──2月13日発売のニューシングル『#film』では、初めて作詞・作曲をされていますよね。実際に書かれてみて、いかがでしたか?
吉田 どちらも以前から挑戦したかったので、実現できてうれしかったです。なかなか始めるきっかけがなかったんですが、昨年にお会いしたアーティストの方に、『一緒に曲を作ろうよ』と誘っていただいて。好きなアーティストの方だったので、すごく楽しく曲作りをできました。
──では、二人三脚で作ったような形なんですね。
吉田 そうですね。リリック(歌詞)については、まず自分で書いたものをフリーのトラックに合わせてラップして、それにアドバイスをいただきながら作り込んでいきました。今回のラップは、『音に乗る』というよりは、心の中に染み入っていくような雰囲気で、私がやりたかったラップの形でもありましたし、歌詞も書きやすかったです。作曲の方は、私の音のイメージを、アレンジャーさんにもお話しながら作っていった形です。
──初めての作詞では、「こんなことを書きたい」というイメージは以前から持っていたのでしょうか。
吉田 「自分の好きなものについて書きたい」と思っていました。
──フィルムカメラはいつ頃から使われているんですか?
吉田 高校1年生の頃からですね。景色を撮ったり、私が一方的に友達を撮ったりしています(笑)。
──「茶色い瞳 長い髪 そんなの全部あー可愛い感じ」という歌詞からその空気が伝わってきました。フィルムカメラの何が好きなんでしょう。
吉田 現像した写真に写っている景色や友達を見たときに、「これを撮ったときはこんな気持だったな」と感情に浸れるところですね。フィルムは、写ったものの大切さが伝わってくる気がして。「写ルンです」のようなカメラで、24枚とか決められた枚数を、時間をかけて撮っていくのも楽しいです。
──吉田さんは以前から「同世代の人に共感してもらえるような曲を作りたい」と仰っていましたが、まさにそんな曲になっていると思います。
吉田 10代の女の子の間では実際にフィルムが流行っていますし、女の子同士の曲はそこまで多く歌われていないと思うので、それを自分で書いてみたいと思いました。『私が撮る君は~』という歌い出しや、リップの色をリリックにすることで、女の子の雰囲気が伝わるように工夫をしました。また、この曲はラブソングではないですが、違う形の『好き』という感情を込めた曲でもあるので、歌っていてもすごく楽しいですね。
──「悲しい顔とか優しい顔とか全部収めてるから 全部私知ってるよ」といった歌詞からは、高校生の頃の友達と一緒の時間の楽しさとか、それが過ぎていってしまう切なさや儚さも伝わってきました。
吉田 ありがとうございます。2月にリリースしたこの曲は、私が女子高生として発表する最後の曲でもあるので、青春に1つの幕が下りるような内容にもなっていると思います。
──カップリング曲の2曲目の『MU(ムー)』は、打って変わってダンサブルな曲調で、ライブで聴くと盛り上がりそうな雰囲気ですね。
吉田 この曲は水曜日のカンパネラのケンモチ(ヒデフミ)さん作曲、バクバクドキンのYUI(ゆい)さん作詞なんですが、本当に踊れる曲ですね。私自身、ダンスと歌の両方を追求した曲をやりたいなと思っていたので、イメージ通りの曲でした。歌詞については、見たことのない新しい世界へと踏み出す雰囲気が、高校を卒業する自分にも重なりました。
──3曲目の『Tea for Two』でも「君だけ私だけの進む道」という歌詞がありますよね。吉田さんはこれまでバンド、ラップなど様々な形での表現を行ってきましたが、アーティストとして向かう先が明確になってきているのかな……と感じるシングルでもありました。
吉田 仰っていただいたとおり、本当にいろんなことをやってきましたが、18歳になって自分のやりたいことも見えてきました。今は「歌、ラップ、ダンスの3つを追求した曲をどんどんやっていきたい」という気持ちでいます。
──3月には高校生の最後のワンマンライブツアーがありますね。
吉田 そうですね。4人のダンサーとDJと一緒にステージに立ちます。
──曲だけしか聴いたことがない人の中には、吉田さんのライブを観ると驚く人も多そうですよね。
吉田 私がダンスをすることは知らない方もいるでしょうからね。歌については、ダンスと合わせてステージで表現することで、音で聴く以上に伝わるものや感じるものがあると思います。平成最後、女子高生最後のツアーということで、パワフルなライブにしたいです!
──卒業も間近ですが、女子高生としてやり残したことはないですか?
吉田 活動の中で「制服を着る」というのは最近していなかったですね。なので、最後のジャケ写では「制服を着て撮りたい」と自分で希望を出しました(笑)。ジャケ写もライブもJK感全開な感じを楽しんでほしいです。

吉田凜音ニューシングル『#film』発売中
女子高生としてのリリースは最後となるシングルで初の作詞・作曲に挑戦。ジャケ写も制服姿に。限定生産盤は写ルンですの本体に楽曲『#film』のダウンロードコードが入った、音楽業界初の「レンズ付フィルムカメラ盤」。
吉田凜音「バイバイJKバイブスアゲてこ~↑↑↑ツアー」
3月20日(水)大阪FANJ twice
3月22日(金)名古屋ell FITS ALL
3月27日(水)渋⾕WWWX
よしだ・りんね
2000年12月11日生まれ。北海道出身。2016年、地元北海道から本格的にアーティスト活動に専念すべく上京。2017年、『STAY FOOL!!』でビクターエンタテイメントColourful Recordsよりデビュー。18歳の現役女子高生アーティスト。
2月24日には『#film』発売記念フリーライブがタワーレコード神戸店にて開催。