juice=Juiceさんが好きです。ただ、私アイドルの見方が最近やっと正しくなってきたような気がします。昔はテクノ歌謡が好きで、その派生でアイドルが好きだったんです。『イエローマジック歌謡曲』的なところから、アイドルに提供した曲とか、こういう可愛い声に昔のポヨンポヨンしたシンセが合うんだなぁとか。そんなところから入ったので、あまりメンバーを覚えるとかそういうのがなくて。 ——あくまで楽曲のみだったんですね。 上坂 ただ、2012年にモーニング娘。さんのライブに連れて行ってもらったことがあったんです。そこではじめて動いているアイドルをちゃんと見て、「アイドルは動いて踊るものなのか!」と、曲だけの存在じゃないんだって、現人神的な見方を。 ——それが正しいアイドルの見方であると。 上坂 アイドルって少女だけの世界で生きている住人だと私は思っているんです。例えばJuice=Juiceさんも、ブログを毎日のように更新して、いつもメンバーと映っていたり、メンバーだけを映していたり、本当になんでもないようなことを綴って、そしてなんでもないのに可愛い。この数学の通用しない人々というか、法則がねじ曲がっているというか。だけど、それはステージで踊っている姿が焼き付いているから、そういう神フィルターがあるからなんだろうなって。 ——推しメンはいるんですか? 上坂 (植村)あかりちゃんは私の中ではじめて他のものが見えないっていうくらいに可愛いと思ったアイドルですね。——声優さんもライブで歌って踊ってというのはあるじゃないですか。なにがどう違いますか? 上坂 私の場合は、普段のラジオでの素のトークや、芝居など、そっちに重きがあって、時々スペシャル企画で歌ったりするので、観ている人からすると友達が出し物している雰囲気が強いと思うんです。だけど、アイドルの方々は基本的に歌と踊りがあって、時々会えたりするので、それはまさしく触れ得ざる者が時々降臨する、というか。なので声優とは、また違うのではないかなと思います。 ——そんな上坂さんが2016年1月6日にアルバム『20世紀の逆襲』を出されるということで。新曲も7曲(内2曲はインスト)入っているみたいですが。 上坂 新曲たくさんありますね。私は「歌をやっていく」と言われたときに、歌の経験がなかったんです。それで、よくわからないまま、いつかはピンとくるんじゃないかと思っていたんですけど、今でもそんなに……どんな歌い方が合っているのかわからなくて。声優さんは歌が上手い方がたくさんいますけど、私はあまりそういうタイプじゃないんだろうなって思っています。逆に微妙な歌唱力のアルバムがあってもいいのかなって(笑)。 ——いやいや、先日ファンクラブイベントを拝見させて頂きましたが、非常に素晴らしかったですよ。ファンの方のコールも含めて。 上坂 そう、半分くらいは同志(ファンの総称)が盛り上げてくれているんです。他の声優さんの「○○の気持ちを込めて」とか「聞いてくれる方への応援」などのインタビュー記事を見ると、私は伝えたことがないなと……。 ——でも、ご自身で作詞もやられたり。 上坂 なんでしょうね……自分のことを歌詞にせず、党歌みたいなものを意識したので、どちらかというと勇ましさというか……あまり切ない想いとか揺れる気持ちとか、まったく入っていなくて。そういうラブソングをほとんど歌ったことがないので、よくわからないんです。新曲にもありません。 ——あ、もうハッキリと宣言しますか(笑)。 上坂 はい、ありません(笑)。淡泊と思われるかもしれませんが、ラブソングは世にたくさんありますから、違う趣旨があっても良いと思います。 ——でも「上坂すみれのラブソング」というのも興味があります。 上坂 いつか……やる気が出てきたら、はい(笑)。 ——あと、2月11日、12日に開催される中野サンプラザ2デイズ『超中野大陸の逆襲』では、なにをやるんでしょうか。 上坂 去年とはまた違った趣になると思います。曲も多いですし、とにかくホールで2デイズはやったことがありませんので緊張しますね。一度、デビュー直後にシングルが1枚しかないのに、ライブハウスで2デイズやったことはありますが……。 ——その時はなにをやったんですか? 上坂 同じ曲を3回くらいやったり、紙芝居をしたり、クレープを焼いたりして間を持たせるという……。でも、今回は曲がいっぱいあるので、そのたぐいの暴挙は起こらないと思います。ただ、そういうちょっとライブっぽくないところが面白いところでもあると思います。 ——実は声優さんのライブに行ったのは、先日の上坂さんのファンクラブイベントが初めてだったんですが、とても面白かったです。玉入れとか、二重跳びとか、軍歌を歌ったり、ファンの方のコールも完璧で。 上坂 なんであんなに盛り上がるんでしょうね……盛り上がらないとシベリア送りにでもなるのでしょうか(笑)。鬼気迫る感じが……でも、うれしいです(笑)。 ——あと、○×クイズがあったじゃないですか。2階席から見ていたんですが、ズルをしている人がいないんですよね。当たり前かもしれませんが。 上坂 そうなんです。礼儀正しいのが同志の良いところなんです。ちゃんと「今日誕生日の人にプレゼント渡して~!」って言ったら、ちゃんと誕生日の人の所までリレーで渡してくれるんです。なんかこう「いい人かよ!」っていうか、ありがとうございます。 ——素敵な現場ですね。あと、初心者的に気になるのは、「にわかに優しい現場か」という部分なんですが。 上坂 一見、公式サイトとかを見ると、にわかに厳しそうな面をしているんですけど、全然そんなことはないと思うんですよね。 ——コールしなくても大丈夫ですか? 上坂 いや、コールとかしなくてもいいので。初めて行くからコールもわからないけど、手持ち無沙汰ですよっていう人はとりあえずサイリウムを持っていれば間は持ちます。まわりの老兵というかベテランみたいな人いっぱいいますから、ブロマイドとかも簡単に交換してくれます、気軽に。終わったあとは飲み会にもきっと参加できます。よく同志飲み会とか起こっておりますから。中野は飲み屋さんもたくさんありますし。 ——ハートフルな現場ですね。 上坂 ハートフルですよ。私より年上の方、社会人の人が多いので、きっと懐が広いんだと思います。全然大丈夫です。ぜひ、軽い気持ちで来て頂けたらと思います。 <リリース情報> 2016年1月6日発売 『20世紀の逆襲』(キングレコード) 2年ぶり2枚目のフルアルバムには、2014年3月リリースの『パララックス・ビュー』から、2015年72年ぶり2枚目のフルアルバム月リリース『Inner Urge』までの既存曲11曲に加えて、新曲5曲と2曲のインスト曲、全18曲が収められる。初回限定盤A、B、C、通常盤の4形態でリリース。スターチャイルド上坂すみれHP http://www.starchild.co.jp/artist/uesakasumire/ スペースクラフト上坂すみれHP http://spacecraft.co.jp/uesaka_sumire/ 上坂すみれTwitter公式アカウント @Uesakasumire 上坂すみれLINE公式アカウント OVERTURE No.005http://www.amazon.co.jp/OVERTURE-No-005-%E3%82%BF%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%A0%E3%83%83%E3%82%AF/dp/419710426X/ref=pd_rhf_gw_p_img_2?ie=UTF8&refRID=113R6483KZ8VHJSKMKX7
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