5月4日(土)にNMB48劇場にて卒業公演を行う城恵理子。20歳を迎え、グループから離れる決断をした彼女と、新世代のセンターとしての期待も高まる太田夢莉は、単に仲良しという言葉では言い表せない、深いところで気持ちの繋がった同志。
かつては劇場公演でWセンターもつとめ、苦楽を共にしてきた2人が、今だからこそ語る「これまで」のこと「これから」のこと。対談前編。
──NMB48きってのクールでイケメンキャラ、でも実は熱いハートをお持ちの2人が、心の深いところで理解しあった仲であると聞き、対談をお願いしたいと思っていたのですが、城さんのまさかの卒業発表。で、慌てて今回お時間をいただきました。まず城さんの卒業のお話から。決意したのはいつ頃なんですか?

城 卒業を決めたのは、去年の選抜総選挙の後です。ランクインすることができたら、それをきっかけにしようと思っていて。

──そういう気持ちになったのは、どうしてなんですか?

城 これからの目標は何やろうって考えたときに、総選挙のランクインしかないなと思うようになったんです。それまでソロ曲(『もう一度、走り出してみようか?』)だったり、AKB48さんのカップリング曲(『下手を打つ』)でセンターをやらせていただけたりしたので、あとはランクインできたら、やりきったと思えるかなと。それで、ファンのみなさんのおかげで79位にランクインさせていただくことができたので、気持ちがすっきりしたと言いますか。グループにいた証が残せたんじゃないかなと思ったんです。

──せっかくランクインできたのに、もったいない気もしますが。


城 逆にやりきった感が出てしまったんですよね。どうしてもNMB48のセンターに立ちたいかと聞かれれば、“もしできたら”くらいの気持ちになってしまって。そういう気持ちで活動していくのはなあ、とも思い始めて。やっぱり気持ちが変わったのは、『ワロタピーポー』(17年12月リリース)ですかね。

太田 そんなにはっきりと変化したの?

城 ソロ曲もいただいたし、CDジャケットに楓ちゃん(矢倉楓子)と2人だけで参加させていただいたり。やっぱりそのときからですね。

──3月19日のチームBII公演で発表しましたが、そのときの気持ちはどうでしたか?

城 緊張するなあっていう気持ちと、卒業発表が2回目だったので、ファンのみなさんの反応はどうなんだろうっていうのが気になっていました。でも発表したあとはすっきりして、後悔は全然なかったです。

──太田さんは知ってたんですか?

太田 けっこう前からLINEでやりとりしてても卒業を匂わせるようなことがあって、それは決まった話なのか、迷っているのか、どっちなんだろうって思っていたんですけど、深堀りはしない感じで聞いてて。でも突然“19日に発表が決まった”って連絡がきて。あっ、本当に卒業するんだって、急な印象は受けました。

──深堀りしない方がいいというのは?

太田 それはジョーの人生だし、ジョーがそれでいいと思っているんだったら、下手に私がやめてほしくないとか言って止めてしまうのも嫌なので、好きなようにするのがいいって思っていて。


──城さんがほのめかしたというのはどんな感じだったんですか?

城 “そのときいるか分からんけど、応援してるし”とか。

太田 言ってましたね(笑)。

城 ゆーりに隠すつもりはなかったですね。決めたことだから、言ってもいいかなって。

太田 私ももし自分が先に卒業することになっていたら、ジョーには言ってたと思うので、伝えてくれていてよかったと思いました。

──2人は15年の城さんのチームN昇格で初めて同じチームになったわけですが、最初にお互いを意識したときの記憶はありますか?

太田 私はジョーの最初の卒業発表(12年9月)を知ったときに、“えっ、城さん卒業するの?”って駅の階段で立ち止まったことをめっちゃ覚えています。グループでも前に立っている人がいなくなるのってどういうこと? って動揺しました。

城 私は『ドリアン少年』(15年7月)のときなんですけど……。

太田 おい! けっこう最近(笑)。

城 3期生とはそれまで関わることが少なかったんですよ。

太田 3期生は、3期生だけのチームでスタートしたこともあって、先輩と話す機会があまりなかったんですよね。

城 で、『ドリアン少年』のMV撮影のときホテルが相部屋だったんです。


太田 懐かしい~、忘れてた。

城 私、めっちゃ緊張してたんです。太田夢莉と同じ部屋やって。

太田 何で(笑)?

