現在発売中の『OVERTURE』018号のファッションスナップで共演している乃木坂46北野日奈子大園桃子。普段から仲の良い2人は現場でも和気あいあい、笑顔の耐えない撮影となった。
今回は2人のインタビューを、誌面に入り切らなかった部分を大幅に加筆、完全版としてお届けする。

──北野さんが活動休止している間、大園さんは寂しかったですか?

大園 なんか、「どうしたらいいんだろう」と思ってました。ときどき連絡していたんですけど、送りすぎてもうっとうしいのかなって。

北野 いやいや、全然。後輩の中では一番メールをもらっていたし、うれしかったよ。逆に、桃子は大丈夫かなと少し心配でした。

大園 やっぱりそう思うよね(笑)。

──大園さんのただ明るいだけじゃない性格を知ってるから。

北野 そうです。2人とも普通にすごしているだけで「明るいね」と言われるタイプだけど、もちろんそれだけじゃないところもあって。まわりの人とうまくコミュニケーションがとれないところも似ていたから、休みながらも気にかけてました。元気かなって。


大園 桃子はひーこちゃんが休んでいる間、ひーこちゃんが笑ってる写真や映像を観ると涙が出そうになってました。

北野 日奈子、死んでないからね(笑)。

──北野さんが戻って来た時はうれしかったですか?

大園 うれしかったです。最初は心配な気持ちもあったけど、バースデーライブのリハを見ていたら、ひーこちゃんは前と変わったんだと思いました。

北野 私としては新しい自分に生まれ変わった感覚なんです。だから、桃子や(齋藤)飛鳥に「変わったね」と言われた時は「見てくれているんだな」と感じました。

大園 2期生で一番かわいいのはひーこちゃんだなと再確認しました。顔はダントツでタイプです(笑)。

──7thバースデーライブ(2019年2月21日~24日)の3日目は大園さんの煽りからはじまりましたね。

北野 あれ、なんて言ってたの?

大園 「京セラ、行くぞー!」。

北野 笑いながら叫んでるからなんて言ってるのかわからなかった(笑)。

大園 めっちゃ緊張したんですよ! 涙目だったんだから。


北野 ニッコニコして楽しそうだったよ(笑)。

大園 ここで泣いたら「2年前と一緒じゃん」と言われると思って、目は泣いてるけど、顔は笑ってました(笑)。

北野 フフフ。でも、楽屋で「桃子のセンターはしっくりくるね」と話していたんです。(伊藤)理々杏や(岩本)蓮加が真ん中に来た時は新しい発見があったし、3期生のセンターが曲ごとに変わるのはいいことだと思うけど、桃子が真ん中でしーちゃん(久保史緒里)と(山下)美月が隣にいて、後ろで元気な(向井)葉月とかキレイに踊る(中村)麗乃が見える、という最初の形がやっぱり好きだから。

大園 え~! うれしい!

──バースデーライブでは大園さんが生駒さんのポジションに立つこともありました。

大園 去年の「真夏の全国ツアー」の『太陽ノック』で生駒さんのポジションに入った時は、何度も映像を観て、生駒さんに近づかなきゃいけないのかなと思っていたんです。だけど、いまは考え方が変わって気負わなくなりました。生駒さんと桃子ではどうやっても別モノになるんだから、自分風にしたほうがいいんじゃないかって。

──2年前の『逃げ水』でセンターに立った時と比べても変わりましたね。

大園 あの頃は“Wセンター”のキツさがあったんですよ。何をしても比べられてしまうから。
ひーこちゃんがWの時はどうだった?

北野 私は『アンダー』でひめ(中元日芽香)とWセンターになってうれしかった。隣に並んで、卒業するひめの背中を押すことができたらなと思っていたから。

──いま『アンダー』は北野さんがひとりでセンターに立ってますよね。

北野 ファンの方の「バースデーライブは卒業したポジションに3期生が入ることが多かったけど、『アンダー』は形を変えなかった」というコメントを見て、「確かにそうだな」と思って。ひめ以外と『アンダー』のセンターをやることは考えたこともなかったんです。

──バースデーライブはどんな気持ちで『アンダー』に臨みましたか?

