――女子高生としての小梅と、中身が恭一郎になってしまった小梅という「1人2役」になりますが、飯沼さんが女子高生とおじさんを演じ分ける時、心がけていることはありますか?
飯沼 「相手との距離感」ですね。見た目は同じ小梅なんですけど、例えば親友の律子となら、小梅でいる時は女の子同士ですごく親密なスキンシップになりますよね。でもパパの恭一郎にとっては、(律子が)いきなり腕を組んで来られたら「えっ!?」ってびっくりすると思うんです。女の子とおじさんでは物理的にも精神的にも距離があるので。そういった感覚の違いを映像の中でも伝わるように意識しています。
――恭一郎(に入れ替わっている小梅)を演じるために何か研究したことは?
飯沼 恭一郎にとって小梅は一人娘なので、一人娘を持つパパの気持ちってどうなんだろう?と興味を持って調べてみたんですけど難しくて。でも(入れ替わる一因になったように)きっと自分の命より大切に思っているんだろうなと思うし、この世で一番かわいいものなんだろうな、という気持ちを表現できたらなと思いました。それでもパパの親心を理解するというのは難しかったですね。
――今(7月上旬)も撮影が進んでいますが、小梅と恭一郎の「中身」の切り替えは難しいですか? それともあまり違和感なく入れ替われる方ですか?
飯沼 難しいです! 1日の撮影の中でパパでいるシーンと小梅でいるシーンを交互に撮ったりもしますし。
――初主演のドラマ「この初恋はフィクションです」での倉科泉も高校生の役でした。学園を舞台にしたものが多いですが、今まで演じてきた役や、撮影現場で見てきた役の中で印象深いものはありますか?
飯沼 「この初恋はフィクションです」の泉ちゃんのプロフィールが発表された時、友達や恩師から「似てるね!」と言ってもらいました。泉ちゃんと比べると私自身はもっと活発なところがあるのかなと思いますが、根が真面目なところは共通点だなと思いました。だからなのか、役作りを過度に意識しないで自然体で演じることができました。
――これから女優としてもますます成長していくと思いますが、演じてみたい役はありますか?
飯沼 スポーツ系の作品に出てみたいです。中高でバスケをずっとやっていましたので、クランクイン前に3ヶ月猛練習!とか何かに打ち込んで青春を燃やす役は今しかできないので是非やってみたいです。社会人の役だと医療系のドラマとか。新人でビシバシ鍛えられていく役で、視聴者の方にも「がんばれ!」って共感してもらいながら成長できる役でしょうか。恋愛が絡んでいた今までの2作とは違って、スパルタな作品でも新しい面を見せるチャンスをいただきたいなとも思います。
▽『パパとムスメの7日間』
7月26日より毎週火曜深夜24:58~25:28 (TBS/MBSほか)
飯沼愛 長尾謙杜(なにわ男子) 小栗有以(AKB48) 松本怜生 高木ひとみ〇(ぽんぽこ) 羽田美智子 眞島秀和 ほか
【前編はこちらから】飯沼愛、「パパとムスメの7日間」一人二役の舞台裏とこれからを語る