城 ほとんどしゃべったことないし、チームは同じでもすごく仲がよかったわけでもないので。めちゃめちゃ覚えてるのは、ゆーりが着替えのときに……。

太田 そうそう。次の衣装に着替えるときに、靴下をお風呂場に落としてビショ濡れにしてしまって。でも、すぐに履いて出ないといけなくて、それを見ていたジョーがドライヤーで一緒に乾かしてくれて。

城 そこから仲良くなってよく話すようになって。でもまた一時期話さなくなったことがあって。

太田 何かがあったわけじゃないんですけど、お互い共有できない心の闇を抱えすぎて、あまり話さないようになりました(笑)。

城 ほんまにしゃべらなかったよな、1年もないけど。


太田 あまりにもしゃべらなくなって、それまでどう話してたのか分からなくなってしまったんですよね。

城 お互い人見知りやし。確か、私がゆーりに“最近しゃべってないな”ってLINEして。ゆーりからも“私も思ってた”って返事があって。

太田 でもLINEでしか話してなくて。会うとしゃべらないのに、LINEだとめっちゃ話すという。

──その後、16年10月の組閣(チーム編成)では揃ってチームBIIに異動することになりましたが。

城 “ゆーりがおったイエーイ”とかはなくて、“おるなー”くらいの感じでした(笑)。

──確かに昨年11月の城さんの生誕祭で太田さんのお手紙に“特に距離が縮まったのはここ半年くらい”とありました。

太田 去年の夏くらいですね。何がきっかけとかもなくて急に。たぶん楓子さんが卒業してから、私が楓子さんのポジションをやらせていただくようになって、私のポジションにジョーが入るようになって。
Wセンターになったんですけど、そのときに同じチームにいるからこそ分かる悩みとか、考えてることを話すようになって、やりとりしていくうちに“ジョーも思ってた?”ということが増えていって、気が合うなあって思うようになりました。

──性格が近いんですかね。

2人 根暗です(笑)。

──2人での一番の思い出は?

城 やっぱりゆーりとWセンターをできたことですね。

太田 私も一緒です。広島でのあーぽん(沖田彩華)さんの卒業ライブとか特に印象に残っています。

城 私からしたら、ゆーりってすごい存在なので……。

太田 えー! そんなことないよ。

城 すごい存在なんです。人気もあるし、パフォーマンスもめっちゃ好きなので、負けたくないなあっていうのもありましたし。ゆーりの隣に立たせてもらうなんて、当たり前のことじゃないよなあと、もっと頑張らないとって思いながら。

太田 それは、私も同じように思ってたよ。
負けたくないって思うメンバーってなかなかいなくて。みんなそれぞれに個性があるから違ってていいと思うし。でもそんななかで負けたくないなって思うのが(山本)彩さんとジョー。彩さんはどんなときでもファンの方を満足させられるパフォーマンス力をお持ちで。ジョーはいつも全力で絶対に手を抜かない。あと、先輩後輩に関わらず意見をしたりとか、メンバーの心も動かそうとしていて。嫌われてもいい勇気を持つことって大切だから、すごいなあと思ってました。ステージ上でもお互いを見て、どちらかがバテてる姿を見せないように、しんどいときこそしんどさを見せちゃだめだなって思いながら、2人ともやっていたのかなって思います。

城 ありがたいですね~。

太田 おじいちゃんか(笑)!

(後編へ続く)
▽太田夢莉(おおた・ゆうり)
1999年12月1日生まれ、奈良県出身。AB型。チームN所属。3期生。ニックネームは「ゆーり」。吉田朱里率いるユニットQueentetのメンバーとしても活動中。新生NMB48のフロントメンバーとして、センターへの期待が高まる1人。

▽城恵理子(じょう・えりこ)
1998年11月27日生まれ、兵庫県出身。A型。チームBII所属。4.5期生。ニックネームは「ジョー」。2011年にNMB48の2期生として加入するも、2012年に卒業を発表。2013年にふたたびNMB48の研究生として加入、2015年に昇格。2019年に二度目の卒業を発表。5月11日、インテックス大阪でのNMB48 20thシングル発売記念個別握手会参加をもって、NMB48としての活動を終了。太田とはアニメ好きのヲタ友でもあるが、最近はあまり観れていないそう。
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