北野 最初の頃は『アンダー』を歌っている自分たちの見え方が嫌だったんです。現状はそうかもしれないけど、自分たちで「スポットライトが当たらない」と発信するのは違うんじゃないか、それぞれにスポットライトが当たるアンダーライブという場もあるから、そんなにクヨクヨしてないよって。でも、いまはイントロがかかった時の気持ちで表現するようになりました。そのたびに心がギュッとなるけど、それがマイナスな気持ちではないんです。

大園 すごい……。ひーこちゃん、すごくなってる。

──バースデーライブの3日目は『日常』の前に北野さんの映像が流れましたね。


北野 知らなかったから、前日のリハで観てビックリしました。

大園 桃子、『日常』がすごい好き。みんなの全力感が伝わるんですよ。

──『日常』は初期アンダーライブのような熱量あるパフォーマンスを目指したんですか?

北野 そのくらいの熱量はあるけど、全然違う形だなとは感じました。どうしても、過去のアンダーライブが比較対象になるし、目指す部分ではあるけど、違う形で追い抜きたいと思うんです。

──卒業したメンバーが実際に存在感のある方たちだったのはもちろんですが、記憶が美化されることもあるだろうし、過去を超えるのは容易ではないと思います。

北野 今回のバースデーライブはそれを感じました。「いまの乃木坂46もいいね」と言わせるパフォーマンスを見せるのが私たちの役目だと思ってます。実際、卒業メンバーの穴を埋めてくれた3期生はみんな一生懸命やってました。今回、梅ちゃん(梅澤美波)が(橋本)奈々未さんのポジションに入ったけど、いまでも奈々未さんを想っているファンだっているし、そんな方たちを想像して「私が入っても大丈夫かな」と思ったはず。輝いていた場所に空いた大きな穴を、自分たちの形に変えて見せることが役目で、すごい恐怖をともなっているんだろうなって。でも、そんなプレッシャーを感じさせずに堂々とステージに立ってました。
お世辞じゃなくて、もとからそこにいたようにしっくりきていたんですよ。梅ちゃんにしかできないことだと思います。他の3期生もそう。みんないろいろあるのに残って練習して、オリジナルに近づけながら自分の色も出してました。本当に感動したし、3期生に感謝してます。私は全人類と戦っても後輩を守りたいと思いました。

大園 ひーこちゃん、そんなに強かった?

北野 強いわけじゃなないよ。近くでみんなの努力を見てきたから、そう思っただけ。

大園 うれしいですね。桃子は先輩のポジションに立つのが初めてじゃなかったから、以前よりはラクな気持ちでやれたと思うけど、今回初めて入る子にはすごいプレッシャーがのしかかったはず。みなみん(梅澤美波)の姿を見たら心が苦しくなったけど、「気にしないほうがいいよ」と言っても気になるだろうから、桃子は見守ることしかできませんでした。

北野 桃子は強くなったよ。
梅ちゃんの変化に気づいて寄り添ったり、まわりを気にかけて行動できるようになったんです。まわりからたくさんの愛情を受けてきて学んだのかな。

大園 自分で言うのもなんですけど、ちょっと強くなったのかなと思います。フフフフフ。
▽北野日奈子(きたの・ひなこ)
1996年7月17日生まれ、北海道出身。O型。2期生。2013年3月乃木坂46 2期生オーディションに合格。2014年4月発売の8thシングル『気づいたら片想い』で初選抜。昨年12月には1st写真集『空気の色』を発売。ファッション誌『Zipper』の専属モデルとしても活動中。

▽大園桃子(おおぞの・ももこ)
1999年9月13日生まれ、鹿児島県出身。O型。3期生。2016年9月乃木坂46 3期生オーディションに合格。2017年7月発売の18thシングル『逃げ水』で与田祐希とともにWセンターに初選出される。今年4月からは『らじらー!サンデー』(NHKラジオ第1放送)の偶数週MCに就任。
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