(前後編の後編)
【写真】初写真集で美しいスタイルを披露した能條愛未 撮り下ろし写真【5点】
──写真集発売当日に本屋に行ったとのことですが、街を歩いていて、声をかけられることは?
能條 今はもうなくなりました。乃木坂46時代はそういうこともありましたけど、グループ自体、新しいファンの方が増えているのかもしれません。1期生全員を知っているファンの方は少なくなってきたなという印象です。
──現在、乃木坂46のことはチェックしていますか?
能條 卒業したのは2018年末でした。その頃はライブのDVDを見ると、みんな輝いているなと、羨ましさが芽生えてしまいました。でも、去年、東京ドームのライブを観に行くと、普通にお客さんとして楽しんでいる自分がいました。時間の経過とともに、自分はステージに立つ側にいたんだという気持ちが消えていて、「みんなかわいいな」とか「こんなに曲が増えたんだ」と感じるようになりました。
──卒業後は積極的に情報を追っていたわけではないんですね。
能條 そうですね。自分のことで精いっぱいでした。テレビを点けて、メンバーが出ていたらそのまま見る、くらいでした。それよりも、卒業後は自立しないといけないですから。
──闘っていたというと?
能條 卒業して2年くらいは一人になったといっても、まあ大丈夫だろうとタカをくくっていました。でも、3年以上経って、ようやくこの世界で頑張っていく大変さを実感しています。今は自分の実力不足と向き合っています。やっと自分の力を知ることができました。私ってこんなに自信がない人間だったんだって。
──グループを卒業すると、環境ががらっと変わります。舞台で共演する方たちに囲まれると、刺激を受けるのでは?
能條 どのお芝居の稽古期間も、こんなに素敵な方がたくさんいたのかと感じる毎日です。グループ時代の私は「お芝居では自分が一番だ」と勘違いをしていました。でも、一線で活躍されている方々とご一緒させていただくと、自信をどんどん失っていきます。大好きだったはずのお芝居が好きではなくなっていき、お芝居への恐怖心が強くなっていきました。今は、その恐怖心をどうやって乗り越えるか。
──そのためには、稽古中はもちろん、プライベートをどう過ごすかが大事になりますね。
能條 私は腹筋すら長続きしない性格です。お仕事が決まると、慌てて準備を始める――。そんな日々を過ごしていたら、自信がつくはずはありません。3年経って、やっとプライベートを準備期間に充てることの大切さに気がつきました。確固たる自信を身につけるには日々の過ごし方にかかっているんです。
──具体的にはどのように過ごしていますか?
能條 滑舌の練習とボイストレーニングです。滑舌は自信がないので……(笑)。本番中、不安に襲われることがあります。「次のセリフ、自信ない。ヤバい……」。
──写真集のタイトルにもありますが、これまで経験したカーテンコールで印象的だったものは何ですか?
能條 『グッドバイ』(2020年)です。この舞台は初めてオーディションで合格を勝ち取った作品でした。生瀬勝久さんが演出をされたんですが、稽古中も本番中も細かく指導していただきました。苦労した分、千秋楽のカーテンコールは忘れられません。ベタですけど、生きててよかった、この世界にいてよかったと思えた瞬間でした。
──現在27歳です。自身の年齢をどう捉えていますか?
能條 ずっと23歳くらいの気持ちのままでいます。ファンの方にも驚かれるんです。
【前編はこちら】元乃木坂46 能條愛未、念願の初写真集を語る「発売日に本屋に行きました(笑)」
▼能條愛未 ファースト写真集『カーテンコール』(blueprint)
撮影:熊谷直子
価格:3300円(税込)
■イベント情報
『能條愛未ファースト写真集『カーテンコール』発売記念お渡し会』
7月31日(日)15:00~17:00 大阪 梅田 蔦屋書店 4thラウンジ
イベント詳細はこちら
https://store.tsite.jp/umeda/event/art/27405-1942290623.html