【写真】AKB48の新センター千葉恵里の撮り下ろしカット【3点】
今年7月30日、都内某所にある事務所の会議室にAKB48のメンバーが3人集められた。茂木忍、佐藤綺星、そして千葉恵里の3人だ。
茂木は活動11年目の13期生。近年は村山彩希、岡田奈々、向井地美音と始めたYouTube「ゆうなぁもぎおんチャンネル」で人気を上げている。佐藤は17期研究生。今年5月にお披露目されたばかりだが、同期での注目度では頭一つ抜けており、ダンス経験があるため習得が早く、即戦力として期待されている。
千葉は、なぜ自分がこの2人とともに呼び出されたのか、その理由を冷静に考えていた。「2人は初選抜なんだろうなと予想できました。でも、私はなんで呼び出されたのか? そう考えたとき、『もしかして……』とは思いました」
その読み通り、千葉はセンターと言い渡された。その瞬間、襲ってきたものは喜びではなく、驚きだった。
「センターといえば、前田敦子さんや大島優子といったすごい方たちが立ってきたポジションなので。
2015年5月、千葉は「第2回AKB48グループドラフト会議」でAKB48に加入した。小学6年生の1学期だった。その数か月後、筆者の取材に対し、「将来はすごい有名になって、センターを目指していきたい」と前向きな言葉を残している。
しかし、千葉にはそのような記憶は残っていない。
「そんなこと言いました? 絶対思ってなさそう! 小6だったから、適当に答えてた(笑)」
笑って否定しながらも、「へー、そんなこと言ったんだ。それが叶ってるんだ……」と夢の実現を噛みしめた。
センターと告げられてから2か月が経った。時間の経過とともに気持ちに変化が訪れた。
「沖縄でのMV撮影でセンターに立って踊ってみても、『自分はセンターなんだ』と思いはするけど、実感はなくて。でも、歌番組に出演させていただくと、表情を抜かれる回数も多いですから。そうなると、反響も増えて、実感するようになりました。
何をするにしても、千葉はエゴサーチを欠かさない。今回ばかりは「いくらスクロールしても無限に(自分に関するツイートが)出てきた」という。それがセンターになるということだ。個人アカウントのフォロワー数は数千人も伸びた。
かといって、気負ってもいない。自分の顔と名前を売る大チャンスを摑んだというのに、歌番組出演の前日に顔写真をつけてツイートする程度。もっとしゃかりきになってもよさそうなものだが、肩の力が抜けているのが千葉らしい。
「自分の中身を知ってほしい」
そう語る新センターだが、では肝心の中身はどんな子なのか。AKB48グループ総監督の向井地美音はこう語る。
「まずは圧倒的な顔。そして、スタイルのよさです。お人形さんみたいにかわいい。
顔が小さく、手足も長い。トレードマークはツインテール。どこから見てもアイドル然としたルックである。しかしながら、それだけで人気が出る世界ではない。向井地は続ける。
「小学校の頃から見ていますけど、女子力がかなり上がりました。その成長ぶりもアイドルとして強味です。以前は雑にうどんを食べていたイメージが強いんですけど(笑)、そんな子がセンターにまで上り詰めた。そんなストーリーを見せてくれているところもファンは推せるんでしょうね」
千葉本人に性格を分析してもらったところ、「思ったことをズバズバ言ってしまいます。
2018年、AKB48グループは韓国のオーディション番組「PRODUCE48(プデュ)」に参加した。希望者が韓国での合宿に参加し、幾多の難関をクリアして、新グループのメンバーとしてデビューできるという企画だった。これがのちのIZ*ONEである。このオーディションに千葉も参加した。
「あのときはまだ中学生でした。どんな企画なのか、具体的なことはわからずにルンルン気分で韓国に行ったら、ケータイを没収されて。『どういうこと?』と思っているうちにサバイバル生活が始まりました。睡眠時間を割いて、練習する毎日でした。韓国ではそれが当たり前なんです。中学生なのに、よく耐えたと思います。」
思ったことを口に出してしまう性格ゆえに、番組中に「(ダンスが難しくて)無理です」と発言してしまい、視聴者は「だったらなぜ参加したのか?」と色めき立った。
だが、この発言で注目を浴びることになり、結果的にファンを増やすことになった。
「(私には)女の子のファンが多いです。今でも『プデュを見て好きになりました』という方がいらっしゃいます。私自身、プデュを受けてよかったと思っています。ダンスが上手になったと褒められるようになりましたし、アイドルの映像を見て研究するようになったきっかけを作ってくれました」
そう話す口調もサバサバしていた。聞けば、重度のせっかちだという。
「私、人が説明してくれているのに、その途中で『はーい、分かりました』って遮っちゃうんです(笑)。自分がマイペースなので、そのペースを乱されるのが嫌なんだと思います」
それなのに嫌いにはなれない。人を惹きつける力がある。だから、センターに立つ運を引き寄せた。
「将来は(元NMB48の)吉田朱里さんみたいになりたいです。アイドルもできるし、美容系のYouTubeで人気になられたじゃないですか。男性のファンの方も大事ですけど、女の子のファンの方をAKB48に取り込んでいける存在になれたらいいですね」
そのためインスタの写真には徹底的にこだわる。
「写真は何枚も撮ります。インスタ用の高いカメラも買いました。TikTokでも、あることを計画しています。今のフォロワー数は10万人ちょっとですけど、50万人にまで伸ばしたいです」
気がつけば好きになっている。それが千葉恵里だ。この原稿を読んでいるあなたももう沼の入口に立っているのかもしれない。
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